コラム

 公開日: 2013-07-12  最終更新日: 2014-06-04

戒名が二つになった時はどうすればよいのか? ─ご遺族は故人に成り代わって成仏の手伝いを行う─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。






 Aさんから白張り提灯のご注文と共に、ご相談がありました。
「事情によって戒名が二つあります。
 どちらを選んだらよいかわかりません」

 戒名が二つある場合や、いただいた戒名を用いるか用いないかなどのご相談は少なくありません。
 たとえば、故人が「自分の死後は俗名のままで」という意志を表していても、ご遺族が「それではかわいそうだ」と戒名を求める場合があります。
 また、反対に、故人が戒名で送られることを望んでいても、ご遺族がそうしない場合もあります。
 あるいは、突然の死後バタバタとことが運び、落ちついてみると始めて会った導師への不信が募り、改めて戒名を求めに来られる方々もおられます。
 あるいは、故人が生前、信じる寺院から戒名を受けていたのに、ご遺族が「これまでの付き合い上、頼まざるを得ない」からと、生前戒名があることを隠して新たな戒名がついてしまい、最後は途方に暮れてご相談に来られる方々もおられます。

 ご相談の内容に応じてケースバイケースのアドバイスになりますが、いかなる選択が最も故人の御霊を安んじられるか、を基本にすることが肝要です。
 故人が〈自分で〉は何もできない以上、ご遺族は故人に〈成り代わって〉故人が安心への道を歩むお手伝いをするのだという気持を薄れさせ、自分の都合や思想を全面に出せば、後悔や後ろめたさの種を蒔いてしまいかねません。
 人はいかに意志をしっかりさせて毅然と生きていても、自分の亡きがらを一ミリたりとも動かせません。
 中には、それをよいことにして放置し、まだ生きていると装って公的なお金を騙し取る不逞な輩もありますが、故人にはいかんとも仕方がありません。
 故人の思いをくみ取る心があれば、故人に寄り添い生前と同じように成仏への支えとなる意識が生まれるはずです。

 斎場でご遺骨を骨壺へ収めてくださる係員の方は、百人中百人、誰一人として粗雑な扱いをしません。
 それは、ご遺族への礼儀であり、思いやりであることは当然ながら、大前提として、今は白骨となった故人へ寄り添い、清浄な世界への旅立ちに敬意を持って立ち会うまごころがあるはずです。
 私たちにとって最も留意すべきは、あくまでも〈故人の心〉なのです。
 もしも諸事情によってそれに合わせた行動がとれなくても、そこに立って熟慮するという過程があれば、故人はあの世から感謝してくださることでしょう。

 人間にとって最も大切なのは思いであり、動機です。
 世知辛いこの世では、「結果」ばかりが求められがちですが、仏神の世界では「清浄な心」以外に求めるべきものはなく、それは、我(ガ)を離れていなければなりません。
 み仏の子である私たちも又、少なくとも〈ここ一番〉という時は、我(ガ)を離れたいものです。
 故人の心へ寄り添おうとする心の清浄さがありさえすれば、ままならぬこの世における結果をとがめる仏神も御霊もありはしないのです。
 
 Aさんは、わざわざ遠方からご来山されました。
 白張り提灯一つが、人間として大切なことを考えるきっかけになりました。
 Aさんのご誠心はきっと仏界へ届き、御霊は必ずや極楽浄土への道を歩まれることでしょう。合掌
 
 今日の守本尊文殊菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=WCO8x2q3oeM




 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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