コラム

 公開日: 2014-03-11  最終更新日: 2014-06-04

よき生活習慣が決め手 ─「ダライ・ラマ『死の謎』を説く」を読む(11)─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。






〈『兎野仙哉』君新バージョン3〉

 平成6年、ジャーナリスト大谷幸三氏は、インドのダラムサラにおいて、ダライ・ラマ法王への質問を数日間かけて行い、回答をまとめた。
 それがテキスト「ダライ・ラマ『死の謎』を説く」である。

第二章 輪廻転生(リンネテンショウ)の法則

2 転生の条件

○馴れ親しんだ行為がカルマの基盤となる

「ただし、二つの思い意味を持つカルマが同じ日に、同じ時に、同じ瞬間に、まったく同時に生じることもありうる。
 またたとえの話だが、戦争を想起してみよう。
 戦争の中で、人間は敵を殺す。
 この敵を殺す行為そのものが、彼の友を、味方の兵士を救うことそのものである。
 この場合、一つの行為が二つの異なるカルマを同時に発生させる。
 行為は一つだが、結果は二つである。
 人を殺すことと、人を救うこと。
 さて、いかに考えるべきか。
 答は、その人が普段からどのように振る舞っていたか、どちらの行為が、より彼にとっては馴れ親しんだ行為であったかによって決定されなければならない。」
 
「もし、彼が人生のその場面においてのみ人を救ったのではなく、それまでにもそうした行為を積み重ねてきているなら、そして殺人は彼にとって例外的に、きわめて稀な行為として行われたというなら、彼の二つのカルマのどちらが優位にあるかは明白である。
 彼にとって、人を救ったという行為から生じたカルマは、殺人の悪しきカルマよりも強く、彼の死に際して、その輪廻転生に大きな影響を及ぼすカルマの基盤となるに充分であるだろう。」

 ダライ・ラマ法王の論は厳しい。
 いつもいい加減に生きていて、何かのおりに〈その時だけ〉殊勝にふるまっても、運命を動かし、来世のありようを決めるよき因子にはならない。
 また、たとえ家族を守るために暴漢を殺そうと、常々、周囲の人々へ情けをかけて生きてきた人なら、殺人という破戒行為は、来世を決める決定的な悪しき因子とはならない。
 大切なのは、常々の生活ぶりである。
 つまり、自分の生活という〈自分なりの文化〉をいかに創りながら生きているかが重大なのである。

 私たちは古来、文武両道を日本文化の基底としてきた。
 文とは平時における霊性の発露であり、武とは、急時における霊性の発露である。
 文字を読み書きし、親や先生や先輩や社会から人間のあるべき姿を学び、箸と茶碗をきちんと手にし、社会的役割をまっとうしつつ淡々と生きる人間は、その〈自分なりの文化〉、あるいは〈自分たちの文化〉に矜恃を持ち、同時に、それを破壊しようとする無体な者は断固許さぬという気概を養ってきた。
 文化は、生きられつつ創られ、創られつつ守られ、守られつつ創られてきた。
 文化は、創られる平時においては〈文〉であり、守られる急時においては〈武〉であり、〈武〉なき〈文〉は滅びへ向かい、〈文〉なき〈武〉は人間をケダモノに堕とす。
 霊性は文において輝き、武においても輝く。
 現代に生きる私たちは、いのちをかける生きがいを持ち、輝きつつ文を創っているだろうか?
 現代に生きる私たちは、いのちをかけて守るべき文を持ち、守る気概を養っているだろうか?

 少々、脱線した。
 ダライ・ラマ法王が説かれた「馴れ親しんだ行為」という言葉は重い。
 たとえば、現代人の宿痾(シュクア)とも言うべき成人病を考えてもよくわかる。
 日常において繰り返される生活のありようが身体のありように投影され、それは心のありようにも重大な影響を及ぼす。
 日々の生活ぶりが、否応なく、心身の姿となって顕れ、顕れた結果は自分で引き受けるしかない。

 生き方だけでなく、ひいては死に方にまでかかわる「馴れ親しんだ行為」をよく考えてみたい。
 何しろ、転生という、魂の行く先にまでかかわるのである。

 今日の守本尊普賢菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=rWEjdVZChl0



 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

この記事を書いたプロ

大師山 法楽寺 [ホームページ]

遠藤龍地

宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL:022-346-2106

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0
<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
お客様の声

○Aさん(中年女性)の場合 心身の不調を縁としてご加持を受け、自分の願いが通じると実感されました。 そして祈り方を覚え、商売や家庭にさまざまな問題を抱えなが...

 
このプロの紹介記事
遠藤龍地 えんどうりゅうち

人々が集い、拠り所となる本来の“寺”をめざして(1/3)

 七つ森を望む大和町の静かな山里に「大師山 法楽寺」はあります。2009年8月に建立されたばかりという真新しい本堂には、線香と新しい畳のいい香りが漂います。穏やかな笑顔で出迎えてくれた住職の遠藤龍地さんにはある願いがありました。それは「今の...

遠藤龍地プロに相談してみよう!

河北新報社 マイベストプロ

宗教宗派を問わず人生相談、ご祈祷、ご葬儀、ご供養、埋骨が可能

所属 : 大師山 法楽寺
住所 : 宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL : 022-346-2106

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

022-346-2106

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

遠藤龍地(えんどうりゅうち)

大師山 法楽寺

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
プロのおすすめコラム
Q&A(その32)自業自得なら廻向で救われない? ─因果応報と空の話─
イメージ

 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故...

[ 仏教・密教 ]

一年と一周忌供養 ─あの世でもこの世でも救われる話─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 葬儀・供養の安心 ]

消えた因縁 ─心の檻(オリ)から脱した話─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 世間は万華鏡 ]

「みやぎシルバーネット」20周年おめでとうございます ─無私の編集長につながる方々─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 世間は万華鏡 ]

平成28年12月の行事予定 ─護摩・書道・寺子屋・お焚きあげ─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 行事・お知らせ ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ