コラム

 公開日: 2013-08-21  最終更新日: 2014-06-04

Q&A(その9)なぜ、四十九日まで仏壇を閉じるのですか?

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。






〈上の段が須弥壇(シュミダン)です〉

 時折、こうしたご質問があります。
「四十九日まで仏壇を閉めるのはどうもよくわかりません。
 母親が亡くなったからといって、毎日手を合わせていた父親の位牌を隠すのは腑に落ちません」

 お答えしました。
「よくあるご質問です。
 慣習や俗信となっているものを、いざ、自分の頭で考えてみると、あなたのように違和感を覚える場合が多々、あるものです。
 この問題の場合は、ご葬儀の騒動をご先祖様へ及ぼさないといった理由があるとされていますが、ことの本質を考えれば、私も訝(イブカ)しく思っています。

 そもそも、仏壇は、ご本尊様をお祀りする仏堂です。
 だから、伝統的な作りの仏壇には、必ず、ご本尊様をお祀りする須弥壇(シュミダン)があります。
 当山に須弥壇(シュミダン)があるのとまったく同じです。
 そして、ご本尊様にお守りいただくご先祖様などのお位牌もあります。
 もちろん、お位牌がまだ、置かれていない場合もあります。
 さて、仏堂におられるご本尊様はいかなる方でしょうか?
 大日如来であれ、釈迦如来であれ、不動明王であれ、観音菩薩であれ、阿弥陀如来であれ、いずれもが365日、一刻の休みもなく、仏壇内のお位牌を拠りどころとする御霊はもちろん、手を合わせるこの世の人々も、すべて分け隔てなくお守りくださっています。
 手を合わせる私たちは、いつ死んでもおかしくない空(クウ)なる存在として、供養のお線香を点しては精進を誓い、お水をお供えしては布施を誓い、お花を飾っては忍耐を誓いつつ、日々、人生修行をしています。
 ご本尊様のおはたらきにも、私たちの修行にも、休みはありません。

 こうした本質的なありようからすれば、ご葬儀のあれこれが終わって御霊が中陰(チュウイン)という時期を脱するまで仏壇を閉じることは、意味がありません。
 それどころか、家族が亡くなったという重大な時期に、ご本尊様へ救済を願わないなど、ご本尊様を信じていないと言わんばかりではありませんか。
 日々、ご本尊様へ祈っている身としては、自分の死によってご本尊様が覆い隠されるのは、想像したくもない場面です。

 あなたの場合は、どうぞ、いつもどおり、先に逝かれたお父様へのご加護と、万霊へのご加護と、手を合わせるご家族皆様へのご加護と、生きとし生けるものへのご加護を祈ってください。
 さらに、お母様をも安楽な世界へお導きくださるように祈ってください。
 そして、お父様のお位牌へ向かっては、『おふくろもそっちへ逝くから、しっかり導いて、また、一緒になってください』と祈ってください。
 これが、み仏を信じ、み仏と御霊へ祈る者のあるべき姿であると考えます。

 この先は、あなたご自身がよく考え、自分で判断してください。
 もしも、慣習や俗信を選んだ方が安心であるなら、そうされても結構、私の提案に納得されれば、そうされても結構。
 当山は常にものごとを本質から考えて判断し、ご質問にお答えしていますが、決して強要はせず、他の判断法を頭から否定するつもりもありません。
 何よりも大切なのは本心からの納得であり、宗教が真に生きるかどうかは、〈その先〉にかかっているからです」

 今日の守本尊大日如来薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=LEz1cSpCaXA



 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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