コラム

 公開日: 2013-07-22  最終更新日: 2014-06-04

お塔婆は心の便り

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





 萬福寺(栃木市)住職長澤弘隆師は、『真言宗檀信徒のよろこび』に記されました。

「お塔婆は心の便り、心を込めて、今は無き人のもとへ、届けましょう。」

 お塔婆へ思いを込めて捧げることは、大切な人へお便りを届けるのと同じであるというのです。

 最近、遠方におられるお孫さんから亡きおじいちゃんに宛てたお塔婆のご依頼があり、添え書きがついていました。
 ご了解を得られたので掲載します。

「おじいちゃん、あまりお墓参りに行けなくてごめんね。
 今年のお盆も仕事で帰れません。
 お父さんとお母さんはいつもと変わらずお盆の飾りを作ってやってくれますが、私も塔婆を贈ります。
 涼しくなるころにおみやげを持ってお参りにいきますよ。
 待っていてくださいね。」

 お塔婆の前面に梵字で書かれた「地・水・火・風・空」には、目に見える世界の徳をすべて捧げようとする心が表れています。
 裏面に梵字で書かれた「識」には、目に見えない世界の徳をすべて捧げようとする心が表れています。




 また、お塔婆の形は、み仏の形を表してもいます。
 一番下に四角があり、一番上に宝珠形がある様子は人が瞑想をしている姿を象徴しており、それはそのまま、み仏のお姿だからです。
 四角は足を組んでいるところ、丸は院を結んだお腹のあたり、三角は胸や首、逆さの半円は頭の下半分、宝珠は頭の上半分です。
 お塔婆は、この下に長い台をつけた形です。
 澤弘隆師はこうも説かれました。

「お塔婆をあげるということは、仏像を一体刻んで供養するという意味ですから、たいへん大事なことです。
 地方では施主のみ塔婆をあげる習慣がありますが、故人にお世話になった方は特に心がけて風習などにとらわれず、ご法事の時はお塔婆をあげるべきです。
 何年に一度の報恩感謝の機会を見逃すのは後で後悔するか、結局自分に感謝の念が薄いからなのですから。」

 気持があればそれでよい、という考え方もありますが、せっかく目も耳も持っている私たちは、形あるものや声なども積極的に用いるべきではないでしょうか。
 そうでなければ宝の持ち腐れになってしまいます。

 ところで、お塔婆の流通に異変が起きています。
 木材輸入業者さんからお聴きしたところによれば、お塔婆用として用いられる資材の一部が、極端な品不足になりつつあるのだそうです。
 その原因は、中国で急速に増えている富裕層が豊かであることの象徴としてこぞってピアノを購入するため、カナダやアラスカなどで中国人による木材の買い占めが横行しているからです。
 全体的にはたいした量でもないお塔婆用の木材でさえ入手に四苦八苦とは驚いた状況です。

 今や貴重なお塔婆です。
 こうした象徴を用いて心を表現するのは、人間でなければ決してできない人間が人間たるゆえんに関わる尊い行為です。
 お盆にはお塔婆に心を込め、み仏の世界へ入られた大切な方々へお便りを出したいものです。

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 今日の守本尊虚空蔵菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=IY7mdsDVBk8



 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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