コラム

 公開日: 2013-04-20  最終更新日: 2014-06-04

公開Q&A(その6)般若心経をお柩へ入れれば、お経を燃やす悪行ではないでしょうか?

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。






 公開セミナーでの質疑応答です。
 プライバシーを守りながら、補足し、要点を書きとめておきます。

質問6 お祖父さんが亡くなったので、お祖父さんがいつも仏前で唱えていた般若心経を写経してお柩へ入れようとしたら、親戚のおばさんから、「お経を燃やして大丈夫?」と言われました。
    そう言われるとお爺さんは生前、経本をとても大切にしていたし、心配になりました。

回答6 行動において何よりも大切なのは、動機です。
    安心させたい、供養したいという思いやりで行うなら、悪行にはなりません。

 普通は、経本や数珠などを燃やそうとすれば、ためらいが生じます。
 み仏の世界につながり、思いのこもっているものを灰にすれば、お粗末になるからです。
 だから、そうした遺品はゴミ袋へ入れられず、庭で燃やせもしません。
 善男善女はお焚きあげを望み、持参されたり、送ってこられたりします。
 お品は、魂抜きや供養や因縁解除の法を結ばれた後、お不動様の火によって天地へ還されます。

 さて、それならば、今回のケースはどう考えればよいのでしょうか?
 まず、お孫さんは、無くなったお祖父さんに安心させたい、あるいはお経の力で守ってもらいたいと願っています。
 しかし、燃やすことへのためらいと、そうした気持のどちらを優先させるかに迷っています。

 第一に考えるべきは、それが斎場で許される行為かどうかという点です。
 いかなる信念があろうと、社会に住む以上、決まりを守らねばならないのは当然だからです。
 この点では、大丈夫でしょう。
 写経した紙は、死に装束と比べても燃やす上の問題はないので、葬祭会館や斎場の係員から断られることはないはずです。

 次に考えるべきは、燃やすといっても、たき火で燃やすのとはわけがちがうという点です。
 通常は僧侶の修法を伴っているので、お焚きあげと同じであり、何の問題もありません。

 そして、最も大切なポイントは、行動の善悪は動機で決まることです。
 お孫さんの動機には一点の曇りもなく、しかも、自分でわざわざ写経するという輝く善行をふまえています。
 ここは、「経典を燃やすのは冒涜である」という一般論を超えた状況であると考えるべきでしょう。
 時として世界的問題にまで発展する異教徒の経典を燃やす行為などとは、まったく次元を異にしています。

 最後に、経文を一緒に送る功徳について、経典からの逸話を紹介しておきます。
 ある時、破戒してしまった行者が、その報いとして重病に罹りました。
 哀れんだ一人の行者が経文を書いて掛けてあげたところ、病人はすっかり楽になり、穏やかな最期を迎えました。
 もちろん、それだけで悪行が消えたわけではなく、当然、あの世では地獄に堕ちました。
 しかし、地獄の猛火は消え、罪人の苦もなくなったので、閻魔王がお墓の中を部下に調べさせたところ、経文が大光明を放っていたのです。

 当山が行ったご葬儀でも、これまで、般若心経や観音経や理趣経百字偈(リシュキョウヒャクジゲ)を納棺した方々が少なからずおられます。
 経文の功徳による故人の冥加(ミョウガ…あの世でみ仏から受けるご加護)を願うのは、故人の救いになるだけでなく、行う人にとっても尊い善行です。
 ぜひ、恐れることなく、納めてください。

 今日の守本尊様の真言です。
https://www.youtube.com/watch?v=rWEjdVZChl0
 




 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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