コラム

 公開日: 2013-05-12  最終更新日: 2014-06-04

映画『クンドゥン』のあらすじ(その1)

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。






 5月11日の寺子屋『法楽館』では、1997年に作られたアメリカ映画『クンドゥン』を観賞し、学びました。

 『クンドゥン』は、ダライ・ラマ14世の誕生からチベットを追われるまでの過程をつづったマーティン・スコセッシ監督の作品です。
 出演者はすべて世界中から集められた素人のチベット人であり、数々の受賞に輝きました。
 ここには、宗教の真実も政治の事実も、そして侵略と迫害の現実も描かれています。

 インドで起こり、その精華を伝えるチベット仏教は、「宗教はアヘンである」とする中国共産党のために、チベットにおいて消滅させられつつあります。
 チベットの人々は中国軍の侵攻により国土を失い、生活を失い、言葉と宗教を失い、文化を失い、すでに120万人以上がいのちをも失いました。

 この映画は、「ダライ・ラマとは何か」だけではなく、チベットが地上から消し去られようとしている現実と、チベットの人々がいのちに代えてでも守ろうとしている尊いものを示しています。
 一人でも多くの方々に『クンドゥン』を通して真実に触れていただきたいと願い、以下、あらすじを追ってみます。

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 ダライ・ラマとは、智慧の大海という意味である。
 チベットは、戦乱の続くアジアで、1000年もの間、非暴力主義を貫いた国であり、その指導者がダライ・ラマ法王法王である。

 ダライ・ラマ法王13世が亡くなり、後継者が探されていた。
 
 ある寒村で、飢饉が何年も続いた時、二羽の烏が家を守るように飛んで少年が生まれ、それまで大病を患っていた父親が快癒した。
 カラスの守護は初代ダライ・ラマ法王の時と同じだった。
 少年は「守る人」を表すハモと名づけられた。

 ある日、ハモは、戦う虫の一匹を遠ざけ、戦いを止めさせた。
 それを目にした僧侶がハモの家を訪ねると、ハモは数珠を見て「それ僕の」と言って手にし、ダラムサラへ帰る僧侶を追って泣いた。
 後日、確認のため再度、訪れた僧侶たちの前で、少年は仏器やメガネなど、ダライ・ラマ法王が使っていた五つのものを「僕のだ」と正確に選び取り、僧侶たちは「クンドゥン(法王猊下)」とつぶやき、黙礼した。
 両親は、ダライ・ラマ法王の生まれ変わりと証明されたハモが手元を離れることを知った。

 2年後の1939年、ダラムサラから迎えが来た。
 剃髪する前に、ハモは暗誦させられる。

「私は病を持つこの世のすべての人の医者であり看護人、すべての人を癒す。
 私は味方を持たぬ弱い人を守り、私は川を渡りたいと願う人々の橋となり船となろう」

 瞑想中にハモ少年を見いだした摂政レティングは、ハモへ言う。

「何世紀も前、ゲンドゥン・ドゥプという人が生まれた家へ強盗が押し入り、殺されると思った家族は逃げた。
 翌朝、家へ戻ってみると、隠しておいた赤ん坊は二羽の大カラスに守られて無事だった。
 それが初代ダライ・ラマ法王であり、私たちはクンドゥンと呼ぶ。」
「あなたはこの世へ再び甦ってくださった。
 できる限り長くこの世にとどまり、そして又、戻ってきてください。
 生あるものがこの世にある限り、あなたは甦り続ける。
 あなたは生きとし生けるものを愛するため、この世に生まれたお方。
 生あるものを愛し、慈悲をそそぐお方。
 生あるものがこの世にある限り、あなたがいる所には常に慈悲があり、仏陀のお姿があります。」

 紅い絨毯を踏んで法王の座に就くハモを例しつつ迎える人々の中に母親もいた。
 法王となる仏具を渡した摂政レティングは人々へ宣言する。
「慈愛に満る仏陀、我らの願いを叶えたまう、第14代ダライ・ラマ法王猊下」
 家族を含め、人々は五体投地の礼を行う。

 軍と僧侶たちに守られたダライ・ラマ法王は、やがて、ダラムサラへ到着しポタラ宮へ入る。
 侍従長パラは五体投地の礼の後、教える。
「第5代ダライ・ラマ、第7代ダライ・ラマ、第13代ダライ・ラマ、そしてあなたが成人の時、この玉璽(ギョクジ…法王の印鑑)はあなたのものになります。」
 お付きの者たちが、瞑想やゲームなどを教える。
 負けて悔しがる法王へ諭す。
「今日は負けても明日は勝ちます。」

 摂政レティングへの報償やダライ・ラマ法王の家族への援助などについての話しあいの場を盗み見、一人で寝る法王は寂しくなり「母さん」と呼ぶ。
 寝ずの番で法王を守る僧侶が抱きしめ、背中をなでながら諭す。
「ここは古くて暗い宮殿ですが、夏は違います。
 庭があり、動物もいます。
 鹿や犬、小熊や小鳥も」
 そして、曼荼羅に書かれた女神ペンデン・ハモについて「あなたの守護神であり、チベットと政府を守っています」と教え、「本当にいます。この世に」と言い、安心させる。
 
 今日の守本尊虚空蔵菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=IY7mdsDVBk8




 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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