コラム

 公開日: 2013-11-25  最終更新日: 2014-06-04

テレビが子供の高次認知機能を発達させず、読書能力や注意能力を低下させる危険性について

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





 11月21日付の河北新報は、ようやく、炯眼の士(ケイガンノシ…本質を見抜く力のある人)二人の警告を科学的に立証した。
 二人とは、評論家大宅壮一と作家松本清張である。

 半世紀以上前、大宅壮一は、テレビには低俗なものへの関心を高めてしまう面があると指摘して「一億白痴化」を警告し、「一億総白痴化」が当時の流行語となった。
 また、松本清張も、テレビには人間からものを考える力を奪う面があると指摘し、同調した。
 いずれも、瞬間的な感覚に訴える画面にとらわれていれば精神が受動的になり、自分の頭で深く思考する習慣を奪われる危険性を察知した発言である。
 しかし、脳は見るという行為に関してもっともはたらくとされ、動く画面に情報が満載されたテレビは一気に普及した。
 書物を柱とする精神生活は教養主義的とされ、遠ざけられた。
 今や、本来は聴く機能だったはずの電話すら限りなく見る道具に近づき、医療や防災なども含めて、現代人の社会生活からテレビは切り離せないものとなった。
 と同時に、二人の警告を思い出す人も少なくなったと思われる。

 しかし、今回、ついに、長時間テレビを視聴する子供は脳の発達が遅れるという事実が明らかになった。
 重大な研究発表であり、全文を転載しておきたい。

「長時間視聴、脳の成長に悪影響 テレビっ子、言語能力低下」

 東北大加齢医学研究所の川島隆太教授(脳科学)と竹内光准教授(同)らのグループは20日、子どものテレビの長時間視聴が、言語知能などをつかさどる脳の前頭極に悪影響を与えるとする研究結果を発表した。
 従来、心理学研究でテレビが子どもの読書能力や注意能力を低下させることが確認されていたが、脳のどの部分に作用するかが明らかになったのは初めて。
 脳画像解析と追跡調査によって解明した。
「テレビを1日に何時間見るか」といった生活習慣を問うアンケートと知能テストに加え、脳を磁気共鳴画像装置(MRI)で撮影し比較検討した。
 2008年7月に始まった1回目調査で「テレビを長時間見る」と答えた子どもほど、3年後の2回目調査の知能テストで言語能力が低い傾向があった。
 脳画像解析による調査では、本来、成長に伴って減少する灰白質と呼ばれる部分が、「テレビを長時間見る」と答えた子どもの方が減少幅が小さかった。
 この傾向がみられたのは前頭前野の一番前側にある前頭極などで、自ら考える高次認知機能を担うとされる。
 この部分での発達の遅れが言語能力の低下に関連していると考えられるという。
 川島教授は
「テレビ視聴制限の必要性が脳科学でも裏付けられた。
 生活習慣が脳の発達に影響することを子育て中の親に知ってほしい」と話す。
 調査には、宮城県内の健康な5~18歳の男女計276人が参加した。

 ここで述べられた「自ら考える高次認知機能を担う」部位の発達が遅れ、「読書能力や注意能力を低下させる」事実には戦慄すら覚える。
 たやすく繰られる人間をつくるからである。
 何に繰られるか?
 刺激に。
 いかなる刺激か?
 食事と性と長命である。
 もちろん、おいしくて栄養のバランスが保たれた食事、男女間の愛、健康な長生き、この三つは幸せ感の源泉であり、否定されるべき何ものもない。
 しかし、問題は、こうしたものをもたらしてくれそうな相手の手玉にとられる危険性があるという点にある。
 半世紀前は思考能力の低下を心配した。
 ようやく、それが当たっているとわかったが、当時は想像できなかったレベルで情報化社会となった今は今は、その先をも心配せねばならない。
 相手が人であれ、企業であれ、政治であれ、「高次認知機能」をあまりはたらかせず、「注意能力」もあまり発揮せぬままに、自分にとって便利で早く幸せ感を与えてくれそうな対象へ飛びつくのは、あまりに危険ではないか。

 テレビの画面を注視してみよう。
 人は、瞬間的に〈ウケ〉ようとしてはいないか?
 企業は、中身よりも〈イメージ〉で惹こうとしてはいないか?
 政治家は、考えさせるよりも〈ワンフレーズ〉で思考停止させようとしてはいないか?

 私たちは、自分の人生にも、自分が生きる社会にも、自分で責任を取らねばならない。
 人間としての尊厳を守るためには、何よりも、繰られてはならない。
 充実した人生を送り、安心して生きられる社会をつくるためには、快・不快や、好き・嫌いや、目先の楽や苦などに引きずられず、魂の共鳴や良心の声などに耳を傾ける落ちついた感受と思考が欠かせない。
 テレビは道具である。
 道具を上手に用いる者に利用されず、自分が道具を上手に使うためには、「高次認知機能」をさび付かせず、「注意能力」を鈍らせないことが大切である。
 自分で工夫をし、子供たちへは読書と作文の習慣をつけさせたい。
 そのためには、まず、画面を眺めている自分の姿を想像してみよう。
 哀れ、情けない、あるいは恥ずかしいと感じるならば、それは霊性が発する危険信号ではなかろうか?

「のうまく さんまんだ ぼだなん あびらうんけん」※今日の守本尊大日如来様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=LEz1cSpCaXA


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 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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