コラム

 公開日: 2013-06-16  最終更新日: 2014-06-04

【現代の偉人伝】第174話 ─最後まで半鐘を鳴らし続けた消防団員越田富士夫(当時57才)氏─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。






〈河北新報からお借りして加工しました〉



〈河北新報からお借りして加工しました〉

 東日本大震災から2年以上が過ぎた今も、生き仏の情報が新たにもたらされている。
 6月16日付の河北新報は、危機を知らせるべく最後まで半鐘を打ち鳴らし続けた消防団員越田富士夫(当時57才)氏について報じた。

 岩手県大槌町安渡地区では、地域住民の1割を越す218人が犠牲となった。
 地区担当の町消防団第二分団では、団員41人のうち11人が殉職している。

 元分団長の佐々木大一郎氏(69才)は、当時をふり返る。

「地震直後、心配で駆け付けた屯所で、半鐘を鳴らす越田さんを目撃した。
 団員らは計14カ所の水門を閉めた後、屯所からポンプ車で住民の避難誘導に向かい、越田さんは屯所に残ったという。
 津波は間もなく6・4メートルの防潮堤を越えた。
 津波を見て、慌てて自転車で高台に向かった佐々木さんの耳には、半鐘の音が今も残る。
『早く逃げろ』。
 佐々木さんは心の中で越田さんに、こう叫ぶのがやっとだった。」

 半鐘は屯所が津波にのまれるまで鳴り続けた。

「半鐘は震災の十数年前、フックの老朽化で火の見やぐらから外され、屯所2階に保管されていた。
 半鐘に代わり整備された屯所のサイレンは停電で作動しなかった。
 越田さんは、とっさに青銅製の半鐘を持ち出し、2階のてすりにぶら下げたとみられる。
 たたき方は、非常事態を知らせる『乱打』だった。」

「越田さんは震災から約40日後、遺体で見つかった。
 半鐘はいまだ見つかっていない。
 震災後、3月に行われる安渡地区の追悼式では、支援で寄せられた半鐘を『あの日』のように鳴らし、多くの住民が祈りをささげている。」

 大工だった故越田富士夫氏は、熱心に活動していた。
 歴史や時代劇の愛好家であった故人は「ふーさん」と呼ばれ、親しまれていたという。

 文明の利器が使えなくなった時、非常事態を知らせるための〈身体でやれる方法〉を知っていた故人は、それをやらないではいられなかったのだろう。
 押し寄せる津波から逃げず、「一人の人間ここにあり」と最後まで伝統に則った行動をとり続けた心を想像すると、涙を抑えきれない。
 自然に琴線が震え、自分もこうありたいと願うのは、私たちが仏性を共有しているからに他ならない。
 生き仏の情報に接し、生き仏を想う。



 今日の守本尊虚空蔵菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=IY7mdsDVBk8




 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

この記事を書いたプロ

大師山 法楽寺 [ホームページ]

遠藤龍地

宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL:022-346-2106

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

1
<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
お客様の声

○Aさん(中年女性)の場合 心身の不調を縁としてご加持を受け、自分の願いが通じると実感されました。 そして祈り方を覚え、商売や家庭にさまざまな問題を抱えなが...

 
このプロの紹介記事
遠藤龍地 えんどうりゅうち

人々が集い、拠り所となる本来の“寺”をめざして(1/3)

 七つ森を望む大和町の静かな山里に「大師山 法楽寺」はあります。2009年8月に建立されたばかりという真新しい本堂には、線香と新しい畳のいい香りが漂います。穏やかな笑顔で出迎えてくれた住職の遠藤龍地さんにはある願いがありました。それは「今の...

遠藤龍地プロに相談してみよう!

河北新報社 マイベストプロ

宗教宗派を問わず人生相談、ご祈祷、ご葬儀、ご供養、埋骨が可能

所属 : 大師山 法楽寺
住所 : 宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL : 022-346-2106

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

022-346-2106

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

遠藤龍地(えんどうりゅうち)

大師山 法楽寺

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
プロのおすすめコラム
12月の守本尊様は千手観音菩薩です ─救われる時─
イメージ

 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故...

[ 今月の守本尊様・真言・聖語 ]

Q&A(その32)自業自得なら廻向で救われない? ─因果応報と空の話─
イメージ

 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故...

[ 仏教・密教 ]

一年と一周忌供養 ─あの世でもこの世でも救われる話─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 葬儀・供養の安心 ]

消えた因縁 ─心の檻(オリ)から脱した話─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 世間は万華鏡 ]

「みやぎシルバーネット」20周年おめでとうございます ─無私の編集長につながる方々─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 世間は万華鏡 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ