コラム

 公開日: 2013-07-26  最終更新日: 2014-06-04

傷ついた日本人へ(その19) ─子供の叱り方、育った子供に顕れる陰陽と吉凶─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





 被災地を訪れたダライ・ラマ法王が高野山で行った講演の概要が『傷ついた日本人へ』という本になりました。
 皆さんと一緒に、要点を考えてみましょう。

 今回は、子供の叱り方です。 

「誰かを叱らなくてはいけないときには『心の動機』をまず見つめ、自分の感情をきちんと整理しなくてはいけません。」

 ここで必要なのはただ一つ、「心の動機」です。
 育てる心が必要な一方、害意があれば「教育をする資格はありません」。

・必要なもの…慈悲心・愛・思いやり
・あってはならないもの…懲らしめる気持・苦しめたい気持

「特に親は子どもを愛するあまり、感情が先に走ってしまいがちで、すぐに吾を忘れてしまいます。
 だからこそ、理性を使うことを心がけ、常に冷静な目を持つよう注意しなくてはいけません。」
「感情のままに怒りをぶつけたのでは本末転倒です。」

 そして、叱りっぱなしではなく、必ず、叱った結果をチェックしましょう。

「子どもがどのような反応を示したか、それが効果的であったか、きちんと観察してください。」

 強く叱ったのが〈この子〉のためによかったかどうか?
 もっと強く叱るのが〈この子〉のためだったのか?
 この場合、〈この子〉には、あまり厳し過ぎたのではないか?

 こうして、我が子である〈この子〉は、まったく独自の存在として、育て方を学ぶ生きた教材になります。
 子どもは一人一人皆、違っているので、親は必ず具体的に、学ぶことになります。
 教科書にある一般論だけでは通用しません。

 親から感情をぶつけられるだけの子どもは不幸です。
 悲しさや、悔しさや、辛さや、反発心に発する感情的反応しか育たず、安心感や感謝による温かな情緒や、自分を省みる知性や、相手を思いやる愛情などが育ちません。
 だから、自分の感情を抑え、冷静な判断で子どもにとって必要な教育をせねばなりません。

 さて、この先は、ダライ・ラマ法王の説法から外れます。
 子育てで最も難しいのは、親が「こうすればこう育つ」と考えたとおりに育ってくれるかどうかは、結果任せとしか言えないという点です。
 それには、いくつもの理由がありますが、この二つだけは覚悟しておく必要があります。

○子供の生まれ持った因縁がよく観えない
 おとなしい、怒りっぽい、勉強嫌い、などと表面に出てくる部分はわかりますが、挫折因縁や色情因縁などには、なかなか気づきません。
 だから、元気を出させ、忍耐力を身につけさせ、成績がよくなって喜んでなお、不幸な場面を招いてしまう場合があります。
 育ちの因縁がどんどん膨らむことにより、生まれの因縁は相対的に小さなはたらきしかできなくなりますが、それでもなお、消えてなくなりはしません。
 もちろん、大器晩成の因縁などもあって、生まれ持った因縁は陰陽さまざまに人生を彩ります。

○子供の心に育っているものがよく観えない
 子供は子供らしく毎日を送りますが、しっかりと隠し事をしている場合もあります。
 親には〈欲目〉があるので、そこが見抜けず、甘い草が育っているとばかり思い、毒の草も隠れて育っているのに気づかなかったりします。
 しかし、子供は子供なりにそれを知っており、知らない大人に関係のない行動をとって、親や大人たちを面食らわせてしまう場合があります。
 子供が成長して大人になる過程において毒の草を自分で踏みつけたり刈ったりすれば、大過ない人生を送れることでしょうが、自分で処置できなくなれば、大人の世界のルールで矯正するしかありません。
 もちろん、怒ってばかりいる親へ決して見せずに温かな心をそだてているなどのケースもあり、育ったものは吉凶さまざまに人生を彩ります。

 こうした二つの部分は、親の手が届きにくいのです。
 もちろん、こうしたことを考えながら育てれば、因縁も育っている草も、考えないでいるよりはよく観えるはずですが、見透しきれないという覚悟は持っておきたいものです。
 だから、思いもよらず、子供に〈陽〉や〈吉〉が出たなら、子供がたとえ何歳になっていても、親として大いに誉めてやりましょう。
 思いもよらず、子供に〈陰〉や〈凶〉がでたなら、子供がたとえ何歳になっていても、親として、「それも人生」、「それが人間」と、大きな気持で包んであげましょう。

 要は、人間のできることには限りがあり、やるだけやったなら、あとは仏神へお任せするしかなく、〈人事を尽くして天命を待つ〉のみなのです。
 この心構えのあるなしは、子供と親の幸不幸へ大きくかかわることでしょう。
 子育ては最も生きがいとなり、最も難しい人生の大仕事です。

 今日の守本尊普賢菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=rWEjdVZChl0



 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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