コラム

 公開日: 2013-08-05  最終更新日: 2014-06-04

あの世への行き方、この世での過ごし方

おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますう心よりお祈り申し上げます。





 最近、自然墓(シゼンボ)の確認や、ご葬儀などの進め方についてご相談に訪れる方が増えています。
 ご自身が重い病気を抱え、ご本尊様の前に来られただけで深い安心を覚えたり、もう、ご自身はでかける力もなく、ご家族が事後についての不安を払拭される場合もあります。
 また、どうしても、ご本人が自分で話を聴きたい、あるいは相談しておきたいということで、ご自宅や病院への出張法話を行う場合もあります。
 もちろん、この場合は、法衣ではなく、普段着の作務衣をまとってでかけます。

 中には、「早く、法楽寺へ行ってきて欲しい」と病人から急かされたご家族が急ぎ、ご来山し、心構えや成り行きについて皆さん安心して間もなく旅立たれたというケースもあります。
 また、皆さんからのご希望も含めてご本尊様へ祈り、戒名を決めるという当山のやり方を知って、戒名へ入れて欲しい文字を自分で書き遺す方もおられます。
 いかにして死後の不安へ対処するかは、逝く方にとっても、送る方々にとっても重要な問題です。
 み仏の教えと、み仏の世界へ入る修法は、人間にとって必要であればこそ、深められ伝授され、今日に至っています。
 いかに「葬式坊主」と揶揄されようが、皆さんの必要に応じたはたらきができるよう、僧侶はプロとしての錬磨を続けねばなりません。

 こんなこともありました。
 とても頭脳明晰なAさんは、身体に重い障害をもっておられます。
 あらゆる分野の勉強をし、医学や電子工学などの豊富な知識を蓄えても、自分で動くことがままならないために、存分のはたらきができません。
 だから、ときおり、「すべては徒労だ」と悲観的な考えに陥って、ふさぎ込んだり、粗暴になったりします。
 そこで、出張法話のご依頼を受け、Aさんとじっくり話し合いました。
 Aさんはついに仏教の精髄をつかみ、人生観が転換しました。

 一つは「空(クウ)」です。
 ありとあらゆるものが因と縁によって成り立っている〈かりそめの存在〉として平等であることは、「なぜ、自分だけが」という気持をうち払いました。
 今から801年前、鴨長明は記しました。
「行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。
 よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。
 世の中にある人と栖(スミカ)と、またかくの如し。」
 私たちのいのちもモノも、流れの淀みで浮かんだり消えたりするあぶくのように、生じたり滅したりする時期や大きさに多少の違いはあっても、かりそめに存在しているに過ぎません。
 勝手に執着し、他と比較し競争してみても、流れ全体を観る視点からすれば、そうした力みやぶつかり合いに何ほどのことがありましょうか。

 もう一つは「因果応報(インガオウホウ)」です。
 原因のないものはなく、すべてはいつか必ず結果をもたらすことは、「こんな勉強をして何になるのか」という疑問を解かしました。
 お釈迦様は、はっきりと、「因果応報は三世に亘る」と説かれました。
 過去世(カコセ)に原因があればこそ、私たちは特定の何者かとして今世(コンゼ)に生まれ、無限の過去世から背負い今世でさらに積み上げた業(ゴウ)のすべてが来世(ライセ)へと引き継がれ、来世でのありように深く関わります。
 お釈迦様の教えを奉じる仏教である限り、因果応報と輪廻転生(リンネテンショウ)から外れることはあり得ません。
 このことを直感的に知っていればこそ、まっとうな人々は「あとは知ったこっちゃない」というこの世での〈やり放題〉には陥らないのです。
 私たちは、「なぜあんなとんでもない人間が威勢を張っていられるのか?」と訝しくなる現実を目の当たりにし、額に汗することがばからしくなる場合もありますが、こう考えればどうでしょうか?
「あの人は、やがて報いが来ることを知らない気の毒な人だ」
 報いがいつ、いかなる形で訪れるか、凡夫にはわかりませんが、因果応報の峻厳さは閻魔(エンマ)大王のイメージどおりであるに違いないのです。
 Aさんは今、目の前では報われない努力が無になりはしないと悟り、叡智と意欲に導かれて研鑽を続けておられます。

 仏法は、私たちが求めるこの世の幸せとあの世の安心を得るための尊い教えであり、力のある法です。
 自他のために、共に学び、実践しようではありませんか。

 今日の守本尊不動明王様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=EOk4OlhTq_M




 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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