コラム

 公開日: 2014-01-14  最終更新日: 2014-06-04

「因果の法則」三つのルールについて ─道理を用い、よい結果を生み出すと見定めたものを実践する─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





〈ああ、六道に迷う私たちをお導きくださるお地蔵様〉



〈ああ、この世とあの世の子らをお救いくださるお地蔵様〉

 ダライ・ラマ法王著『傷ついた日本人へ』を読んでいます。

○「因果の法則」三つのルール

 ダライ・ラマ法王は、満たされていれば因果の法則が成り立ち、満たされていなければ成り立たない三つのルールを示されます。

第一のルール:因がないところに果は生じない。

「たとえば、何もない場所に突然花が咲くということはありません。
 種があったから花が咲いたのです。
 もしこのルールを宇宙の起源に当てはめると、絶対的存在が宇宙を創造したり、『完全な無』から宇宙が生み出された、という説は否定されることになります。
 逆にこれを認めるとしれば、宇宙誕生の瞬間だけは因果の法則を超越したということになりますが、なぜその時だけ法則が破られたのかという論理的な説明はまだ誰もできていません。」

 当山も、この論理を根拠とし、絶対者を措定して宇宙が創造されたというには無理があると考えています。
 無理は必ずどこかで、何かの力を借りて論理的破綻を繕わねばならなくなります。

 そもそも「理」とは、玉石が持つ模様であり、それを磨いて顕すことを意味しています。
 木目は、「モクメ」ですが「キメ」とも読み、肌理(キメ)に通じます。
「木目のよく通った木材」であれば、樹木が本来持っている模様の美しく浮き出た木材を指し、「肌理のこまかな肌」であれば、人間が本来持っている鉱物的でない瑞々しさのよく表れている肌を指します。
 だから、「無理」とは、〈本来、そのように無い〉状態であり、無理を通すとは、無いものを有らしめようとする行為で、余分なエネルギーが用いられ、理に従おうとする精神を押さえつけ、無くもがなの波紋を生じます。

第二のルール:不変から果は生じない

「不変のもの、永遠のものは何の変化も起こさないため、因にも果にもなりえません。
 無常であるからこそ物質は変化し、新しい何かの因となるのです。」

 無常とは、「常(ツネ)なるものが無い」ことです。
 それは、廻る季節を眺めても、人間やネコや家や山を見ても、目に見えない自分の心や他人様の心を考えても、すぐにわかります。
 結果として在るものはすべて、不変がもたらしたのではなく、変化によってもたらされたのです。

第三のルール:因には果を生み出す素質がある

「全く無関係の原因から結果は生じません。
 因のなかに潜在的な可能性がなければ、因果は成立しないのです。
 それは、果と同質の性質を持っていたり、強い関係性があったりということです。
 たとえば花の因は種でしたが、いくら別のものを土の中に植えても花は咲いてこないということです。
 花という果を生み出す可能性、素質がな限り、それは因になりえないのです。」

 仏教はこのように、2500年かけて理を探求し、理に基づいた救済法を考え、実証し、深めてきました。
 その方法が「修行法」あるいは「お次第」としてまとめられています。

 同じくシュギョウと言っても、修業と修行は違います。
 修業は、学問や技芸や生業(ナリワイ)の方法を得るための修習や習得を指しますが、修行は、世間的な生活に関する欲望を離れた精神的救済へ至るために定められた方法の実践を指します。
 仏教の行者はすべからく、悟りという「果を生み出す素質がある」と理解し、納得し、期待し、信じればこそ、「因」とされる「修行法」や「お次第」を闇夜の灯台として励むのです。
 だから、お釈迦様やお大師様の超人的な思考と実践に学び、歴史の荒波の中で練られ鍛えられ深化されてきた方法を実践する者は、自分の思いつきや、気まま勝手や、切り貼りなどによる修行はあり得ないことを体感しています。
 そして「仏教は所詮、皆、同じ」などとも言いません。
 それは、「心さえあれば形なんかどうでもいいんだ」と言う人が、往々にしてあまり〈心〉ができていないことに似ています。
 本当にそれなりの〈心〉があるならば、自然と、たたずまいにも、気配にも、そして僅かな動きにも顕れます。
 どうでもよくはないし、どうでもよくはできないのが人間の自然な姿です。
 どこかの扉を開け、覚悟を決めて道を歩んでいる者が、いかなる理由で「他の扉を開けたとしても同じ」と考えられましょうか。

 ただし、定められた体のありようとしての印を結び、定められた言葉のありようとしての真言や経典を唱え、定められた心のありようとしての観想を実践していると、ある時、ふと、自分なりの言葉が出たり、応用法に気づいたりする場合があります。
 また、人生相談や講演などで、口から出た仏法による言葉が相手様の心へ深く届き、魂の揺れを生じたと実感する場合もあります。
 そうした自分なりの応用は、本義に背かず、伝授をゆるがせにしない範囲を慎重に見定めながら行っています。
 たとえば、当山で多用するようにしている読み下し文を用いた経典の読誦などもそうです。
 自分で漢文ではなく読み下し文を繰り返して読み、自分の魂へより届くことを確信してから皆さんへも読み下し文をお勧めしています。
 また、修行徳目のイメージづくりなどもそうです。
 せっかくお線香は精進の徳を示しているのに、漫然と煙をくゆらすだけではもったいない話です。
 きちんと「たゆまず、怠らず、最後までやりぬかん」と誓ってこそ、お線香を灯す意義が生きたものとなります。

 このように、歴然たる事実をふまえ、仮説を立て、方法を熟慮し、実践の過程と結果によって検証し、また向上をはかるという修行法の進歩は、まさに〈科学的〉手法を用いて行われています。
 それは、たとえじっと座るタイプであっても、何かを夢中になって唱えるタイプであっても、あるいは加持祈祷などの修法であっても同じ道筋です。
 いずれにせよ、ご縁の皆さんには、「果を生み出す素質がある」と感じ、すんなり受け入れられるものを実践していただきたいと願っています。

 今日の守本尊不動明王様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=EOk4OlhTq_M



 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

この記事を書いたプロ

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