コラム

 公開日: 2013-10-16  最終更新日: 2014-06-04

理想の護持会をめざして ─寄進の案内と理解と批判と感謝とお詫び─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





 ご寄進のご案内をめぐるできごとの顛末です。

 当山は今年の初夏、自主的護持会である「ゆかりびとの会」会員の方々などへ、「みやぎ四国八十八か所巡り道場」の趣意書をお送りしました。
 内容は以下のとおりです。

一 なぜ『みやぎ四国八十八か所巡り道場』を造ろうとしているのか

 当山は、托鉢行によって開基した寺院です。住職が托鉢の途中でご縁の皆様からお聴かせいただいたお話はすべて、開基の方向性にかかわり、将来にわたっての全体計画をも強く左右しています。
 住職の耳に残るお話の中で忘れられないものの一つに「四国八十八か所のお詣りに行きたいけど、行かれない」があります。
 お祈り後のよもやま話で、ご高齢の方やお身体が弱い方などへ四国霊場の様子をお伝えすると、皆さんは目を輝かせられました。
 だから、住職は、「いつか必ず、地域の方々が近くでお詣りできる八十八か所巡りの霊場を造ろう」と決心していました。
 住職の霊場への思いは、櫻井恵武著『四国名刹』へ掲載された文章に尽くされています。

「憧れの四国八十八霊場では、動けなくなった方を再び歩ませる加持力の確かさや、心に貼りついたものを切り放つ因縁解脱のお慈悲に涙する得がたい体験をした。
 霊場は行者にとって永遠の別世界である。」
「お遍路さんの誰にでも、み仏の異次元世界がありありと存在することを感得させ、迷いや苦界から救いの菩提心へ還る道を開く四国八十八の霊場は人類の宝ものです。
 その世界を目の当たりに観られる『四国名刹』が、戦乱止まない地球上の人々へ、争いの究極的解決法として〈曼荼羅の心〉を起こさせるよう、四国八十八霊場のご本尊様方とお大師様のご加護を心より願ってやみません。合掌」
「88Shikoku's Hallow Temples bring each pilgrim to realize that there certainly exists the world of Buddha in a different dimension,and they also open each one the way which leads to the saving family mind out of the bitter world of disillusion and pain.
 They are a real treasure of human beings.
 One can see this world in "Shikokumeisatu'famous tenmples"with your own eyes.I cannot stop praying for the aid of Odaishi-sama(our leader)that this reminds the people on the earth with continuous wars of "mandara mind"as the ultimate solution of conflict.
  Hands in pray」

二 『みやぎ四国八十八か所巡り道場』のこれまでの歩みは?

 平成二十二年、青森県在住の方のご助力により、仙台市泉区に八千坪の土地を用意し、平成二十三年夏に造成を始めました。
 しかし、新しく開基した寺院の自力だけではなかなか進みません。
 そもそも、托鉢行のおりに、住職がもっともたくさん耳にし、当山の根本方針を決定づけたのは、皆さんがお布施に関連して悩み、怒ってもおられるという実態でした。
 だから当山は、ご葬儀や戒名についてもお布施の数字を一切示さず、「何を造るにも、寺院としての理想の旗を掲げるのみで、形となるかどうかは皆さんのご誠心へお任せする」姿勢一貫で、今日まできています。
 平成二十二年には、皆さんと共に真の布施のあり方を考えるべく「脱『檀家』宣言」を行い、サポーターの方々は自主的に入脱会が自由な『ゆかりびとの会』を結成され、当山をお護りくださっていますが、無理なお布施依頼はまったく行っていません。
 しかし、「行きたいけれど行けない」方々が、いつでもお詣りできる聖地を造ろうという志がみ仏のお心に叶うものならば、必ずいつか完成するものと信じています。

三 『みやぎ四国八十八か所巡り道場』の現況は?

 おかげさまにて順路が完成し、守本尊の地蔵菩薩様と六か寺分のお堂が建ち、参道を護る石柱も建ち始めました。
 東日本大震災で犠牲になられた方々の御霊をご供養する角塔婆も建立し、祈りました。
 もうすぐ、あと一か寺分のお堂が姿を現します。
 しかし、まだ、全体の十分の一にも達していません。
 善男善女の皆さん、ぜひ、ご助力ください。
 ぜひ、後代へ残る積善を実践されますよう。

三 『みやぎ四国八十八か所巡り道場』の内容は?

1 場所   宮城県仙台市泉区福岡字菅の崎三 約八千坪の南東に向いたなだらかな丘です。
2 礼拝所数 四国八十八か所分と高野山で八十九宇(ウ)
3 礼拝施設 高さ約一・八メートルの石堂内へご本尊様をお祀りし、足元には、住職が四国八十八か所を巡拝したおりの砂を納めます。
4 ご志納金 まごころのままに
5 ご芳名簿 『一か寺分五十万円』なので、その分がまとまり次第建立し、お堂の横へ皆様のご芳名のみを列記します。
  もしも五十万円をお納めになられる場合は一宇の石堂へ刻むご芳名はお一人となり、もしも三十万円の方と二十万円の方がおられればお二人となり、もしも十万円の方が五名おられれば五名となり、一万円の方が五十名おられれば五十名となります。
  また、参道外側に立てられる石柱は『一本五万円』で、ご芳名と願い事と建立年月日が刻まれます。
  土中に埋めた石材からピンを通した頑丈な造りで、参拝する方々をお守りします。
6 ご寄進法 ご賛同いただける場合は、左記の口座へのご送金をお願い申しあげます。
       ○七十七銀行吉岡支店 普通預金  5446007
       ○ゆうちょ銀行    店名 八一八(ハチイチハチ) 店番 818普通預金 3028612
       ○古川信用組合吉岡支店 普通預金 3383332

 おかげさまにて、たくさんの方々のご理解、ご助力をたまわり、その後、堂宇も石柱も順次、造られています。
 しかし、一部の方々から、直接的、間接的に「こうした寄進集めは法楽寺らしくない」といったご批判を受けました。
 理想の旗を掲げ、あとは皆さんのご判断へお任せしている以上、いかなる強制もありませんが、それでもなお、受け止め方は、その方その方によってさまざまです。
 そこで、秋には、以下の説明分をお送りしました。

謹啓

 さしもの猛暑も遠のき、ススキが揺れ、すっかり秋らしくなってきました。
 ご縁の皆様におかれましては、お変わりなくお過ごしでしょうか。
 常々の当山へのご誠心に、あらためて、心より感謝申しあげます。

 さて、過日、当山よりお送りした『みやぎ四国八十八か所巡り道場』の趣意書につき、今般、貴重なご意見をいただきましたので、ここに、当山の本意を明確にしたいと考え、本状をお送りいたしました。

 まず、趣意にご賛同され、ご助力をいただいた方々へ、心よりお礼申しあげます。おかげさまにて、道場の整備は一段と進み、ご来山の方々から道路や内容に関するご質問もいただくようになりました。
 また、もしも、趣意書を読んで不快感や、当山の姿勢への疑念や不信を抱かれた方がおられましたならば、住職である私の責任であり、心よりお詫び申しあげます。本状の主意はこちらにあります。

 当山がご縁の方々へ趣意書をお送りしたのは、何よりも本計画の内容と価値を具体的に知り、賛意を持たれたならば、無理のない範囲でのご助力をいただきたかったからに他なりません。
 決してご縁の方々へ頭割りのお布施依頼をしたつもりはなく、文章にもそのことは明確であろうと存じます。
 むしろ、広く、詳細にお知らせしないことこそ怠慢であり失礼であると考え、『ゆかりびと』や『法楽』をお送りすることに準じた責務の感覚を持ちながら発送したのが真実です。
 事実、『ゆかりびとの会』の役員会において、完成予定の時期を訊かれ、「ガウディの未完の教会ではありませんが、何百年かかろうと、理想が真実のものならばきっと完成するはずです」とお答えしています。
 しかし、今回、「トップである住職から直々にこうした書面が届けば、『住職が直接、自分へはたらきかけてきている』と感じ、『一体、どうすればよいか』と大変なプレッシャーになっている場合も想定されます」とのご意見をお聴きし、気づかないでいた問題に、はっとさせられました。
 掲げた理想の旗についてご説明申しあげたあとは、皆様の自由意志へ完全にお任せしたつもりなのですが、入り口で心理的問題が生じてしまえば、もう、内容や自由意志どころではなくなります。
 長期的になることを厭わないと趣意書で表現しなかったことも、混乱を招いた一因と思われます。
 当然ですが、お一方お一方へ無理をさせても資金を調達しようなどという意図はまったくありません。
 こうした姿勢はこれまでも、今後も、まったく変わりないことをはっきりと申しあげ、今後、同様な行き違いが生じないよう万全を尽くす所存ですので、今回の件については、どうかご容赦をたまわりたく存じます。

 また、数名の方々との対話を通じて、皆様の感覚と私の感覚にあるズレにも気づかされました。
 皆様は何よりも安定した法務の遂行を願っておられるようですが、私は祈りの中へ訪れる理想に導かれ、皆様より半歩前へ出ている関係上、必ずしも皆様全員にその理想へのご理解やご納得をいただかないうちに、ことを起こしてしまいます。
 今後、この面でのバランスもよく考え、何としても皆様からのご信頼にお応えしてゆきたいと願っています。

 最後に、今回、もしも、お心にひっかかりができた方々におかれましては、真意をご理解たまわり、一日も早くお心が安らかになられますよう、お祈り申しあげます。
 皆々様へのみ仏のご加護を祈りつつ擱筆させていただきます。

 この手紙に対しても、直接的、間接的に、さまざまなご意見をお寄せいただきました。
 多くは「真意がよくわかり、安心しました」といったものであり、「批判はあまり気にせず頑張れ」とのお励ましもありました。
 中でも、最も心惹かれ、勇気づけられたのはAさんから面と向かって言われた言葉です。

「過日、住職からいただいたお手紙の内容は、大変よく理解できます。
 法楽寺が、全体主義的でない、とても健全な運営をされていることはすばらしいと思います。
 応援しています」

 千金にも値するお励ましでした。
 胸に刻み込み、役員会でもご披露申しあげました(もちろん、匿名です)。
 おかげさまにて、「ゆかりびとの会」も、「脱檀家宣言」を行った当山も、また、一歩、前進できました。
 会員の方々、どうぞ今後も、当山へ忌憚のないご意見をお寄せいただきますよう、心よりお願い申しあげます。
 夏から秋へかけてのできごとにつき、立冬と芋煮会を前に、整理させていただきました。
 会員皆々様へのご加護を重ねて祈っております。合掌

 今日の守本尊文殊菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=WCO8x2q3oeM


 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

この記事を書いたプロ

大師山 法楽寺 [ホームページ]

遠藤龍地

宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL:022-346-2106

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