コラム

 公開日: 2013-07-28  最終更新日: 2014-06-04

祈りは生命の宣言,魂の叫び

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





 7月25日の産経新聞は「祈りとは『生命の宣言』である」とする筑波大学教授村上和雄氏(七十七歳)の意見を掲載しました。
「『祈り』は宗教が生まれる前から人類が続けている営みである」とし、米国国立補完代替医療センターの報告を紹介しています。

「アメリカの西海岸の病院で、重い心臓病患者393人を対象に、快癒の祈りを行って、祈らなかったグループと比較したところ、祈られた患者は祈られなかった患者たちよりも、人工呼吸器、抗生物質、透析の使用率が少なかった。
 この病院に近い所からの祈りも、遠い東海岸からの祈りも同様に効果があったという。」

 とても興味深いのは、患者さんたちが治りたい一心で自分のために自分が祈ったのではなく、祈られた対象だったということです。
 これは、入院している家族のために祈る家族や、ご祈祷を依頼にご来山される善男善女の思いが〈届く〉ことを意味しています。

「まごころを込めて深く祈ることが、祈る人、祈られる人の遺伝子のスイッチを入れ、その思いが天に通じたときに祈りはかなえられる、と私は思っている。」

 なぜ、祈りの媒介者として遺伝子が登場するのかはよくわかりませんが、こういう道筋は宗教者の信念と相通ずるものであり、教授の指摘どおり、人間にはまず、祈りがあり、祈る方法として宗教が構築されてきたと言えそうです。

「日本語の『いのり』という言葉の語源は、『生宣り(いのり)』だと解釈されている。『い』は生命力(霊威ある力)、『のり』は祝詞(のりと)や詔(みことのり)と同じで、宣言を意味している。だから、『いのり』は生命の宣言なのである。」

 当山では、毎月行う例祭の冒頭に、表白(ヒョウビャク)という祈りの言葉を述べます。あらゆる仏神に対して、こう、宣言します。

「謹み敬って申しあげます。
 今、ここに、まごころを捧げる方々と共に、善願の成就をお祈り申しあげます。
 どうか、お力をお与えください。
 そして、生きとし生けるものすべてへ、大きなご加護をたまわりますよう」

 祈りは通じます。
 娑婆にいた当時の私は、自分自身の祈りが、それを通じさせる力を持つ行者の協力を得て異次元の世界へ届き、思いも寄らぬ形で成就する体験をくり返してきました。
 もちろん、決して凡夫の「意のままになる」のではありません。
 成るべきことは成る方向へと動き、威神力を得て成るべくして成ったと、後になってから、気づくのです。
 そして、いつの間にか、皆さんの祈りを自分の祈りとして祈る行者になっていました。
 一行者である私にとって、祈りは、〈通じる〉ことを信じる者の〈魂の叫び〉です。
 それは、お地蔵様のように深く静かな場合もあれば、お不動様のように激流や火炎となる場合もありますが、いずれにしても全身全霊が込められています。
 この叫びは、音楽や絵画や文学など芸術に込められた祈りにも、正義を実現しようとする弁護士や、患者さんへいのちの持分をまっとうさせようとする医師や、安全を願ってパトロールする町内会の方々の祈る思いにも通じていると感じています。

 祈りましょう。
 大いなるもののために。
 御霊方のために。
 誰かのために。
 自分のために。
 生きとし生けるもののために。
 そして、来るべき未来のために。

 今日の守本尊大日如来薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=LEz1cSpCaXA



 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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