コラム

 公開日: 2014-05-14  最終更新日: 2014-06-04

『わたしたちの体は寄生虫を欲している』

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。






 還暦を超えた方々の多くが実感し、中には「あるいは……」と考えておられる方もありそうなことが証明の端緒を開いた。
 身体から寄生虫という〈自然〉を追い出したがために、〈自然〉である身体が狂い始め、〈昔はほとんどなかった〉各種アレルギーなどに苦しめられるようになったのではないか?

 ノースカロライナ州立大学の生物学部教授ロブ・ダン著『わたしたちの体は寄生虫を欲している』には、私たちが活き活きした自然としての身体を保ちつつ生きられる未来を拓く鍵が示されている。

○はじめに

 ほとんど忘れかけているが、私たちは「ごく最近まで自然の中で暮らしていた生き物」である。
 現代人の多くが腰痛に悩まされるのは、デスクワークという坐りっぱなしの姿勢に問題がある。
 それは昔「四足で走っていた」生きものとして「不自然な姿勢」だからだという。

「昔と今で最も大きく変わったのは、(泥小屋からペントハウスへ、というような)住まいの様式や便利さではなく、生態系とのつながり方なのだ。」

「鎌状赤血球貧血、糖尿病、自閉症、アレルギー、不安障害、自己免疫病、妊娠高血圧腎症、歯や顎や視力の障害、それに心疾患も、より一般的になってきている。
 そして、これらの病気が増えたのは、公害やグローバリゼーション、あるいは医療システムの欠陥のせいではなく、人間と他の種とのつながりが変化してきたせいだということが、徐々に明らかになってきた。
 しかもそれは、特定の種が消えたためではなく、人間が人間以外のすべての種――寄生虫、細菌、野生の木の実、果実、捕食者など――を生活から排除してきた結果なのだ。
 多くの人は、腸内から寄生虫がいなくなったせいで、むしろ健康を害している。」

 昔は少なかった病気に苦しむ人々が増えた理由を、昔と今との暮らし方の違いに探るのは当然であり、年配者ならだれでも実感できる指摘である。
 昔は、寄生虫やばい菌をこれほど極端に嫌悪しなかった。
 また、上記の症状に苦しむ子供など、ほとんどいなかった。

「わたしたちはどちらの道に進むかを選ぶことができる。
 一方は、ますます自然から遠ざかってゆく道で、その先に待ち受けているのは幸福が少なく、不健康で、不安の多い世界である。
 その世界では、失われた自然の恩恵を取り戻そうとして、ますます科学物質に頼るようになるだろう。」

「これから幸せな生活を送るために必要なのは、野性のすべてはなく、一部を生活に取り戻すことなのだ。
 人類は、農耕を始め、害虫を駆除するようになって以来ずっと、自然を操作し続けてきた。
 今、求められているのはその操作を、これまでより慎重かつ繊細に行うことである。」

「二〇世紀において人類は、有害なただひとつの細菌を腸内から排除するために、抗生物質ですべての細菌を殺した。
 また、野原にいる二、三の害虫を駆除するために、すべての昆虫を殺した。
 どこかにいるヒツジを守るために、国中の狼を殺した。
 テーブル全体をごしごしと洗い清めた。
 このような行動は、膨大な数の人間や家畜の命を救ったが、新たにより深刻な問題を引き起こし、自然からその豊かさをはぎ取ってしまった。」

「わたしたちに与えられた課題は、周りに新たな種類の生物界をつくることだ。
 それは、森林伐採や、抗生物質などを生き残った強い種だけからなる生物界ではなく、知性に裏付けられた多様性に富む生物界であり、わたしたちはそこに生きる生物たちとさまざまな形で関わっていくのである。
 さあ、暮らしに野性の力を取り戻そう。」

 私は子供の頃、胸を患い、抗生物質に救われた。
 そしてずっと腸の不調を抱え続け、今や、腸は写真を見たくない状態になっている。
 いったん風邪をひくと、風邪は治っても、そのあとしばらくは、さらに腸の不調と戦わざるを得ない。
 最近、風邪をひいたおりに、「今回はこれにしてみましょうか」と漢方薬を処方していただいたところ、〈後遺症〉はなかった。
 もちろん、若い頃の暴飲暴食や、無茶な生活も腸がボロボロになった原因の一つには違いない。
 この本を読み、今回の治療では、長年の抗生物質攻撃に耐えて腸内に残った者たちを新たな攻撃で殺さなかったために、私の腸は何とかバランスを保てたのではないかと思える。

 5月10日の産経新聞は「腸の難病治療に便活用」という記事を掲載した。

「下痢や腹痛などを繰り返し、薬で治らない腸の病気に悩む患者の腸に、健康な人の便を移す臨床試験を、慶応大病院が始めた。」

「人間の腸内には数百種類、数百兆個の細菌が住んでおり、免疫や栄養素の分解になどにかかわっている。
 しかし、大腸粘膜に潰瘍ができる潰瘍性大腸炎など腸の病気の患者では、細菌の種類も個数も少ない。」

 何らかの理由で減少した腸内の生きものを移植という直接的な方法で増やそうという試みである。
 この「便微生物移植」の臨床試験では、便の提供者は配偶者か2親等以内の家族としている。

「昨年、米医学誌に掲載された論文では、難治性感染症の患者約40人を従来の薬による治療と便移植とに分けて経過をみたところ、前者は20~30パーセントしか治らなかったのに対し、後者は94パーセントに効果があった。」

『わたしたちの体は寄生虫を欲している』にも、寄生虫を体内へ移植し、どうにもならなかったクローン病と有利に戦う事例が示されている。
 
 大日如来の展開として表れている宇宙はマンダラである。
 マンダラ図には仏神でない者たちも克明に描かれている。
 生物界も多様性に満ちたマンダラである。
 育てる者も育てられる者も、喰う者も喰われる者もいる。
 心もマンダラである。
 善意も悪意も湧き起こる。
 身体もマンダラである。
 身体の内外に害する者も守る者もおり、人間などの生きものはその絶妙なバランスで生かされている。
 私たちの知恵は、マンダラを都合良く動かそうとしながら、いつの間にかとんでもない歪みを生じさせているのではないか。
 生物多様性の破壊、各種のマインドコントロール、そして日本における異様なまでの清潔志向……。

 この本によって暴かれた真実はあまりにも重い。
 人間が自然の一部である以上、〈非自然〉や〈反自然〉の存在となりながら安寧に生きられるはずはない。
 それは自己否定だからである。
 アレルギーなどの増大が、あまりにも急速に進んだ自己否定の副産物であるという指摘には納得できる。
 よく考え、日々の生活法を決めたい。
 それにしても、自分の腸がいよいよ不調になり、妻から便をもらうという状況はあまり想像したくないのだが……。

 今日の守本尊不動明王様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=EOk4OlhTq_M



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 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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