コラム

 公開日: 2013-12-28  最終更新日: 2014-06-04

子供に新聞を読ませ、脳と心のはたらきを高めよう

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





 12月26日付の産経新聞は、「新聞読む子勉強もできる!?」と題する全国学力テストの分析結果を報じた。

 文部省によると、今年度の学力テストで、小学6年と中学3年に生活習慣などのアンケートを行い、学力と生活習慣との関係を分析したところ、新聞を読む子供は、新聞を読まない子供より成績がよいことがわかった。

 たとえば、小学6年生における算数Bの正答率は以下のとおりである。

・ほぼ毎日読んでいる…………………65パーセント
・週1~3回……………………………63パーセント
・月1~3回……………………………59パーセント
・ほとんど(または全く読まない)点55パーセント

 他の科目についても似たような結果である。
 文部省は言う。

「算数や数学も、問題を理解するには読解力が必要であり、新聞を読む習慣がある子供のほうが正答率が高い」

 さらに、「地域や社会で起きている出来事に関心がある」かどうかについては、小学生も中学生も、「ある」子供の方が「ない」子供より国語Bの正答率が15~18ポイントも高かった。

 なぜ、新聞はこのように脳の能力を高めるのか?
 効用の第一は、社会と人間の多様性を知り、善にも悪にも脳が〈揺さぶられる〉ことにあるのではないだろうか。
 新聞は食堂のメニューのように、多くの項目が一度で目に入る。
 あるいは、豪華な食卓のように、多くのものが並んで興味を惹く。
 この〈選ぶ〉前に〈見える〉ことが重要である。

 当然ながら、世の中は、自分の好きなことや関心事だけで成り立っているのではない。
 むしろ、そうした自分中心のことごとは、世間という大海にあっては、たかだか、一滴の海水でしかない。
 新聞によって、それが〈見える〉一方、スマホなどでは、まず〈選ぶ〉ので、視野が狭くなる。

 現代の子供は、子供の頃から、自分が〈選ぶ〉ことに慣れきって育つ。
 自分の好きなことが最優先されて当然という恐ろしい勘違いがもたらされているのではないか?
 また、多くの成功者が「好きなことに夢中になった」からここまで来れたと言う。
 自分の好きなことをやれば成功者になれるという恐ろしい幻想がもたらされているのではないか?

 新聞は、世間の多様性を見せる中で、そうした勘違いや幻想に気づかせてくれる。
 大人は誰でも知っている。
 自分で生きるという峻厳な現実こそが人間を磨き、自分などというものは、磨き出されつつ輪郭が明らかになって行くしかない。
 よく考えてみよう。
 もしも〈好き〉だけに囲まれているならば、人間は磨かれるだろうか?
 そもそも、好きな人だけと付き合い、好きなことだけをやっていられる人生などあり得ず、そうした希有な環境にあるならば、頽廃と高慢しかもたらされはしないだろう。

 新聞は、〈好き〉が人生を支える一方で、〈好き〉だけが人間を高めるのではなく、〈好き〉が時として悪行へと引きずり込み、ほとんどの人々は〈好き〉を我慢しつつ生きている現実を教えてくれる。
 形として、〈選ぶ〉前に〈見える〉からである。
 このことの重大さに比べれば、成績が云々などは新聞がもたらす結果の一部でしかない。

 よく、「どうしてこういう気まま勝手ばかりの世の中になったのでしょう?」というご質問を受ける。
 もちろん、浅学非才の私などに高邁な文明論などありはしない。
 ただ、お釈迦様が説かれた人間の宿命は「四苦八苦(シクハック)」であり、そこに五蘊盛苦(ゴウンジョウク)があると知ってはいる。
 
・身体もモノも、盛んになり過ぎれば苦をもたらす。
・見聞きして刺激に反応する感受作用も、盛んになり過ぎれば苦をもたらす。
・イメージする想起作用も、盛んになり過ぎれば苦をもたらす。
・こうしたいという意志作用も、盛んになり過ぎれば苦をもたらす。
・外部から刺激を受け、内部的に反応して行う判断作用も、盛んになり過ぎれば苦をもたらす。

 なぜ、〈過ぎる〉のか?
 それは、執着するからである。
 見て執着し、ワクワクして執着し、想って執着する。
 言い換えれば、好んで執着し、憎んで執着し、有あれば有るで執着し、無ければ無いで執着する。
 つまり、〈好き〉は人生に潤いを与え、豊かにもするが、同時に抜きがたい苦をも、もたらす。

 子供にこうした人間界の真実を理解せよと言っても簡単ではないが、〈好き〉が人生の牽引車になり、〈好き〉が人生を破綻させるケースもあることは理解できよう。
 田中マー君が世界の檜舞台へと向かう記事を載せる新聞は、交際のもつれから起こったイジメや殺人事件も報道する。

 保護者の方々には、子供に新聞を読ませれば、あるいは一緒に読んでやれば脳のはたらきがよくなり、成績が上がることに気づいて欲しい。
 同時に、視野が広く、偏屈になりにくく、円満な人間関係も築きつつ、好きでないことにも一生懸命になれる人間として生きて行けるであろうという大きな希望も持って欲しい。

 なお、テレビについては、少々見ればよいが、長時間縛られれば成績が落ちるという結果が出た。

「全く見ない子供より1時間未満視聴する方が成績が良く、逆に1時間を超えると時間に比例して成績が下がることも分かった。」

 当山が『テレビが子供の高次認知機能を発達させず、読書能力や注意能力を低下させる危険性について』を書いたのは一ヶ月前だった。
 東北大加齢医学研究所の川島隆太教授(脳科学)などの研究によって、テレビが子どもの読書能力や注意能力を低下させることを確認できただけでなく、脳のどの部分が〈破壊されるか〉も明確になったのである。

 今日の守本尊普賢菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=rWEjdVZChl0



 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

この記事を書いたプロ

大師山 法楽寺 [ホームページ]

遠藤龍地

宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL:022-346-2106

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0
<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
Q&A
セミナー・イベント
お客様の声

○Aさん(中年女性)の場合 心身の不調を縁としてご加持を受け、自分の願いが通じると実感されました。 そして祈り方を覚え、商売や家庭にさまざまな問題を抱えなが...

 
このプロの紹介記事
遠藤龍地 えんどうりゅうち

人々が集い、拠り所となる本来の“寺”をめざして(1/3)

 七つ森を望む大和町の静かな山里に「大師山 法楽寺」はあります。2009年8月に建立されたばかりという真新しい本堂には、線香と新しい畳のいい香りが漂います。穏やかな笑顔で出迎えてくれた住職の遠藤龍地さんにはある願いがありました。それは「今の...

遠藤龍地プロに相談してみよう!

河北新報社 マイベストプロ

宗教宗派を問わず人生相談、ご祈祷、ご葬儀、ご供養、埋骨が可能

所属 : 大師山 法楽寺
住所 : 宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL : 022-346-2106

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

022-346-2106

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

遠藤龍地(えんどうりゅうち)

大師山 法楽寺

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
プロのおすすめコラム
12月の守本尊様は千手観音菩薩です ─救われる時─
イメージ

 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故...

[ 今月の守本尊様・真言・聖語 ]

Q&A(その32)自業自得なら廻向で救われない? ─因果応報と空の話─
イメージ

 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故...

[ 仏教・密教 ]

一年と一周忌供養 ─あの世でもこの世でも救われる話─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 葬儀・供養の安心 ]

消えた因縁 ─心の檻(オリ)から脱した話─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 世間は万華鏡 ]

「みやぎシルバーネット」20周年おめでとうございます ─無私の編集長につながる方々─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 世間は万華鏡 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ