コラム

 公開日: 2014-03-07  最終更新日: 2014-06-04

心のケアとは何だろう?

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。










〈沖縄の洞窟で、御英霊へ温かいご飯をお供えしました〉

 最近はカウンセラーが流行している。
 何かあると、すぐ、〈心のケア〉が求められる時代になった。

 最相葉月氏は、5年の歳月をかけ、自分自身を材料としてプロによるケアの現場を描き、『セラピスト』を完成させた。
 その中で、故河合隼雄に学び箱庭療法を行っているカウンセラー木村晴子氏は、クライエントの状態によっては、箱庭を作らせない方がいい場合があると言う。

「ふだんなら自分の中に収まっているものが何かをきっかけにわっと出てしまうわけでしょう。
 それが自分でコントロールできないものになると崩れてしまう。
 カウンセラーが守ってあげられるならいいけど、そうでなかったら出させてはいけない。
 その見極めがとてもむずかしいんです。」

 見極めるためには、「自分が取り扱えるものかどうか」はかる必要があり、そのためには「治療者自身が自己理解を深める」しかない。
 最相葉月氏はだめ押しする。

「患者の立場を経験することで内面を見つめ、自分の問題点や思考の傾向を知り、自分自身が抱えているものによって患者を傷つけたりしないよう訓練する。」

 プロは、自分が勝負するための〈売り物〉である道具を使わない方が患者のためによいという判断をせねばならない場合がある。
 プロは、自分自身の人間的問題点が患者へ悪影響を与えることが許されない。

 同著の「あとがき」である。

「カウンセラーや精神科医には、沈黙と向き合うことが必要な場面がある。
 沈黙に耐えることができなければ失格といわれる職業である。」
「言葉によって因果関係をつなぎ、物語をつくることで人は安住する。
 しかし、振り回され、身動きさせなくなるのもまた言葉であり、物語である──。」

 プロは、対話や箱庭などの道具だけでなく、沈黙を扱うことにもまた習熟していなければならない。

 僧侶として最も難しい場面の一つが、斎場において、身内を火葬炉へ送ったばかりの喪主様から、控え室に向かう前のご挨拶を受ける瞬間である。
 言葉が出る時も、出ない時もある。
 涙が滲む時もあり、歯をくいしばる時もある。
 ご遺族を見送ってから一人で火葬炉へ合掌し、駐車場へ向かう途中の時間は湿り、あるいは凍りつく。
 仏教における導師としての役割は、自分より後に仏門へ導かれた弟弟子の肉体を火葬において自然へ還し、葬儀において魂をあの世へ送ることである。
 ──兄弟子である自分より先に……。
 未熟者としては決して〈慣れる〉ことができない厳しい試練のひとときである。

 そもそも、心とは、第三者が〈ケア〉できるものなのだろうか……。
 そう言えば、『セラピスト』で詩人メイ・サートンの日記が紹介されていた。

「やさしさはあたえられれば、わたしたちにとっておそらく喜びだけれど、それはまた苦痛の本源を厳しく省察してはじめて、手に入れられる」

 今日の守本尊虚空蔵菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=IY7mdsDVBk8



 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

この記事を書いたプロ

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