コラム

 公開日: 2013-05-20  最終更新日: 2014-06-04

心に優雅さを育てましょう ─追いつめられながらも人間性を保つには─ 

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。






 心は5つの徳によって円満に練られ、人として成長します。
 まず、他人への「優しさ」、自分への「厳しさ」、社会的な「正しさ」が必要です。
 そして、「優雅さ」も欠かせません。
 特に、実際の悪縁がついた時には、この徳を第一にせねばならないとされています。

 たとえば、道理や常識の通じない傍若無人な人が隣人になったならどうすればよいか。
 優しくすれば、付け入られるだけです。
 いくら自分へ厳しくしようと、波状攻撃的に生じる不条理感は心身を蝕みます。
 もちろん、何が正しいかなどという論議は無意味です。
 こうした〈実の悪縁〉は、人間界に棲む以上、誰にとっても避けがたいものです。
 それは、たやすく怨憎会苦(オンゾウエク…怨み憎まないでいられない人と出会ってしまう苦しみ)をもたらします。
 オウム真理教が起こした地下鉄サリン事件で被害を受けた方の「憎しみが消えないことは耐え難い」と漏らされた言葉は記憶から消えません。
 では、追いつめられた時、優雅な心で対応し、自らの霊性を高めつつ苦を脱するとはいかなるイメージなのか?

 水俣病の被害者故杉本栄子氏は、日常生活とは次元の異なる言葉を遺されました。

「水俣病はのさり(天からの贈り物)、私の守護神たい。
 病気の御陰で人にも魚にもよう出会う」
 
 作家石牟礼道子氏は、水俣病に苦しむ人々の様子を最後の講演で訴えました。

「ベッドに足と手を縛り付けても、あまりの苦しさに天に向かって舞いなさる。
 縛ってあるひもやらがちぎれて下に落ちなさる」

 とても想像できません。
 それほどの苦しみを受けていながら、病気を「天からの贈り物」であり「守護神」であると受けとめる心とは……。
 人間としての尊厳を守りきれるかきれないかの瀬戸際に立たされ、生き抜くために悪魔をも〈生〉の内側へ自主的に取り込まねばならない時に生じた心。
 これこそが究極の優雅さというものではないでしょうか。

 思えば、大日如来も観音菩薩も地蔵菩薩も阿弥陀如来も釈迦如来も、多くのみ仏方は共通した雰囲気すなわち、優雅さをもっておられます。
 しかもその優雅さは、ゆとりある生活や、雅(ミヤビ)な趣味などがもたらすゆるりとした雰囲気とはまったく異なっています。
 ──揺るぎなき絶対のものから発する優雅さ。

「ありがとう、みんな生きとっとばい。
 大事にせんば」

 最期にこう言った杉本栄子氏は、生き仏として死を迎えられたのではないでしょうか。

 追いつめられた状況であろうと、ゆとりある状況であろうと、心に優雅さを育てる修行を行うには5つのポイントがあります。

1 人徳のある人をすなおに尊敬しましょう
2 よき行いをする人を素直に誉めましょう
3 よき行いにつき従い、一緒に実践しましょう
4 いかなる時も人間としての向上を諦めないようにしましょう
5 いかなる時も思いやりを忘れないようにしましょう

 一瞬先に何が起こるかわからないのが人生です。
 日常性に亀裂が入った時、隠れている人間性が顕わになります。
 いついかなる状況にあっても崩れぬ霊性を生きるには、優雅さを育てておくことが欠かせないのではないでしょうか。
 
 今日の守本尊阿弥陀如来様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=4OCvhacDR7Y




 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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