コラム

 公開日: 2013-10-20  最終更新日: 2014-06-04

真智の開発をめざして(その1) ─五智の教え・信じること─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。



〈本堂正面の多宝塔〉


〈多宝塔内で永久に祈られる善男善女の願いを込めたクリスタル如意宝珠〉

 当山はかつて、寺子屋の目標の一つとして「真智の開発」を挙げました。
 それは、人生の真実に基づいた智慧を磨きだしてゆくことです。
 それは、「おかげさま」と心底から思えない妄知(モウチ)と、「万事我がため」でしかない邪知(ジャチ)をはたらかせない道でもあります。
 どのようにしてそれは可能になるか?
 これから、師の伝授による五智の教えを25回に分けて記しておきます。
 
 師が説かれた「五智」とは、優しさ・厳しさ・正しさ・優雅さ・尊さであり、その五光により、妄知も邪知も消え失せます。

 さて、優しさは、〈信じる〉〈認める〉〈教える〉〈与える〉〈守る〉という五つの行為が円満にはたらく時、〈人間がみ仏の子である証明〉として完成します。

[1の1]優しさ─信じる

 優しさは、相手へ柔らかく接する態度だけではありません。
 まず、信じられねば優しくなれません。
 ここで言う「信じる」とは、相手の言葉を鵜呑みにすることではありません。
 相手の言葉や態度に〈真実が顕れている〉と信じ、相手を〈向こう側〉へおかずに接することです。

 たとえば、「いないはずのものが見える」「聞こえないはずのものが聞こえる」といったとても多い人生相談においては、「お化けはいません」「神の声は錯覚でしょう」と笑ってしまわず、見えたり聞こえたりしている事実をそのまま認め、そこには必ず相手にとっての真実があると考えています。
 ここから出発しない限り、いかにニコニコと接しようが、真の優しさを持った対応にはなりにくいものです。
 もちろん、何もかも「そうですよね」とそのまま認めてしまうのではなく、時として、強く否定する必要性もあり、たとえ顔をしかめられても、医師へ相談するようお勧めする場合もあります。
 相手にとって辛い真実は、何によってもたらされたのか?
 生まれの因縁、育ちの因縁、生き方の因縁、あるいは家庭環境、社会環境、また運気の乱れや目に見えぬものの障りなど、無責任な判断ができないので、当山では、必ず袈裟衣をまとい、ご本尊様の前でのみ対応しています。
 未熟な行者である住職は、電話口でただちに即身成仏(ソクシンジョウブツ)しながら対応するなどの芸当はできず、もちろん、世間話としての無責任な受け答えなどできようはずはありません。
 ご本尊様と一体になる法を結ばない限り人生相談という法務をこなせず、ご来山いただくようお願いしています。

 さて、信じれば観えてくるものがあり、そこから相手との共同作業が始まります。
 たとえば、苦の状態が病気の領域に入っているかも知れない時、病気であることを恥じたり、隠したりする必要はないと認識してもらわねばなりません。
 そもそも、病気にならない人は一人もいません。
 病気になったことのない方が突然、パッタリと亡くなられても、死亡診断書には病名が書き込まれます。
 どこにも何の異常もないのなら、亡くなるわけはありません。
 病気になりたい人は一人もいないにもかかわらず、私たちは、いつ、どんな病気に罹るかわからず、もちろん、選べず、治療は罹ってからしか始まりません。
 予防法としての健康法をどうやっているかは別として、私たちは常に受け身です。
 だから、いかなる病気であろうと、それは生きものとして、人間としての宿命であるととらえる視点が大切です。
 これまで、多くの方々から「なぜ、よりによって私が、こういう病気になってしまったのだでしょうか?」と投げかけられました。
 神ならぬ身には、大それた受け答えはできません。
 ただ、根本的には、「それは人間であるがゆえに」といったところへ、ご本人がご自身の力で近づかれるよう祈りつつ、細心の注意を払って対話しています。
 
 ご加持が必要と思われる場合もあり、ご本人からご祈祷を依頼される場合もあります。
 いずれもプロとしての行者が行う法務ではあっても、一つの事実、一つの真実へ立ち向かうという点においては、依頼者との共同作業です。
 決して「あなたに憑いたものを私が祓ってあげましょう」ではありません。
 必ず「この状況を何とかしたい」と一緒に願い、祈りを共にして、祈ります。
 それは信じていなければできません。

 信じるとは、相手にある真実を相手のものとしてそちら側や向こう側へ置かず、人間にとっての真実として共有する心持(ココロモチ)です。
 昨今、いかなる統計でも、結婚相手へ求めるものの第一は優しさであると発表されています。
 相手へ求める優しさとは何であるか、相手から求められるに値するいかなる優しさが自分にあるか……。
 真智の開発を掲げた頃は、寺子屋の対象を子供たちと考えていましたが、諸事情により、現在、寺子屋へ集われるのはほとんどが大人の方々です。
 寺子屋を縁として、また、ネットを縁として、大人がより、み仏の世界へ近づけば、その言動や背中を見る子供たちも又、きっと、よい方向へと変わってくれることでしょう。
 このシリーズが自分をふり返るきっかけになれば幸いです。

「のうまく さんまんだ ぼだなん あびらうんけん」※今日の守本尊大日如来様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=LEz1cSpCaXA


 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

この記事を書いたプロ

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遠藤龍地

宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL:022-346-2106

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