コラム

 公開日: 2014-01-17  最終更新日: 2014-06-04

この世を生き抜く、あの世で死にきる ─死にきって死後の野にふと雪一片─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。




〈撒かれる散華〉


〈厳寒の中でも、あの世の安心を求める方々のため、変わらぬ精進は続けられています〉

 当山の法務は、善男善女の生と死に関わるものばかりです。

 善男善女と書いたから、悪い心を持っている人は関係ないのかと言えば、そんなことはありません。
 訪れる方々はすべて、例外なくみ仏の子だからです。
 よく、「いいお戒名をいただきました」と感謝されますが、それは決して当山の力によるものではなく、お戒名をお授けくださるご本尊様の御眼からご覧になられれば、誰しもが仏性(ブッショウ)を持った可愛い子だからに他なりません。
 お戒名には、院号(インゴウ)として魂の色合いが顕れ、道号(ドウゴウ)としてこの世での足どりが顕れ、法名(ホウミョウ)としてあの世の姿が顕れますが、すべては、み仏の子としての真姿を映す鏡なのです。
 だから、授かったいいお戒名は、その方がいい方だったことの証拠です。
 このように、どなたもが、まぎれもなく〈善男善女〉です。

 さて、人間関係の改善や健康の回復など、生きる方向において、ご本尊様は〈生き抜く〉力をくださいます。
 また、死後について、ご本尊様は〈死にきる〉力をくださいます。

 死が人間にとって宿命である以上、死から〈逃げ切れる〉と思っている方は一人もおられないでしょう。
 しかし、私たちは往々にして〈死にきれない〉思いを持ち、死者が〈死にきれない〉でいるのではないかと考えるので、不安や苦しみなどが生じます。
 死者が持つこの世への叶わぬ執着心を断ち切り、送る方々の逝ってしまって欲しくないという無常の理に逆らう執着心をも断ち切るためにこそ、み仏に成りきった行者が引導を渡します。
 ご本尊様は逝く方へ〈死にきる〉力をくださり、送る方々はご葬儀の場などでそれを感得されればこそ、その後の時の経過により少しづつでも無常が受け入れられ、心に安心が広がって行きます。

 死にきった世界を詠んだ一句があります。

「死にきって死後の野にふと雪一片(ヒトヒラ)」 志摩 聰

 この世からあの世へ持ってゆけるものは何一つありません。
 財産も名誉も肩書も捨てねばならない一方、窮乏からも離れ、愛憎すら消えます。
 決して消えないものは、次の世に結果をもたらさずにはおかない善なる業(ゴウ)と悪なる業(ゴウ)という潜在的な影響力のみです。
 このように、何も身にまとえないはずなのにまとっていたつもりでいた諸々がすべてきれいに消えてしまったのが、「死にきって」たち現れる「死後の野」です。
 その空空寂寂(クウクウジャクジャク)とした世界に音もなく舞い降りる一片の雪。
 足元へ降りきる時も待たず、幻のように消えてしまうたった一片の雪。
 許されるか、許されるかわからない希望に似た欠片(カケラ)。
 それを手にできようができまいが、歩いてゆかねばならない〈野〉……。

 この〈野〉は虚無の世界ではありません。
 霊性は徳を具えているからこそ霊性であり、格段に濃い徳とのご縁が十三仏様のお導きです。
 この世で親に、先生に、先輩に導かれるのと同様、あの世でも必ず導きがあるはずです。
 夢のような「雪一片(ヒトヒラ)」は、み仏のご来臨を示す散華(サンゲ)ではないでしょうか。

 今日の守本尊千手観音様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=IvMea3W6ZP0



 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

この記事を書いたプロ

大師山 法楽寺 [ホームページ]

遠藤龍地

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