コラム

 公開日: 2013-08-30  最終更新日: 2014-06-04

寺子屋の教え『実語教・童子教』を考える(その53)─自分を律し、復習し、言いわけをしない勉学─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。






〈津波に遭った石巻市門脇小学校の二宮尊徳像〉

 またまた、間が空いてしまいました。
 再開はいつですか?とご質問があり、再び、『童子教』の続きを読みます。

「朝早く起きて手を洗い
 意(ココロ)を摂(セッ)して経巻(キョウカン)を誦(ジュ)せよ  
 夕(ユウベ)には遅く寝(イネ)て足を洒(アラ)い
 性(セイ)を静めて義理を案ぜよ  
 習い読めども意(ココロ)に入れざるは
 酔うて寐(イネ)て謟(ムツゴト)を語るが如(ゴト)し
 千巻(センガン)を読めども復(フク)さざれば
 財無くして町に臨むが如(ゴト)し  
 薄衣(ハクエ)の冬の夜も
 寒(カン)を忍んで通夜(ヨモスガラ)誦(ジュ)せよ  
 食乏(トボ)しきの夏の日も
 飢を除いて終日(ヒネモス)習え」

(早起きして手を洗い
 目的意識をしっかりと持って経典を読誦しなさい。
 夜遅くまで眠気を我慢して足を洗い
 気持を平静にし、ものごとを道理によってよく考えてみなさい。
 せっかく習ったり読んだりしても、心へきちんと収めなければ
 酔って寝たまま寝言を言うようなものであり、身にはつかない。
 たとえ千巻の書籍を読もうと、復習して血肉にしなければ
 文無しで社会に出るように、徒手空拳のままである。
 寒さをしっかりしのげるような環境や衣服に恵まれていなかろうと
 寒さに耐え、夜通し読誦しなさい。
 あまり食べものを摂れない夏の日も
 飢えを気にせぬほどの集中力で学びなさい)

 最初の4行は、規則正しい生活によって、学び、血肉にする習慣をつける大切さが説かれています。
 投げやりでは勉学の成果が上がらないし、勉学を通じてきちんと計画的にものごとを行う習慣が身につけば、社会人となった時に、仕事もきちんとできるようになるのです。
 子供の頃に、好きなことをしていればよいと育てられれば不幸です。
 気まま心と放逸の習慣は、結局、自滅への道を歩ませるからです。

 次の4行は、復習の大切さを説いています。
 ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスは、自分自身で実験し、忘却の速度にそれほど個人差はなく最初は早く忘れ、やがてゆっくり忘れ去るという説を主張しました。
 これは体験上、私たちにも納得できます。
 だから、どんどん忘れてしまわないうちに復習を行い、強く記憶に留めておく必要があります。
 また、しっかり記憶し、記憶の邪魔をするよけいな刺激を避け、くり返し想起するといった脳のトレーニングにより、脳細胞間にあるシナプスで脳内ホルモン(神経伝達物質)が活発につくられるようになります。
 こうして記憶力が増大します。
 右の耳から聞いて左の耳から出してしまうような勉強の仕方では、脳の能力はあまり発揮できないのです。

 次の4行は、勉学を行うか行わないかは第一に心構えの問題であって、環境のせいにしてはならないことを説いています。
 都市部ではほとんど見られなくなりましたが、歴史がある地方の小学校では、いまだに、二宮尊徳が薪を背負い読書しながら歩く像が建っています。
 どんな環境でも、やる気さえ持っていれば、やれる範囲での勉学は可能です。
 たとえば私の読書時間はトイレ、風呂場、寝床で確保され、浅学非才ながら日々の法務が続けられています。
 強い目的意識と、深く深く求める心と、集中力があれば時間の乏しさは補えます。

 この教えによって勉学への正しいイメージを持ち、奮い立って欲しいものです。
 若く、生命力に溢れる子供たちがよき習慣を身につけ、自分を律しつつ深く考え、憂き世の風に負けない勁さをもって生きて欲しいと願っています。

 今日の守本尊普賢菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=rWEjdVZChl0



 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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