コラム

 公開日: 2014-01-26  最終更新日: 2014-06-04

暴力をふるう相手のもとへ足が向く時は ─殺されてもよいか、相手が地獄へ行ってもよいか─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。



〈因縁を解くお焚きあげのお不動様〉

 Aさんと話をしているところへBさんが来た。
 Bさんは、かねて恋人の暴力に苦しみ、今日もAさんへ相談に来たという。
 Aさんは、私へ質問を始めたBさんを制した。
「住職さんは、責任ある返事をしなきゃないから、雑談で相談には乗らないよ。
 皆と同じように、別な日にきちんと人生相談の予約をして、法楽寺へでかけなさい」
 しかし、もう泣き顔になりかけているBさんを放置できず、一般論として二つのポイントをお話し申しあげた。
 ドメスティックバイオレンスは、被害者だけでなく、加害者の人間性も破壊しつくす悪行であり、いかなる因も、いかなる縁も即、消さねばならない。

1 どうしても別れたくないのなら、殺されてもいいという覚悟ができるか。

「だって、私が強く出ると、おとなしくなってくれるし……。
 それに、私を殺せるはずはないから」

 その世界にまだ、いたいのならば、もう、相談は不要である。
 ここでいう「殺される」とは、何も、いますぐ首を締められるかどうかという問題ではない。
 暴力を受けた身体が痛み、心も傷めば、そうでなくても不断に続く死への道行きに拍車をかけるのは間違いない。
 また、傷んだ心の具合は、意識できる範囲だけではわからない。
 潜在意識がどうなるか、そして来世へ持ち越される深層意識がどうなるか、覘いてみることができないだけに余計、恐ろしいではないか。
 暴力を受けた人が、暴力をふるう人に転ずるケースも珍しくない。
 それでもいいのか?
 女性を自分に都合良く操ろうとする悪心によって、ニセの優しさをときおり発揮し、目くらましをするケースも又、珍しくない。
 自分のいのちも、心も、人生も利用され、翻弄されたままでいいのか?

2 生きとし生けるものへの暴力は悪行であり、それを繰り返させることもまた、相手の悪行に手を貸す間接的悪行である。

「警察には話したんだけど、いろいろ用事があるし……」

 でかけて行くのは、相手が暴力をふるう対象を用意してやることであり、暴力的性向が現実化するための強い〈縁〉を相手へもたらすことになる。
 殴る相手がいなければ殴れない。
 だから相手に悪行をもたらすのは貴女だ。
 仏法は、自分が悪行を行わないのと同じく、悪行を行わせないようにと戒めている。
 なぜなら、自分が悪行を避けて救われることと、誰かが悪行を避けて救われることに、違いはないからである。

 生きとし生けるものはすべて、生命という大海の一飛沫としてこの世に肉体を持ち、生きて、死ぬ。
 同時に、肉体は、心というみ仏の世界の道具としてもはたらき、肉体の原理と心の原理、双方があいまって一人の人間となる。
 この世で一生を過ごす人間は、やがて肉体が亡び、分子などに分解されてモノの世界へ還るように、肉体を縁としてふんわりと存在していた魂もまた、心の世界へ還って行く。
 だから、自分も他人も、同郷人であり、前世で、また、来世で、どうなのかと考えれば、自分が悪行を避けねばならないのと同じく、他人にも悪行を避けさせねばならない。
 自分の悪行も他人の悪行も、等しく、モノの世界を穢し、心の世界を穢し、それは輪廻転生するすべての生きものへ悪影響をもたらす。
 誰が行おうと、一つしかないお風呂へ汚物を入れるようなものである。
 一つしかない畑に毒を撒くようなものである。
 
 Bさんの目を真正面から見ながら申しあげた。
「殺されてもよいのなら、おでかけなさい。
 悪行の因果で相手が必ず苦しんでもよいのなら、自分も同じく苦しんでもよいなら、おでかけなさい。
 それでも相手と離れたくないなら、二人共、必ず地獄へ行くことだけは覚悟せねばなりませんよ。
 相手は悪しき因縁とカルマに浸り、貴女を待っているだけ。
 二人の未来を因縁解脱へと転換させられるのは貴女しかいませんよ」

 今日の守本尊不動明王様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=EOk4OlhTq_M



 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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