コラム

 公開日: 2013-05-18  最終更新日: 2014-06-04

寺子屋の使命と目標(その2) ─共生の世界へ─

おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。












〈当山の『みやぎ四国八十八か所巡り道場』は、皆さんのお心により、次第に姿を顕わそうとしています〉

 お釈迦様は、意のままにならない苦しみを解くためには人として正しい道を歩んで生きよと説かれました。
 それが正しい見解や正しいなりわいなどの『八正道(ハッショウドウ)』です。
 
 以来、続けられてきた仏教に基づく研鑽には、その道をまっとうするための方法の模索という一面があります。
 そして、無数の行者・聖者方がいのちをかけて励み、つかみ、無数の方法が伝えられてきました。
 その方法が、お釈迦様が遺されたやり方とすっかり合致しているかどうかは、実践者にとって根本的な問題ではありません。

 なぜなら、お釈迦様自体が、「自分は過去に悟った聖者方のような境地に達した一人である」と説かれているからです。
 お釈迦様以前に悟られた方々のとられた方法を知り尽くすことはできず、それがまったく同じ方法であったなどということもあり得ないではありませんか。

 また、人間そのものが、いつ、どこで、誰の子として、いかなる特徴を持って生まれるかは千差万別の〈限定された存在〉であり、たかだた100年もない限られた人生の間に縁となった教えに導かれて生きるしか、生きようがないないからです。
 今の日本に生まれた私たちは、現代文明の空気を吸い、日本という風土の水を飲み、日本の文化が動かす社会にあってまっとうにふるまい、お互いに思いやりを交わし合いつつ生きる中で、そこに棲む者たちに合った姿で発展してきた教えに生きることを否定するいかなる根拠も持ち得ません。

 また、何の道であれ、集中して修行した人間は、必ず、〈会得すること〉と〈工夫すること〉が切っても切り離せないことを知っているはずです。
 確かに、長嶋茂雄氏は、松井秀喜氏の師として「こうだ」と徹底して指導したことでしょう。
 すなおに師へ従って類い希な練習をした松井秀喜氏は〈会得〉し、後生に残るほどの結果を出しましたが、その過程において、必ず松井秀喜という二人とない人間の心身に合った〈工夫〉が行われているはずです。
 私自身、師から伝授された修行を行い、お釈迦様とお大師様の修行についてもいささか学び、その結果プロとして生かしていただいていますが、プロとして発揮できるなにがしかの力を得る途中で、自分ならではの工夫があったことは歴然たる事実です。
 もしも、「一切の工夫を省いて師から言われたとおりに寸分違わずやらないお前は邪道である」と師が言われたなら、あるいはお釈迦様やお大師様が霊界から「お前は邪道であるから仏教行者の資格はない」と言われたなら、「ならば、私には誠意ある生きようがありません」とお答え申しあげるしかありません。
 学問や芸術やスポーツはもちろん、宗教の世界においても、およそ、意欲ある人間から工夫をはぎ取ることはできず、失敗より成功がやや多く、存続できる条件に恵まれた〈方法〉が残され、息づいているのが私たちの文明、文化というものではないでしょうか。

 今や、ダライ・ラマ法王が説かれているように、個々の宗教的ドグマを超えた世界をイメージできなければ、地上から対立と戦いをなくせないことに気づかれつつあり、〈限定された存在〉である人間同士が、宗教も含めて〈限定条件の向こう〉を共に見つめねばならない時代が到来しています。
 私たちは、人間を含めたいのちと環境を一気に破戒し尽くせる悪魔の道具をつくってしまったからです。

 こうした認識に立ち、当山の寺子屋では、集う方々が、共に〈限定条件の向こう〉に広がる共生の世界に心の目を向ける体験を重ねたいと願っています。
 当山で学ぶ八正道なども、そこを入り口とし、その道を践むことが個々人へ救いと向上をもたらすだけでなく、共生の世界へ通じる機縁であって欲しいと切に願っています。
 
 今日の守本尊大日如来薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=LEz1cSpCaXA




 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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