コラム

 公開日: 2013-11-14  最終更新日: 2014-06-04

東日本大震災 ─東北関東大震災・被災の記(第144回)もうすぐ千日目となります─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





 12月5日で東日本大震災から千日目になります。
 当山では、日本の現況に少なからぬ憤りを持ちながら、祈っています。
 いとうせいこう著『想像ラジオ』は書いています。

「死者と共にこの国を作り直して行くしかないのに、まるで何もなかったように事態にフタをしていく僕らはなんなんだ。
 この国はどうなっちゃったんだ」
「木村宙太が言ってた東京空襲の時も、ガメさんが話していた広島への原爆投下の時も、長崎の時も、他の多くの災害の折も、僕らは死者と手を携えて前に進んできたんじゃないだろうか?
 しかし、いつからかこの国は死者を抱きしめていることが出来なくなった。
 それはなぜか?」
「亡くなった人はこの世にいない。
 すぐに忘れられて自分の人生を生きるべきだ。
 まったくそうだ。
 いつまでもとらわれていたら生き残った人の時間も奪われてしまう。
 でも、本当にそれだけが正しい道だろうか。
 亡くなった人の声に時間をかけて耳を傾けて悲しんで悼んで、同時に少しづつ前に歩くんじゃないのか。
 死者と共に」

 私たちはこれでよいのでしょうか?
 今なお不安定な原発周辺の大事を抱え、とてつもない数の方々がいのちがけで手探りの作業を続けています。
 町や村から切り離されて全国へ散った膨大な方々は心身を傷めながら、未来の見えない不安な一日一日を過ごしています。
 津波の被災地では、いまだに多くの地域で未来像が描けないままです。
 津波や地震でよりどころを破壊された無数の御霊方は、彷徨ったままです。

 こうした時期であるにもかかわらず、与野党揃って不謹慎にもカジノ構想を打ち出す状況は、身震いしつつ文明の転換点に立つ思いの一宗教者として耐え難いものがあります。
 犠牲者となった方々への鎮魂の思いはもう消えたのでしょうか?
 今なお、天災と人災とによって苦しんでおられる方々は、堂々と欲を第一にして恥じない軽薄な文明の皎々たる光の陰で、ひっそりと生きているしかないのでしょうか?

 この国の未来を深く憂うる者として、来年へ向け、心ある方々と共に思いをあらたにしたいと強く願い、12月14日(土)開催の寺子屋において、原発事故の被害に遭い全町退避となった富岡町の方々から、生の現実をお教えいただきます。
 死者の思いを想像できないどころか、同じ空気を吸っている同胞の苦しみにも目をつむり、キラキラしい未来ばかりが語られている現実を深く、深く省みようではありませんか。

 いとうせいこう氏はインタビューで語っています。

「死者と生者を分けてしまうのではなく、生者の中に死者の声が聴こえてくる。
 それと同時に死者も、『あ、そうか』って言っている僕らの声を聴いていると思いたい。
 そういう世界観をなくしてしまうことが、歴史性を失うことだと思うんです。
 それは百年前、二百年前の死者に対しても同じことだと思う」

 死者とつながる〈歴史性〉を失った時、倫理の根は枯れ、文化の花がいかに精いっぱい咲こうとしても、すぐに褪せる軽薄な色と、刺激的でもすぐに厭きる香りしか伴わないのではないでしょうか。
 真の意味で麗しく、徳の香りが漂う死者へ恥ずかしくない日本を皆の手で一歩一歩とつくってゆく以外、鎮魂と慰霊と謝恩の道はないように思われます。

「のうまく さんまんだ ぼだなん あびらうんけん」※今日の守本尊大日如来様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=LEz1cSpCaXA


 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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