コラム

 公開日: 2014-02-10  最終更新日: 2014-06-04

自分を変え、人の世を変える ─因果応報と吉田松陰─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。




〈家ネコの幸せ〉

 人生相談に来られる方々へ、よくお伝えしている教えがあります。
 それは因果応報です。

「因あるがゆえに、その果がこれに従う。
 因が生じるがゆえに、その果がが生じる。
 無知(無明)があるがゆえに、行為がある」

1 今、問題となっている苦には必ず原因があります。

 もう少し詳しく言えば、原因に条件が重なってしまったために、苦という現実が生じました。
 だから、問題を解決したいならば、まず、結果という現実から、原因となっているものをきちんと見分け、それを取り除かねばなりません。
 たとえば、上司があまりに厳しく当たるので、とても耐え難く、職場にいられないというのならば、職場のあり方、上司の人柄や役割、自分の性格や行動などを客観的に見直してみることです。

2 原因と考えられるいろいろなものもまた、必ず何かの結果であり、眼前の問題を引き起こしている原因がいかなる原因によって生じたのかも考えねばなりません。

 閉鎖的に感じられる職場だとしたなら、どういう経緯でそうなったのか?
 高圧的と感じられる上司なら、なぜ、そうした態度をとるのか?
 打たれ弱い自分なら、なぜ、そうなったのか?

3 いったい、誰がどのように望んだがために、こうした因果関係が生じたのかも考えねばなりません。

 すると、必ずしもそうありたいと望んでいなかったはずなのに、あるいは別なあり方を望んでいたのに、こうなっているという事実に気づきます。
 私たちは誰も、心の底から、自然に、他人を傷つけたいと望みはしません。
 心の底から、自然に、傷つきたいと望みもしません。
 楽しいことや嬉しいことに喜びたいのです。
 他人の楽しいことや嬉しいことにも喜びたいのです。
 自分にも他人にも、辛いことや悲しいことが起こって欲しくはありません。
 しかし、なぜか望みどおりにならないのは、この世の真実を観て、喜びの方向へと向かう手段を考える智慧が無かったり不足していたりするからです。
 それを仏教では無明(ムミョウ…智慧の明かりがない状態)と言います。

 観られていなかったこの世の真実とは、因果応報の原理であり、すべては原因と条件によってかりそめに成り立っているという空(クウ)のありようです。
 真実に基づいて職場が営まれているか?
 真実に基づいて上司が役割をまっとうしているか?
 真実に基づいて自分は職場を選び、役割をまっとうしているか?
 よく眺めてみると、自分を苦しめていると感じていた上司に無明が認められるだけでなく、自分にも、ありとあらゆるものにも無明を認めざるを得ないことでしょう。

 お釈迦様は説かれました。

「誰もそう望まないのに、〈自分が生きたい〉という根本的な欲求によって真実が見えない状態に陥っており、お互いが智慧の明かりを灯していないがゆえに、この世は苦の海となっている」

 ではどうすればよいか?
 まず、確実にできるのは、因果応報の流れをもっとよく観て、愛するものも憎らしいものも皆、空(クウ)であると心の底から思えるほど〈空を観る心の目〉を養うことです。

 吉田松陰の言葉です。

「自分はいつまで若さを保てるか。
 人よりどれくらい長生きできるか。
 そんなのは、自分の思いのままになることではありません。

 ただそれでも、
 自分という人間をいつまでも磨き続ける、
 というのは、あなたの宿題なんです。」(池田貴将著『覚悟の磨き方』より)

 仏教的な宿題は上記の二つです。
 因果応報と空の真理をつかみ、真理に導かれた真実の生き方ができるようになれるかどうか。
 ここから始めねば、いかなる苦も、根本から解決することはできません。

 最後にもう一つ、『覚悟の磨き方』からの抜粋を記しておきます。

「幸運とか不運というものは、
 天から無差別に降ってくるものではなく、
 すべて自分の方から求めているものなんです。

 そのことを思い出すことができれば、
 他人のせいにしたり、
 組織のあり方に腹を立てたりすることなく
『自分の行動を変えよう』
 という発想に行き着くことができるはずです。」

 たとえば、非人間的なブラック企業を栄えさせているのは私たち自身であることもよく考え、語り、行動したいものです。

 今日の守本尊千手観音様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=IvMea3W6ZP0



 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

この記事を書いたプロ

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