コラム

 公開日: 2014-01-20  最終更新日: 2014-06-04

消せないカルマをどうするか ─輪廻と意志─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





〈いかなる過去世からいのちの大海へと還り、いかなるカルマにより「クロ」として当山へ転生してきたのか?〉

 ダライ・ラマ法王著『傷ついた日本人へ』を読んでいます。

○死んでも消えないカルマをどうすればいいのか

「因果の法則やカルマの影響は、死後も変わることがありません。
 輪廻(リンネ)はこれを反映した考え方なのです。」
「人の死後、意識が新しい命に移る際にも、何に生まれ変わるかは偶然では決まりません。
 因果の法則に従い、意識に残るカルマによって必然的に決まるのです。
 さらにそのカルマは本人が死んでも消えることはなく、新しい生命にも引き続き受け継がれていくと考えられています。」

 因果応報は疑いようのないシステムなので、カルマという〈結果を出す影響力〉には始まりも終わりもなく、前世から現世へとつながってこそ、〈結果〉としての現世があり、それが因となり、必ずその因にふさわしい〈結果〉としての来世をもたらします。

「煩悩(ボンノウ)が強く、悪い行いを続けた人であれば、その悪いカルマがより賤しく苦しい来世を呼び寄せます。
 逆に煩悩をなくそうと努め、正しい資質を身につけた人は、よりよい生を受けることとなる。」

 煩悩は自己中心的にはたらく意志であり、結果的に、他の生きものへ害を与えずにはいられません。
 因果応報の理によって、他へ与えた苦しみに応じた〈苦しい来世〉が来ることは避けられません。
 反対に、他のためになる生き方をすれば、他へ与えや喜びに応じた〈幸せな来世〉が訪れるることもまた、疑いようがありません。

「また、心の鍛錬が進んでいる人ほど、来世へ意志が伝わりやすいと考えられています。
 自分の前世の記憶をはっきりと持っている人がまれにいますが、それは強い意識の連続であり、自らの選択によって生まれ変わったことの現れだと考えられています。」

 仏法には輪廻を決める条件が明確に示されています。
 第一には、最も強いカルマが最も強い影響力を持ちます。
 だから、仏道へ入った者は、未来永劫この道を歩むという不退転の決意を第一に保たねばなりません。
 仏道すなわち菩薩道(ボサツドウ)を歩むとはそういうことです。
 地蔵菩薩も観音菩薩も、およそ菩薩はすべて救済力を身につけた以上、救われていない者がある限り、何度でもこの世へ現れねばなりません。
 第二には、最も現在に近いカルマが大きな影響力となります。
 もし、悪いことを行っても、懺悔(サンゲ)し、よき生き方をすれば自他共に明るい方向へと向きを変えられるのは、前の行為を後から上書きはできなくても、後の行為をかぶせることによって前の行為の影響力を抑えられるからです。
 そうでなければ、懺悔にも、〈ここからのやり直し〉にも意味がなくなります。
 第三には、より馴染んだカルマが大きな影響力となります。
 いつも言い訳をする人は、いつしか〈自分可愛さ〉の影響力を高め、隠れて悪事をはたらく人は、いつしか見つからなければなかったことにできるという〈自分勝手な勘違い〉の影響力を高めてしまいます。
 ギャンブル依存症と戦っている精神科医帚木蓬生氏は「依存症は悪性腫瘍より恐ろしい」「依存症に自然治癒はない」と断言しておられます。
 日本中に2000万人もいるとされる依存症の方々は、抜きがたい悪しきカルマをつくっているのです。
 自分の生活ぶりの中に、悪しき習慣がないかどうか、時折、省みたいものです。
 そして、第四には、死を迎える際の心持が挙げられます。
 いかなる覚悟で臨終に備えるか。
 もし、何としても悪業(アクゴウ)の清めを来世も続けたい、何としてもやり残した福祉活動を続けたい、何としても菩薩道の探求を続けたいといった強い意志を持てば、それにふさわしい来世がやってくることでしょう。 

「それでもやはり生き物は、自分で来世を選んだり、輪廻をコントロールしたりすることはできません。
 あらゆる生物が廻りめぐる輪廻の中、どれほど脆く弱い生物に生まれたとしてもそれを無条件に受け入れるしかないのです。」

 いかなる意志も、そのまま〈通す〉ことはできません。
 来るべき未来に〈通っている〉かどうか、結果として明らかになるのみです。
 私たちにできるのは、知った因果応報や輪廻転生の理を信じて励むことのみです。

「とはいえ、私たちは日々生きていく中で、多かれ少なかれ悪い行いをしてしまうものです。
 そうやってたまった悪いカルマは、一体どうすればいいのでしょうか。」

「その答えは、少しでもよい行いをしてよいカルマの力を増やすようにするしかありません。」

「悪いカルマをそっくり取り除いたり、何かで消したりすることはできません。
 それでもよいカルマが不選れば、それによってよいできごとが引き起こされ、悪い出来事が起こる条件を遠ざけるようになります。
 その内に悪いカルマは少しづつ軽減し、やがて相殺できるようになるでしょう。」

「過去に悪い行いをしてしまったら、新たによい行いをすること。
 そうすれば、悪いカルマを、新しいよいカルマで減じることができ、よい縁起を増やすことにもなります。
 これをいつも心がけてください。」

「たとえどんなに悪い行為をしてしまっても、そしてどんなに悪い出来事が身に降りかかっても絶望してはいけません。
 新たによい行いをすれば、少しづつよい方向へと向かうはずです。
 そして必ず将来を変えることができるでしょう。」

 私たちの意識もいのちも、無数の点によって繋がれた一本の糸としてのみ存在し得ます。
 よいカルマの結果として授かった嬉しい時間と、悪しきカルマの結果として授かった苦しい時間が同時に存在することはありません。
 泣き笑いの顔をしていても、泣きたい感情の瞬間にはそれがあり、笑いたい感情の瞬間にはそれしかありません。
 瞬間は必ず●か○であり、同時に●であり○であることはできないのです。
 だから、○が増えるよう「よい行いをすれば、少しづつよい方向へと向かう」のは確かです。

 今日の守本尊文殊菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=WCO8x2q3oeM


 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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