コラム

 公開日: 2013-05-23  最終更新日: 2014-06-04

み仏は一人一人の前で説法を行う

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





 弥勒菩薩(ミロクボサツ)様のお経の最後に、説法を聴いた人々の思いが書かれています。
 幅560キロメートル、奥行き800キロメートルというとてつもなく広い場所で弥勒菩薩が説法を終えた時、聴いていた人々は、座っていた人も立っていた人も、弥勒菩薩の近くで聴いていた人も遠くで聴いていた人も、それぞれ、自分の前で自分のために説法してくださったと感じたのです。
 原文は以下のとおりです。

「その中の人衆(ニンシュ)は、坐せるも立てるも、近くなるも遠くなるも、おおのおの仏、その前にあって、独(ヒト)り我がために説法したもうと見たてまつる」

 この教えにつき、み仏は分身の術のような超能力を用い、何体にでも分かれて一人一人の前で説くというとらえ方もできるでしょう。
 しかし、そうした形の想像では、現実感が薄くなるか、もしくは、盲信的な信仰になってしまう虞(オソレ)があります。

 そもそも、一人が真剣に説き、大勢の人々が真剣に聴く場合は、すべてこうした雰囲気になるものです。
 説かれる内容が普遍的真理であるならば、それは、必ず、一人一人へ直(ジカ)に伝わります。
 聴く側が真剣であるならば、周囲で耳を傾ける人々が何人いようとまったく関係なく、内容はまっすぐ自分の心へ届いてきます。
 そこに生ずるリアルな感じが「その前にあって、独(ヒト)り我がために」です。

 私は、ダライ・ラマ法王が東京で説法されたおりにこうした体験をしました。
 質疑応答に入った瞬間、手を上げ、法王から答をいただいた時だけが法王との一対一のやりとりではなく、説法会全体がまぎれもなく、一対一でした。

 また、師が複数の人々を相手に人生相談をされたおりにも、他の人の質問に対する答はすべて、私の心へも響きました。
 帰りしな、「よくわからなかった」という声を耳にし、聴く人の心のありようを勉強させられました。
 たとえば、人間関係に苦しんで相談した人が「それは5代前のご先祖様同士が争った因縁だから、10万円で因縁を解いてあげましょう」と言われれば、わかりやすい回答を得たと喜ぶかも知れません。
 たとえば、こうやって相手の性根をもう一度よく観よう、とか、切りようのない人間関係ならば自分の心をこういう方向へ変えて景色を眺めなおしてはどうか、といった回答ならば、面倒だと感じるかも知れません。
 しかし、明らかに〈生きた教え〉は後者にあり、その回答は質問者以外の人々にとっても真実を含んだ尊い説法になっています。

 また、見ず知らずの方から、「今回のブログで私はこう諭されました」というありがたいメールをいただいたりします。
 もちろん、その方のために書いたのではなく返信する余裕もありませんが、その方は心のどこかで自分のために発信されたと感じておられます。

 また、托鉢の途中で、「よくぞおいでくださいました。今日は夫の祥月命日(ショウツキメイニチ…命日と同じ月日)です。どうぞ供養してください」などと言われたことは数え切れないほどありです。
 僧侶の訪問というできごとを受け取る方の心のありようが、できごとへ鮮やかな彩りを与え、その彩りは、再びその方の心を深めます。

 み仏の教えを学び、祈る時、み仏と私たちは一対一です。
 時には影向(ヨウゴウ…たち顕れてくださること)を感じる場合もあります。
 いつ、いかなる時も、「前にあって、独(ヒト)り我がために説法したもう」のです。
 み仏と一体になる入我我入(ニュウガガニュウ…み仏が行者に溶け込み、行者がみ仏に溶け込むこと)はその先に実現します。
 心して読み、考え、唱え、祈りましょう。

 今日の守本尊虚空蔵菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=IY7mdsDVBk8




 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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