コラム

 公開日: 2014-03-08  最終更新日: 2014-06-04

一つの魂が無数に分裂する? ─「ダライ・ラマ『死の謎』を説く」を読む(9)─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。




〈早くも、当山の『七ツ森の湯』を楽しむ兎野仙哉(ウサギノセンヤ)君〉

 平成6年、ジャーナリスト大谷幸三氏は、インドのダラムサラにおいて、ダライ・ラマ法王への質問を数日間かけて行い、回答をまとめた。
 それがテキスト「ダライ・ラマ『死の謎』を説く」である。

第二章 輪廻転生(リンネテンショウ)の法則

1 生命の輪(その3)

○一つの輪廻から十の輪廻を実現する形態がある

「飛び抜けて深く、強い精神的な経験、実践を重ねてきた魂、そのような存在にとっては、一つの生命がついえたからといって、また新たな肉体が必要というわけではない。
 むしろ、そんなものは不要である。」

「そうした存在は、一つの輪廻から十の輪廻を実現するだろうし、ときに数百の輪廻、数千の輪廻をも、それも同時進行的に行うものなのだ。
 深く深く精神の最深部にまで到達した存在にとっては、こうした輪廻転生の形態もありうる。
 もちろん、これは言葉で表現できないほどに困難な道ではあるのだが。」

「複数の輪廻が同時に可能になるという思想の形を信じるのは容易なことではない。
 こうした考えを受け容れることは誰にとってもむずかしい。
 学び、経験し、相当の水準に達した者にとってさえ、これを思い描くことは困難であり、大きな苦労を伴うものだろう。
 そう言う私自身も、ときにむずかしいと感じることがある。
 輪廻思想は奥深いものだ。」

 輪廻転生を、AやBやCという〈特定の魂〉が、それぞれ、さまざまな世界のさまざまな〈特定の生きもの〉に生まれ変わり死に変わりすると考えるならば、生きものの数は3つであり、永遠に増減しないことになる。
 こういう考え方は、魂を実体化し、目に見える個物のモノたちに囲まれた現象世界と同様のイメージを持つことに発している。
 しかし、魂は一冊の本といった固定されたものではない。
 本が燃えて灰になり、現象世界から姿を消しても無にはならず、分子レベルでは、いつか、どこかで、何かを形成する因子たちとして存在するように、魂もまた、肉体という現象世界の拠り所を失っても、いつか、どこかで、何かを形成する因子たちとして残るのだろう。

 今、ここで、自分の肉体を縁として、その辺りに漠然と存在している〈自分〉が、肉体を失った後、煙のように溶解するという考え方は納得できる。
 ただし、その煙を構成する無数の〈何ものか〉たちは皆、因縁の色を帯びている。
 それらは、永遠の時間の流れの中で、あるいは寄り合って魂のようなものとなるかも知れないし、電気のプラスとマイナスのように反発し合うかも知れないし、そうした動きの縁もなく、ただどこかに、単なるそれぞれとして在り続けるかも知れない。

 ならば、ダライ・ラマ法王が説かれたことも理解できる。
 ソクラテスの肉体を構成していた分子が、自分の肉体を構成する一部になっているかも知れないように、吉田松陰の魂を構成していた何ものかが、自分の魂を構成する一部になっていても不思議はないと考えれば奮い立つ。
 この世のどこかに、共通の因子を持った人々がいれば、それは同志であり、「強い精神的な経験、実践を重ねてきた魂」としての吉田松陰に発する「複数の輪廻が同時に可能に」なっていると言える。
 もちろん、自分の魂は、釜ゆでにされた大泥棒石川五右衛門や毒婦高橋お伝と共通の何ものかも、当然、抱えている可能性があり、注意は怠れない。

 私たちは、モノの世界で確認できる原因と結果のようには、目に見えない世界における原因と結果のつながりを確認できない。
 しかし、悟性も霊性も、目に見えない世界における因果応報(インッガオウホウ)の原理を容認しないではいられないし、仏法の実践は、かつてお釈迦様やお大師様が説かれ、現代ではダライ・ラマ法王が肉声で説かれている輪廻転生を確信させる。
 ただし、因果応報の真理を忘れずに行動し、輪廻転生の真実に自分の人生をかけながら生きることは容易ではない。
 実に、「輪廻思想は奥深い」と言える。

 今日の守本尊虚空蔵菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=IY7mdsDVBk8



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 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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