コラム

 公開日: 2013-09-14  最終更新日: 2014-06-04

蜜蜂に教えられる真実 ─蜜蜂の大量死・予防原則・原発─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。




 9月12日のNHK「クローズアップ現代}は「謎のミツバチ大量死 EU農薬規制の波紋」を放映した。
 日本を始め、世界各国で蜜蜂の大量死や大量疾走が続出し、5月24日、EUがついにネオニコチノイド系農薬の規制を決めたのである。
 最近の研究によると、農薬と蜜蜂の被害との相関関係は認められるが、完全に立証されたという段階ではない。
 しかし、世界各地で現に蜜蜂が激減しており、養蜂家などは体験上、農薬散布以外にはっきりした原因はないと主張している。

 こんな中、EUは実質2年間の禁止となる規制を決めた。
 その理論的根拠は、EUが基本理念とする「予防原則」である。
 予防原則とは、環境に対して重大な影響を及ぼしかねないものについて、因果関係が科学的に立証されていなくても、予防的な処置をとるという考え方である。
 そもそもは、今から40年ほど前にドイツなどで起こり、これまでに、オゾン層の保護や食品の安全確保などに関してさまざまな取り決めが行われてきた。
 平成10年、アメリカで行われた第7回ウィングスプレッド会議において発表された「予防原則に関するウィングスプレッド宣言」である。

「活動が人の健康と環境に対して危害を及ぼすおそれがある時には、たとえその因果関係が科学的に十分立証されていなくても、予防的手段が行われるべきである。
 これに関連し、一般の人々ではなく活動を推進する人は、立証責任を負うべきである。
 予防原則を適用するプロセスは、開放的でなければならず、情報が提供され、民主的でなければならないし、影響を被る可能性のある人たちも含まれなければならない。
 そして、その活動を放棄することを含め、幅広く代替案の検討も含まれなければならない。」

 私たちは、虫に噛まれず商品価値の高い農作物を大量に作ろうとして、カメムシなどを駆除するネオニコチノイド系農薬を開発した。
 しかし、6月18日の朝日新聞は「ミツバチ群れ 農薬で『崩壊』」において金沢大学の山田俊郎教授の発表を掲載した。

「即死しない濃度でも、農薬を含んだ餌を食べたハチの帰巣本能がだめになり、群が崩壊すると考えられる」

 養蜂の現場における被害はすさまじいものがあり、経験上、因果関係が明らかであると考える周辺の農家には、農薬の使用を見合わせる動きが起こりつつある。
 蜂が訪れて受粉する地域から農薬がなくなれば蜂が救われるだけでなく、結局は作物も、人間も救われるからである。

 EUでは、ブドウやヒマワリやトウモロコシなど、ほぼ、すべての農場で農薬が使われており、それが使えなくなった場合の経済的損失は莫大である。
 EU植物保護産業組合のジャン・シャルル・ボケ氏。

「私たちの試算では、この農薬の規制によって、年間40億ユーロ(およそ5千億円)以上の損失があるとみています。」

 農場経営者のジェオルジ・ラシュコ氏。

「来年から、どう作物を育てればいいのか心配です。
 62人の従業員を、どうすればいいのか。」

 農薬の規制は、農業経営や食料の安定生産を揺るがし、EU全体の経済状況の悪化にもつながるのではないかという指摘もある。
 それでもなお、EUは規制に踏み切った。
 EU委員会のフレデリック・ヴァンサン広報官。

「私たちは、更なる調査が必要であるという事実は認めています。
しかし、判断のもとになったのは、『われわれは今、何をすべきか』ということです。」

 多くの人々は、蜜蜂の生き死になんて蜂蜜を食べる人にしか関係がないと思うかも知れないが、蜂たちのはたらきがなければ多くの農作物が死滅する。
 蜂の幼虫が育つためには栄養価の高いエサが必要である。
 だから、蜂は花粉を集めるために花を訪問し雄しべを噛む。
 それを「訪花活動」という。(何とゆかしい呼び方だろうか)
 そのおりに身体へついた花粉が花の雌しべに移り、受粉が行われる。
 蜂と植物は見事に共存しており、蜂がいなくなれば植物もまた、子孫を残せず、生き残れない。

 こうして自然の節理に従っている生きものたちの生態系を破壊しつつ、人間だけが生き延びられようか?
 人間だけがつごう良く生き延びてよい理由はあるだろうか?
 生態系の中に位置づけられている人間もまた、それを維持しつつ生き延びられない理由はあるだろうか?
 こうした人間存在そのものに関する問題は、科学だけでは解決できない。
 必要なのは叡智であり、「予防原則」は、まぎれもなくその発露である。
 原則の根拠となっている「現段階における科学には限界があり、その光はすべての真理を照らしきれていない」という謙虚さもまた、その発露である。
 そして、科学では充分に立証されていない人間の悪行についての怖れもまた、その発露である。

 ネオニコチノイド系農薬の使用は、自然へ対する悪行に近いのではないか?
 原発の使用も、人間が神の座へ就こうとする悪行に近いのではないか?
 それらをやめれば、確かに莫大な〈損失〉が発生するだろう。
 しかし、それは、未熟な人間が行った勇み足への贖罪として、共に引き受けねばならないのではなかろうか。
 ここで〈損失〉を避けようとして悪あがきすれば、結果が贖えきれないものにならぬという保証はどこにもない。
 私たちは小さな蜂に目覚めされられつつある。
 ──とてつもなく肝心な真実について。

 今日の守本尊大日如来薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=LEz1cSpCaXA



 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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