コラム

 公開日: 2014-05-17  最終更新日: 2014-06-04

墓地の移転と宗派の違いについて

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





〈『木香舎』増野繁治師の聖地〉

 墓地の移転を希望する方のご相談は絶えない。
 最も気になるのが、菩提寺の宗派と移転先の宗派の違いである。
 自分で見つけた寺院の姿勢に納得できたから帰依し、今後のことも考えて墓地を移したいと思うようになったが、たまたま、これまでお世話になっていたところと別の宗派だっというわけである。
 ただし、普段、菩提寺との交流はなく、菩提寺の指導で経典を読んだり写経したり、寺子屋へ参加して銀論したり、あるいは人生相談に行くといった関係はない場合が多い。
 だから、当然、菩提寺のご本尊様がどなたであるか、そこで毎日唱えられている主たる経典には何か説かれているかといったこともご存じないケースが少なくない。
 それでいても、これまでと変えることについては「大丈夫かな?」といった漠然とした不安があり、郷里の親戚などからもいい顔をされず途方に暮れる。
 こんな時に考慮すべきポイントを大まかに整理してみよう。

○お墓を守ろうとする人が納得・安心できなければ救われない

 最も大事なのは、手を合わせ、ご先祖様を守ろうとしたり、自分が将来、あの世へ旅立とうとする時に、本当に安心なのかという点である。
 そこがいいかげんでは、年忌供養なども形式的な儀礼に堕し、ご先祖様に申しわけないだけでなく、守る人々にとってもみ仏の教えは生かされず、向上する機会を失う。
 もちろん、自分がどのようにあの世へ旅立つかという点について、どうでもよいと考えられる方はあまりおられないことだろう。
 死ねばゴミになるだけだから自分が死んだ後は〈この世の人任せ〉でしかなく、適当なところへ撒いてくれと考える方は、自分の父母や祖父母や子供や孫や親友や恩人についても、〈生きている間だけのこと〉であり、ゴミになったら関係ないと考えているのだろうか?
 誰かの死を本当に悼(イタ)む人、死の厳粛さと向き合う人は、その人にまつわるものも決して疎かにはできない。
 たとえば孫が急死した場合、孫が遺した写真を平気でゴミ箱へ棄てる祖父母がいるとは思えない。
 死者に〈まつわるもの〉の、最も最たるものがお骨である。
 私たち、この世に生きる人だけでどうにかできる範囲を超えているからこそ、仏神のお力にすがって写真はお焚きあげとし、お骨は丁重に弔う。

 亡くなった人とのあの場面この場面を思い出し、身近な人の死を想像し、死ぬ自分をリアルに考えてみる時、死の厳粛さ、絶対的な力に圧倒される。
 自分の無力さに気づく。
 想いが行き詰まる時、仏神の世界へ心が開く。
 形式的な儀礼の次元を超えた世界での安心を希求する。
 縁となっている寺院や宗教者は信じられるか?
 答は自分で出すしかない。

○亡き方々にとって最も安心な状況を求めたい

 法話において「自分があの世へ行き、お位牌の陰からこの世を眺めていることを想像してみてください」と申しあげる場合が多々ある。
 御霊の視点、御霊の心になってみると、ものごとの考え方が広がる。
 眼から鱗(ウロコ)が落ちる。
 さて、A宗で弔われていた墓地からB宗の墓地へ移される自分にとって一番の問題は何か?
 当然、守ってくれる子孫の安心、幸福、人間的成長である。
 自分が過去に送られ、守られてきた宗派との違いをそうしたことごとよりも優先し、駄々をこねるご先祖様がおられると想像するならば、子孫として失礼というものだろう。
 子孫が本当の心のより所を見つけ、そこに自分たちを任せれば安心であると考え、手間暇かけ、経費もかけて移してくれるならば、ありがたくこそあれ、どこに文句があろうか。

○ものごとは、より根本や本質に迫るところから考えたい

 形に真実が伴い、弔われる御霊の安心も、弔う人の安心と向上も確保されることが大切である。
 根本や本質に迫ることは決して難しくない。
 静かに霊性をはたらかせ、思いやる心で道理に従えばよいだけのことである。

 今日の守本尊千手観音様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=IvMea3W6ZP0



 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

この記事を書いたプロ

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