コラム

 公開日: 2013-09-15  最終更新日: 2014-06-04

盛岡市のラカン像と『みやぎ四国八十八か所巡り道場』完成への思い

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。







〈河北新報さんからお借りして加工しました〉

 信徒Aさんから新聞の切り抜きをいただきました。
 平成25年6月16日付の河北新報に掲載された「石造十六羅漢像(盛岡市)」です。
 
 盛岡市茶畑の「らかん自児童公園」に5体の如来像と16体のラカン像があります。
 5万8053人の寄進によって嘉永2年(1849年)に完成した尊像は、発願から17年以上の歳月をかけて完成しました。

 南部藩で起こった天明飢饉のおりに多数の餓死者などが出たことを憂いた祇陀寺の住職天然和尚は、尊像建立のために托鉢を行い、天保4年(1833年)、病気で倒れます。
 天保飢饉のまっ最中に後を託された弟子泰恩和尚は、長松寺の住職を辞して托鉢を始めました。
 天保8年(1837年)、集まったお布施と借入金による建立が始まり、12年の歳月をかけて尊像は完成しました。

 長松寺住職の斗ケ沢祥悦氏(71才)。

「民が苦しんでも藩は、助けてくれなかった。
 自分たちが何とかしないといけない、という思いがあったのでしょう。
 ましてや僧であったわけです。
 その思いは現代人の想像をはるかに超えるものです。」

 この頃は全国的に石仏の建立が進められていました。
 盛岡市文化財保護審議委員大矢邦宣氏(69才)。

「この時期、国内では貧富の差が拡大し、国の周囲では外国船が近づいてさわがしくなっていた。
 仏の教えが続くように、皆を救ってもらえますようにという人々の願いがありました。」

 泰恩和尚は完成の翌年にこの世を去りました。
 人が去っても願いは形となって残り、言い伝えられて残り、合掌する人の心へ届きます。

 オウム真理教が世間を震撼させ、麻原彰晃が逮捕されるという騒動のまっ最中に宗教法人の認証を求めていた当山は、平成8年に認証を受け、平成11年には『托鉢日記第二集』を出版し、寺子屋建立運動を開始しました。
 托鉢でお訪ねしたお宅のテレビは圧倒的にオウム真理教について報道していました。
 今回の津波で跡形もなく失われてしまった沿岸部の方々は、よくぞ、見たこともない僧侶の托鉢を受け入れ、お支えくださり、人生の真実をお教えくださったものだと、奇跡のようにさえ思えてきます。
 それから10年、講堂の建立と本尊大日如来の開眼法要に至りました。
 江戸末期の僧侶方は飢饉という抗えない状況において救いを求め、行動を起こしました。
 当山は、現代人の心に忍び寄っている荒廃を感じて寺子屋を始め、44回目となった今月の寺子屋では映画『洟をたらした神』を観賞し、映画の舞台となった福島県で今、失われつつあるものと、私たちの文明が置き忘れつつあるものを実感しました。
 また、当山は、江戸時代の寺子屋で用いられていた教材である『実語教・童子教』を用いた講話も続けています。

『みやぎ四国八十八か所巡り道場』の建設運動は、托鉢に訪れた皆さんから「行きたいけど四国までは行けない……」と聞かされたたくさんの思いと、私自身が四国の霊場で救われた強烈な体験とに動かされて始めたものです。
 ようやく工事に着工してまもなく東日本大震災が起こり、犠牲になられた御霊のご供養も大きな願いに加わりました。
 長年にわたり道場用地を確保し、お支えくださったA氏が今年、他界されました。
 托鉢でお会いし、お支えいただいた方々の願いにお応えするため、東日本大震災で犠牲となった方々とA氏の御霊をご供養するため、何としても完成させねばなりません。
 日々の人生相談、ご供養、ご葬儀、ご祈祷などと平行して、建設の趣旨をより多くの方々にお伝えしようとする力はあまりに微少なものでしかありませんが、幸いにして、ご理解の輪は徐々に広がりつつあります。
「仙台で行われた四国八十八か所巡りの御砂踏みが大盛況だったので、法楽寺にそういうところがあればいいなと思って少しだけ協力しました」(宮城県在住のB氏)
「私自らはよろこんで寄付をさせていただく余裕がなく残念でございますが、崇高なご意思に仏様のご加護がありますように」(関西在住のC氏)

 飢饉の中で尊像建立にかけた方々の心へ思いをいたし、大震災と原発事故に遭った東北の地で祈り、情報を発信し、道場の完成へ向かうため、今日も微力を尽くします。
 大和町宮床での祈りが仙台市の道場へ届き、恩人の方々と犠牲者の御霊方へ届きますよう。

 今日の守本尊大日如来薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=LEz1cSpCaXA



 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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