コラム

 公開日: 2014-03-04  最終更新日: 2014-03-21

なぜ、「自分の心をありのままに知る」ことが悟りなのか? ─書道・写経教室にて─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。


 高橋香温先生の書道教室では、『大日経』における「三句の法門」の他に、「如実知自心(ニョジツチジシン)」の文字も稽古を始めました。
 読み下し文にすると「如実に自心を知る」となります。
 この言葉も『大日経』にある決定的な経文の一部です。
「云何(イカン)が菩提(ボダイ)とならば、いわく、実の如く自心を知るなり」
 菩提(ボダイ)すなわち、悟りが何であるかと問うならば、自分の心をありのままに知ることであると説かれています。

 なぜ、そうなるか?
 難しい教理はさておき、仏神の前で恥ずかしくない心、それの命ずるところに自分自身のすべてをかけられる心、といったものをつかめば、迷いはなくなるということではないでしょうか。
 それを良心と言い、仏心と言い、神の声と言い、霊性と言ってもよいでしょう。

 勇猛な武将として名高い後藤又兵衛基次(モトツグ)は、豊臣方で大阪夏の陣を迎えました。
 もはや天下の大勢は決し、豊臣の滅亡は避けられません。
 又兵衛を惜しんだ徳川家康は、播磨の国を任せるという条件をつけて、寝返るよう誘ったとされています。
 還暦を前にし、絶対的に信じて付き随う大勢の部下たちを抱えていながら、又兵衛は断ります。
「武士の義を捨てるわけにはゆかぬ」

 勝海舟は、日本国を守るため、薩長との戦に終止符を打ち徹底恭順でゆくという徳川慶喜の決断を受けました。
 その決断を賢明であると判断した勝海舟は粘り強く交渉を重ね、ついに江戸城の無血開城にこぎつけました。
 さまざまな議論や闘争があっても、開城が武士道にかなうと確信している勝海舟はまったく動じませんでした。
「武士道には形もあれば心もある。
 形は心の発動だ。
 その精神さえ一定不変であれば、形は臨機応変なものだ。」

 後藤又兵衛も、勝海舟もきっと、一点の曇りもない心に従って行動したのでしょう。
 功利とも名利とも無縁なのはもちろん、生きるか死ぬかということも第一としてはいません。
 生きようと死のうと、曇りのない心はその輝きを失いません。
 現に今、こうやって、文章を書く私の心にも強く響いてきています。

 真剣に、真剣に、自分の全てをかけ切って悔いのないものを見つけようとする過程において、心の曇りは徐々に消え、満月のような清らかで不動の光が差し始めるのです。
「昼飯はあの店のラーメンにしよう」、「今夜は彼女とデーとしよう」といった表面で千変万化する心だけで漫然と生きることなく、「自分の心をありのままに知る」まで精進を続けたいものです。

 今日の守本尊阿弥陀如来様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=4OCvhacDR7Y



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 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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