コラム

 公開日: 2013-12-13  最終更新日: 2014-06-04

意識は死後もある

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。



 ダライ・ラマ法王著『傷ついた日本人へ』を読んでいます。

○輪廻には論理性がある

「たしかに、意識や精神というものは、目で確かめたり、計算したりできるものではありません。
 たえずそれと向き合い、検証し、研究し、修行をし、ようやく少しづつわかってくるものです。
 大切なのは、固定観念を持たず、現実に起こっている様々な現象をつぶさに観察することです。
 そして部分をつなぎあわせて全体像を把握することです。」

 仏教はこうやって2500年間、意識と向き合ってきました。
 意識を考え、意識のコントロール法を研究し、深めてきました。

「たとえば、『意識』とひとことで言ってしまいがちですが、細かく分析していくと、そこにはいくつもの段階があることがわかります。
 一番わかりやすいのは、今こうやって話したり、何か活動していたり、考えたりしている時の意識というものです。
 はっきりとした覚醒状態の中で、高度な思考活動を司っています。
 一番表面的でわかりやすいレベルの意識ともいえます。
 一方で、眠っているときにも意識ははたらいています。
 このときの意識の状態は、夢という形で分析することができます。
 不思議なことに、このとき私たちは目でものを見ることはできていないのに、夢の中の私たちの意識の中では『ものが見えている』のです。
 つまり、覚醒の意識とは明らかに違うはたらきをしているということです。
 深い催眠状態や麻酔がかかっているときなどは、意識はどうなっているのでしょうか。
 外部からの刺激にはほとんど反応しませんし、後からはっきりと思い出せるような夢を見ることも少ない。
 このため、その間の意識がどのようなものかはっきりわかっていません。
 しかし、意識がなくなっているかと言えば、それは存在している。
 覚醒状態とは明らかに違う性質の意識が確かにはたらいているのです。」

 こうした研究の成果として、仏教は、科学が把握する数百年も前から意識を「表面の意識」「潜在的な意識」「深層的な意識」と分析し、それぞれとの関わり方も研究してきました。

「それでは、死後に意識はどうなるのか。
 科学的な見解は、人の生命活動が終わった後、意識も失われるというものでしょう。
 でもそれはあくまで、意識は脳細胞のはたらきに過ぎないという仮定の上での話です。
 実際、そのときの意識のありようは、死者以外誰も把握できません。
 科学もまだ意識を解明できていない。
 私たちは、どのような可能性も排除せず、様々な現象を分析しながら論理的に検証しなくてはいけないのです。」

 仏教が死後の意識の存在を否定しないのは、観察と論理的思考によれば否定する根拠がないからであり、妄想や幻想によるものではありません。
 そして、何らかの形で〈在る〉と仮定した方が、論理的に心といのちを考え、それに関わりながら生きて行く道を見つけられるのです。
 日本の仏教学者や仏教教団が〈死後〉を問題にしなくなったのは、たかだか明治以後のことであり、〈死後〉を抜きにした仏教は、世界のごく少数派です。
 現代における仏教哲学の根幹は、意識の重層性を説く唯識(ユイシキ)と、空(クウ)を説く中観(チュウガン)であり、最先端の仏教は必ず二つの思想を基盤にしています。
 精緻に組み立てられた修法の御次第もまた、当然、二つをふまえており、現代の仏教行者は、それをもって修行し、活動しています。

「たとえば、医者からすれば非科学的だと言われそうな次の例も、私はとても興味深く捉えています。
 少し前にあるチベット人の僧侶が、ニュージーランドの病院で亡くなりました。
 心臓は完全に停止し、脳波の反応もなく、病院では完全に死んでいると判断されました。
 ところが体温がいつまでも下がらず、病院から搬送することができなかった。
 さらに数日後には保管していた死体の手が動き、自然と手を組んでいた。
 結局体温は二週間も下がらないままで、医師たちは非常に驚いたそうです。
 この事例は、死んでもなお意識が残る可能性があることを示しているのではないかと思います。
 たとえ臨床的には死亡の診断が出ていたとしても、それは現在の医学が線引きした便宜上の死にすぎません。
 医学的に死亡が宣告されても、意識が生滅したことにはならないのです。」

 当山は、平成18年5月17日に脳死から生還した人の実例があることを書きました。
 再々掲しておきます。

「新華社ワシントンや新聞社の報道によると、脳死と判定されてから17時間後に蘇生した人がいます。
 ウェストバージニア州に住むビルマ・トーマスさん(59歳)は5月17日に心臓発作を起こし、地域医療センターへ搬送されましたが、すでに心肺停止状態になっており、低温治療などによって心臓は動き出したものの、17時間にわたって脳波がなく、やがて心拍が消え、血圧もゼロになったので医師は死亡と判断しました。
 そして、家族の同意を得た上で生命維持装置が外され、家族は葬儀の準備のために病室を離れ、医師は、臓器提供の意思を示していたビルマさんの身体から臓器を摘出するための準備にとりかかりました。
 医師が呼吸器を外してから約10分後、看護師たちが肺へ空気を送る管を取り外そうとした瞬間、トーマスさんの目が開き、手も動き出しました。
 医師も看護師も卒倒しかけたほど驚いたそうです。
 
 やがてトーマスさんは『息子はどこ?』と尋ね、急いで病院へかけもどった息子ティムさんは、まるで朝に目覚めたばかりの人のようにベッドで寝ている母親を見て仰天しました。
 彼はこう語っています。
『僕達はずっと病院で、母が意識を回復するよう祈っていたんだ。
 でも、母の心臓は止まってしまい、身体も次第に硬直していった。
 僕達家族も、牧師さんも、先生も、みんな人工呼吸器を外すことに同意したよ』
 トーマスさんは後遺症もなく全快へ向かい、『数日前よりずいぶん気分は良くなりました』と話す様子がトーク番組で報道されました。
 担当医ケビン・エレグストン医師の話です。
『世の中には医者や看護師が説明できない現象が時として起こるが、今回もそのひとつだと思う』

 これを奇跡と呼ぶかどうかは別として、生と死には私たちの知らない領域がまだまだあるのだということを肝に銘じておきたいものです。
 もしも、臓器を取り出す作業にとりかかってから目覚めたならどうなっていたでしょうか。
 想像するだに恐ろしいことです。
 たった一件でもこうした事例がある以上、『人間が蘇生する可能性』は現在の医学で判断できるレベルよりはるかに大きいことが明白になったと言わざるを得ません。
 脳死を人間の死とする考え方や、より〈生きの良い〉臓器を取り出そうとする姿勢は仕切り直しが求められます。」

 今日の守本尊虚空蔵菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=IY7mdsDVBk8


 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

この記事を書いたプロ

大師山 法楽寺 [ホームページ]

遠藤龍地

宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL:022-346-2106

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0
<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
Q&A
セミナー・イベント
お客様の声

○Aさん(中年女性)の場合 心身の不調を縁としてご加持を受け、自分の願いが通じると実感されました。 そして祈り方を覚え、商売や家庭にさまざまな問題を抱えなが...

 
このプロの紹介記事
遠藤龍地 えんどうりゅうち

人々が集い、拠り所となる本来の“寺”をめざして(1/3)

 七つ森を望む大和町の静かな山里に「大師山 法楽寺」はあります。2009年8月に建立されたばかりという真新しい本堂には、線香と新しい畳のいい香りが漂います。穏やかな笑顔で出迎えてくれた住職の遠藤龍地さんにはある願いがありました。それは「今の...

遠藤龍地プロに相談してみよう!

河北新報社 マイベストプロ

宗教宗派を問わず人生相談、ご祈祷、ご葬儀、ご供養、埋骨が可能

所属 : 大師山 法楽寺
住所 : 宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL : 022-346-2106

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

022-346-2106

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

遠藤龍地(えんどうりゅうち)

大師山 法楽寺

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
プロのおすすめコラム
村上春樹氏の「影と生きる」に想う ─影が反逆し始めた世界─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 世間は万華鏡 ]

自衛隊員の本音 ─出征する覚悟、辞める無念─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 不戦堂建立への道 ]

12月の守本尊様は千手観音菩薩です ─救われる時─
イメージ

 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故...

[ 今月の守本尊様・真言・聖語 ]

Q&A(その32)自業自得なら廻向で救われない? ─因果応報と空の話─
イメージ

 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故...

[ 仏教・密教 ]

一年と一周忌供養 ─あの世でもこの世でも救われる話─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 葬儀・供養の安心 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ