コラム

 公開日: 2013-07-17  最終更新日: 2014-06-04

『茨城ゴールデンゴールズ』を解散した萩本欽一氏のこと

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





 7月16日、古い『現代の偉人伝』を整理していて鳥肌が立ちました。
 7年前の同日、萩本欽一氏がつくった社会人野球の球団『茨城ゴールデンゴールズ』に所属する芸人が婦女暴行事件を起こし、きっぱりと球団を解散した氏について書いていたのです。
 芸人山本圭一選手が、遠征先の函館市で未成年の女性4人と飲酒の上、一人に性的暴行を加えたとされ、雇用主の吉本興業がただちに解雇したのは当然として、球団の解散とはあまりに潔すぎると思われました。
 球団は、大好きな野球を通じてファンとの交流を深めるべく、氏が心血を注いで育てた宝ものだからです。
 しかし、空港で取材を受けた氏は、足を震わせながら、解散宣言をしたのです。
 当時の文章を一部、再掲しておきます。

『ニッカンスポーツ』を引用し、言葉を書きとめておきたい。

「事が大きいのでどう考えていいのか。でもやめる以外考えられない。応援してくれた方には申し訳ないけど、やっぱり相手の方にも失礼だし、それに一番野球に対して失礼しちゃったんだから」
「吉本さんの判断を聞いて、オレがいけないんだって思ったの。今後やると言いっても、やめると言っても迷惑が掛かる。私が始めた野球…。ごめんなさい」

 選手の管理不行き届きについて尋ねられた。

「そうですね。楽しい野球なのに、つらい目に遭わせちゃったよ」

 山本へ言いたい一言。

「球団、なくなっちゃったよ」

 監督はこうも言っている。

「99%バカって言いたいけど、あー、分かんねえ。どうしてあげることもできないから。一緒に謝るしかない」

 夢列車と言ってはばからない生涯をかけた夢を捨てさせられながら、「どうしてあげることもできないから。一緒に謝るしかない」というせりふは、万人に一人も口にできないのではなかろうか。

「僕には責任がある。山本が反省して、どっかで仕事をやるまで責任がある」

 監督は事件に関する間接的な被害者と見ることすらできる状況で、自らの責任をとったばかりでなく、夢を壊した張本人に対して指導者としての責任をこれからもまっとうして行くと言う。

「今は『ごめん』と『ありがとう』だけです」

 一切言い訳をせずに責任をとり、謝罪し、これまで支えてくださった人々へお礼を言って去る、こんな日本人がまだ、いたのである。
 事件を起こした者にはこれからの反省を促しても、自分は「反省しています」で逃げようとせず、きっぱりと責任をとった。
 夢をかける以上、自ら汗を流し、たくさんの人々に支えられている人間であることを深く自覚している『自己尊敬』、指導を受けている人間の起こした不祥事の責めを自ら受ける『自己責任』、そして、ただちに潔く生涯の夢すら捨て去る『自己犠牲』、いずれも武士道の精神そのものである。
 球団をやめないで欲しいと訴える子どもたちへ、大人たちは彼の精神の尊さを教えたいものである。
 彼は、自らを捨てて最高の教材となってくれた。
『茨城ゴールデンゴールズ』に目を輝かせていた子どもたちに、彼の心をこそ嗣いでもらいたい。
 最近、高い学歴、高い地位、高い収入、こうした人々がいざという時に見せ続けている卑劣・卑怯・脆弱・怯懦といった醜いものを、彼の涙は清め尽すかのようである。
 萩本欽一氏が「最後の武士」とならぬよう、心から願ってやまない。

 今日の守本尊大日如来薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=LEz1cSpCaXA



 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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