コラム

 公開日: 2013-08-07  最終更新日: 2014-06-04

心配な兆しに思う ─地震・アメリカ軍のヘリコプター事故・MDSの増加・依存症の蔓延─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。






 眠れぬ一夜となりました。
 今、ようやく午前4時をまわり、静寂の底からヒグラシの声が湧いてきたところです。

 8月4日の例祭は、いつになく緊迫した始まりとなりました。
 なかなか護摩木へ点火せず、何と、5回目にやっと燃え上がったのです。
 当然のことながら、普段は一回、小さな紙片を用いるだけで済むのに、予備の紙片すべてを使い切るという異様な事態でした。
 修法後の法話で申しあげました。
「今月は、数百カ月に一度という、〈落ちつくべきところへ落ちつく力〉の強い時期です。
 しかし、同時に、そこへ到達するために必要な破壊作用も強烈なものがありそうです。
 私たちは、自分をふり返り、私たちの社会をふり返り、とんでもない崩壊に見舞われぬうちに、ずれている部分は大いに修正を施さねばなりません。
 また、天変地異や事故、あるいは突発的な事件にも要注意です。
 すべては空(クウ)であることと、私たちは皆、み仏の子であることを忘れず、仏神に恥ずかしくない日々を送りましょう。」
 後片付けをしていて中天香(チュウテンコウ…長いお線香)が立ち消えになっていることに気づき、丹野君に尋ねたら、今日は二度、立ち消えたらしく、心配そうな顔をしています。

 一時間後、宮城県は震度5強の地震に見舞われ、強い〈兆し〉を感じました。

 8月5日、科学者Aさんのご依頼で行った法要が終わり、思いがけない話題になりました。
「この間、今日の法要に備えて妻と墓前にでかけたところ、とても大きなオニヤンマが私たちとお墓の間をグルグルと飛びました。
 二人共、言葉を失い茫然としました。
 母ではないか、と直感したからです。
 飛び去ってはまた、飛来し、それを5、6度もくり返したでしょうか?
 妻も私も、母が来てくれたのだろうと思えてなりません。
 こんなお話は、まったく科学的ではないのですが……」

 数年前、似たできごとをお聴きして『トンボになったお母さん』を書いたことを思いだし、〈知らせ〉を感じる力について考えさせられました。

 8月5日、午後4時近く、沖縄県宜野座村にあるアメリカ軍のキャンプハンセンで訓練中のヘリコプターが墜落し、乗員一人が亡くなりました。
 現場は住宅から約2キロの山中です。
 昭和47年(1972年)に沖縄が本土復帰してからこれまで、沖縄で起こった米軍機の墜落事故は44件に上っています。

 普天間基地へオスプレイを本格配備する間際に起こったこのできごとは、政府と米軍にとって〈間が悪い〉で片付けられるものだろうか?

 かつて広島へ原爆が投下された8月6日、午後7時30分からのテレビ番組NHKスペシャルは「終わりなき闘い」として広島と長崎で被曝した方々を追いました。
 68年前に始まった患者と医師による闘いは、今なお変わらずに続いています。
 アメリカは、原爆投下の一ヶ月後、「もはや放射線で死ぬ日本人はいない」と発表しましたが、実際は、一年間で20万人以上が亡くなりました。
 アメリカも放置できなくなり、やがて立派な研究施設を造り、被曝者の検査などを始めますが、あくまでも研究機関でしかなく、治療はまったく行われませんでした。
 見捨てておけない日本人医師たちは、未経験で治療法もわからない闘いへ挑み始めます。
 当初、亡くなられた方々は急性障害、10年後には白血病がピークとなり、次はガン、そして今は第二の白血病と言われる骨髄異形成症候群(MDS)が増え始めました。
 被曝者の方々は「原爆を抱えている」「時限爆弾を抱えている」と感じつつ、日々を送っておられます。

 原爆は被曝者へ何をもたらすか、半世紀以上経ってまだ、解明されたのは一部に過ぎません。
 原発事故と津波や地震との因果関係はもちろん、事故が人間と生態系へいかなる影響を与えつつあるのかは、まだ、何もわかってはいません。
 人類が、科学的能力の面から、倫理的能力の面から、原子力を用いる資格があるかどうかと厳しく問われているのに、国民の前でそうした真剣な議論は行われず、宰相が率先して地震大国トルコなどへ原発を〈お勧め〉している日本のモラルはどこへ行ったのでしょうか?

 精神科医和田秀樹氏は「『依存症』社会」を上梓しました。
 アルコール依存症やパチンコ依存症の方々などと接し、人生相談と修法をもって問題にとり組んでいる当山が常々、感じていることを見事におまとめいただいたと感謝しています。
 氏は、日本の社会が各種の依存症を発症させる構造になりつつあり、アルコール依存症約230万人、ギャンブル依存症約560万人、インターネット依存症約270万人、その他タバコや買い物など、すべての依存症を合わせると2000万人近い数になると指摘しました。
 日本では、依存症の恐ろしさがよく理解されないままに、先進国では類を見ないほど堂々とアルコールやパチンコがマスコミによって宣伝されています。

「問題は、依存症を誘発させやすいビジネスがすでに社会に組み込まれ、私たちの生活の中に入り込んできていることです。」
「日本は『依存症に依存する』社会になってしまいました。
『依存症に依存する』社会とは、人々を依存状にすることによってお金が回っていく恐ろしい社会です。」

 氏は、依存症の本質が「時間の浪費」にあると喝破されました。
 それは、一人一人の人生が浪費されていくことであり、人間として向上する機会が失われることであり、ひいては社会そのものが荒廃することにつながります。
 だから、社会格差による依存症先進国であるアメリカでは、GDB費で日本の5倍を費やして生活保護を行い、社会の崩壊や爆発を防ごうとしています。
 韓国ではすでに、パチンコを全面禁止しています。

 ご加持を受け、「やり直します」とご本尊様へ誓い生気を取りもどして帰られた方が、またはまってしまう依存症の恐ろしさ……。
 ご祈祷やご葬儀でどこの町へでかけても一等地にデンと構えているパチンコ店の不気味さ……。
 国中がお金儲けに走っているだけで、日本は大丈夫か?

 眠れぬ一夜でした。
 今日は、ご供養などの他に、『法楽農園』で井戸を掘る打ち合わせがあります。
 たとえ蟷螂(トウロウ…カマキリ)のか弱い斧(オノ)であれ、できることをやるしかありません。
 当山は以前、「できることをやりましょう ―『ハチドリのひとしずく』に学ぶ―」を書きました。

 アンデスの先住民に伝承されている『ハチドリのひとしずく』があります。

 ある日、森が火事になりました。
 動物たちは皆、我先にと逃げ出しました。
 ところが、クリキンディというハチドリだけは、くちばしに溜められるだけの水を運んでは火の上へ落とす作業をしています。
 逃げるのに忙しい動物たちは笑いました。
「そんなことをして何になるんだい?」
 火事の勢いの前ではあまりに無力なこととしか思えないからです。
 でも彼は答えました。
「私は、私にできることをしているだけだよ」

 皆さん、今こそ、ハチドリになろうではありませんか。

 今日の守本尊普賢菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=rWEjdVZChl0



 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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