コラム

 公開日: 2013-11-17  最終更新日: 2014-06-04

あの世から届いた剣の光

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





 小春日和(コハルビヨリ)のよく晴れた日、Aさんのお納骨を行いました。
 「古家のゆがみを直す小春かな」
 与謝蕪村(ヨサブソン)は、本格的な冬の到来に備えて、古い家の手入れをするため、大工さんが立ちはたらく様子を詠みました。
 寒さに耐えながらセカセカと動くのではなく、この頃特有の柔らかな陽射しを受け、ややのんびりとやっているのでしょう。
 鉢巻と金槌の音が連想されます。

 前日は息子さんが丹念にお墓を磨き、剥がれかけた文字の色を上塗りし、当日は墓石業者さんが一時間以上も前から掃除をしたお墓は、まるで、たった今、できあがったかのように新鮮な姿で皆さんをお迎えしました。
 こうした行動をうながす葬送の文化は、どれほど私たちの心を養い、死後の世界へ安心をもたらしているか、はかり知れません。
 真っ白な木綿の袋へ入ったお骨は丁寧に納められ、お花やご供物が供えられてご守護の修法が始まりました。

 ご挨拶のお経、結界の真言と、いつもどおりの作法に従って進み、八方天地の守本尊様のお力をいただく結界(ケッカイ)法へ入りました。
 北東を守る虚空蔵菩薩様の真言を唱え、不動明王の剣となった右の手印で虚空蔵菩薩様の剣法を行った時、信じられない光景が現れました。
 墓石の棹石の表面に、導師が切る派筋に対応する形で光の筋が走ったのです。
 速九字「臨、前」を唱えつつ、私は左下から右上へ一刀目を切り上げ、真っ向に切り下ろしました。
 それに呼吸を合わせるかのように、墓石に右下から左上へ走り、真っ直ぐに降りる光が生じたのです。
 同様に、十方を守る秘剣通りの刃筋が見え、驚嘆と共に結界法を終えました。

 それが何であるかは、すぐにわかりました。
 居合の心得があるAさんは、かつて年賀状に剣を持つ写真を載せられました。
 竹林を背景に、真っ白な道着で剣を持つ姿は、まるで剣に聖性が宿っていた時代を切り取ったかのように清々しいものでした。
 また、隠形流居合のお弟子さんたちのために、真剣の講習会を催してもくださいました。
 だから、きっと、私の修法に合わせてお心を表し、あの世へ逝っても当山をお守りくださるご意志を伝えてくださったに違いありません。
 真っ白な道着のお姿で、あの世の剣をふるわれたのでしょう。
 私は、弟子入りをしていないAさんへは当然、結界の秘剣を伝授していません。
 それにもかかわらず、まるで伝授されたお弟子さんが対面して剣を振るように光が走ったことは本当に驚異です。

 あまりの感激に、不覚にも、そのあとの読経が止まりそうになりました。
 初めて自主的な護持会を結成され、当山の信念とするところを学び、その志を守るために当山を守って行こうと呼びかけたAさん。
 奥さんの体調をおもんばかり、観音経や般若心経を掛け軸に書いて収められたAさん。
 ずっと人生の先輩で、いつも直言してくださったAさんは、もしかすると、守護の思いを伝えると共に、いつもの屈託のない笑顔で住職を試したのかも知れません。
「まだまだ、修行が足りなくはありませんか?」
 私にはもう少し、この世での修行の時間が必要なようです。
 このできごとを一つの励みとして、やり直そうと発心しました。

 ご本尊様から降りたAさんのお戒名には、光と剣の文字が入っています。

 今日の守本尊不動明王様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=EOk4OlhTq_M



 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

この記事を書いたプロ

大師山 法楽寺 [ホームページ]

遠藤龍地

宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
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