コラム

 公開日: 2014-02-09  最終更新日: 2014-06-04

あるがままに宿命を受け容れる道 ─「ダライ・ラマ『死の謎』を説く」を読む(3)─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





〈寺子屋は予定変更となり、映画『火垂るの墓』を観ました〉

 平成6年、ジャーナリスト大谷幸三氏は、インドのダラムサラにおいて、ダライ・ラマ法王への質問を数日間かけて行い、回答をまとめた。
 それがテキスト「ダライ・ラマ『死の謎』を説く」である。

2 死への恐れ(その2)

○「現世(ゲンセ)」しか認めぬものは、死を思うな

「特別な修行も積まず、深く仏の教えに帰依しているわけでもない、ごくごくふつうの人間にとって、死の恐怖を軽減する方法はあるのか。」

「これはよく問われることである。
 もし、その個人が、再生転生の思想を信じず、ただ一度きりの人生、いわゆるこの〈現世〉しか認めないなら、死と取り結ぶ効果的な方法は存在しないと言わねばならない。」

「もし、あなたそのような人間であるなら、しかも、死を恐れているならば、こう答える以外にはないだろう。
『死を思うな。
 考えるな。
 そして、現実に死が迫ったなら、酒でも飲み、残された時間を楽しめ。
 やがて人生と共に恐怖も終わる。』」

 よく問われる問いがある。
「もしも、明日、この世が滅びるなら、あなたはどうやって過ごしますか?」
 ネットで見つけた「マイナビニュース」のアンケートである。

Q.隕石が墜落。地球最後の日には何をして過ごしますか?(男性編)
1位 家族と過ごす 33.9%
2位 いつも通りの生活をする 23.9%
3位 ごちそうを食べる 16.1%
4位 恋人と過ごす 14.7%
5位 生き残る方法を最後まで考える 13.9%

Q.隕石が墜落。地球最後の日には何をして過ごしますか?(女性編)
1位 家族と過ごす 48.8%
2位 ごちそうを食べる 29.5%
3位 いつも通りの生活をする 19.2%
4位 恋人と過ごす 18.2%
5位 寝る 6.2%

 ダライ・ラマ法王が言われたとおり、死を考えず、残された時間を楽しむようである。
 特徴的なのは、男性には最後まで諦めない面々がおり、女性は早々に逃避してしまうらしいという点である。
 また、「いつも通りの生活をする」には、仕事も含まれているはずであり、日本人らしいと思える。
 それに「ごちそう」については、生きものにおける食の重要性と共に、どこか祝祭的な面も感じられ、納得できる。
 自暴自棄になるのではないかという不安がアンケートには顕れていないが、果たしてどうか。
 殺人や略奪やレイプや自死はどうか。
 その時にならねばわからないとは言え、戦争で絨毯爆撃を受けた時も、大地震や大津波に見舞われた時も、日本人はおおむね社会の秩序を保ちつつ、助け合いながら難事をくぐり抜けた。
 すくなくとも日本人は大丈夫だろう。
 いずれにしても、〈来世〉を考えない人々は、いつもとあまり変わらない日常を続け、いささかの覚悟だけをもって死を迎えるのだろうと思える。

○人生の早い時期から、「死」と親しむ

「この生ける肉体が存在するかぎり、人間として生を享(ウ)けた以上、死は不可避的に訪れるであろう。
 しからば、その死を、それもまた人生の一部として享受する他ない。
 また、死が人生の不可分な一部である以上、そして、それから逃れられない以上、無闇に死を恐れるよりは親しく付き合ったほうがいいに決まっている。
 人生の早い時期から死と親しむことができれば、いざ死ぬというときに至っても、恐怖ははるかに小さなものとなるはずだ。」

 生きもの全てが死を免れない。
 ならば、死をも生活から切り離せないものとして受けとめてしまうのが智慧である。
 恐れて逃げようとしても無駄あがきであり、ないことにしてしまえば、その時の自分がどうなるかわからないだけでなく、真実に背を向けた欺瞞がよい人生をもたらすとは思えない。

「死と親しむためには、老後を思うことが役立つだろう。
 自分自身の老後を。
 年老いることには何も特別な意味はない。
 誰もが年老いる。
 老後といえども、それも立派に人生の重要な一部である。」

「人間は年老い、やがて死を迎える。
 そのときになれば、従容(ショウヨウ)として老いたように、従容として死ねばいい。
 来世があるか否か、再生するか否か、思い迷う必要なはない。
 あるがままの死を迎え、認め、受容すればいい。
 それが死というものだ。」

 ここでは、宿命をそのまま受け容れてしまう智慧が説かれている。
 老いも、病気も、死も、命に宿るものとしての宿命である。
 それをじっと受容すれば、ままならない苦しみからは逃れられる。
 ジタバタしない、〈まな板の鯉〉である。
 この場合のキーワードは「あるがまま」である。

 今日の守本尊阿弥陀如来様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=4OCvhacDR7Y



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 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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