コラム

 公開日: 2014-05-25  最終更新日: 2014-06-04

平成26年6月の運勢 ―肩の力を抜き、心に薫風と広い視点を―

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。




〈『法楽農園』に立つ守本尊様の足元の草取り奉仕をしていただきました〉

 平成26年6月の運勢と生き方です。

 今月はすなおさを一番にし、肩の力を抜き、心に薫風を抱いて歩めば、人の世に住むありがたさを身に沁みて感じられる体験が待っていることでしょう。

「水無月(ミナヅキ)の色整ひし雑木山 川上真太郎」

 気温が上がり雨も降るこの時期になると植物が急速に伸び始め、五月に兆した夏の活気は大きな勢いとなって天地を包みます。
川上真太郎は雑木に覆われた山にそれを感じました。
 高名な樹木も名の薄い樹木もそれぞれなりに幹や枝を伸ばす雑木をとりあげたところが秀逸です。
 人間社会も、生きものたちのいのちが鎖のようにつながっているこの世も、いわば雑木林です。

 ところで、皆さんは自分の腸内にさまざまな細菌がいるだけでなく、身体全体が無数の細菌によって覆われていることをご存じでしょうか?
 人間と共に生きている細菌全体の数は身体を構成する細胞の数よりも多いのです。
 害になる細菌が勢力を強める場合もありますが、普段は、よい細菌類が戦いに勝つので私たちは生きていられます。
 なお、盲腸について興味深い事実が明らかになりました。
 何かあった時に、よい細菌が避難する場所としての役割も果たしているそうです。

「パスツールは牛乳やその他の食品中の細菌を殺すことを熱心に推奨したが、その一方で、人間の体内や体表にいる細菌は重要で、それなくしては人間は生きていけないと考えていた。
『細菌と人間は相互に依存して進化してきたのであり、腸内の細菌を殺せば、人も殺すことになる』と彼は述べた。
 つまり、腸内の細菌と人間は『絶対的相利共生』の関係にあるというのだ。」(以下の引用文はロブ・ダン著『わたしたちの体は寄生虫を欲している』より)

「ウィルスであれ、細菌であれ、もっと大きなものであれ、病原体はいたるところに存在するのだ。
 人間の力で無菌ユートピアを築けるかも知れないなどという考えは、自ずと崩れ去った。
 無菌装置をどんどん大きくするということ(あるいは、大きな家を建てて、大量の抗菌剤で満たすこと)はできるが、無菌状態に保とうとする領域をおおきくすればするほど、細菌の締め出しは難しくなる。
 さらにまずいことに、レイニアーの無菌装置に忍び込んだ種には害のないものもあったが、私たちが抗菌ティッシュや抗菌スプレーで築く防壁をくぐり抜けてくるのは、性質の悪い菌がほとんどなのだ。」

「ほとんどの時代、とりわけ凶作の折には、細菌が補ってくれる栄養分の多寡が、生死を決めたはずだ。
 仮に細菌がいない状態で、食糧を集めるのに毎日10時間費やすとすれば、細菌がいれば7時間、ことによると6時間で足りることになる。
 細菌は、食べものからより多くの栄養を吸収できるようにわたしたちの祖先を助けてきた。」

「そもそも問題なの菌が侵入してくることではなく、わたしたちが周囲に無菌カプセルを作ろうとしていることなのだ。
 細菌の大半は、わたしたちにとって有益なのだ。
 パスツールは正しかった。
 細菌が存在しなければ、人類の祖先は飢えと病気で死に絶えていただろう。
 そして今日でもわたしたちは、細菌がいなければ、重要な栄養素を吸収できず、病気になるリスクも高くなるはずだ。
 今のように抗生物質を濫用していると、近い将来、吸収できる栄養は少なくなり、また、病原菌に胃や腸を少しづつ浸蝕される恐れがある。
 いずれわたしたちは、特定の細菌をうまく操るようになるかもしれないが(ビタミンKを作る菌は取り入れ、肥満化を促す細菌は排除する、というように、それはまだ先のことだ。」

 引用が長くなりましたが、私たちの身体そのものが細菌という生きものの巣であり、細菌という生きものはまぎれもなく、私たちにとって「絶対的」に「相利」関係にあり

「共生」するしか生きようのないパートナーなのです。
 この本は、寄生虫や細菌を絶滅させれば健康になれるという錯覚を離れ、人間が自然のバランスの中でしか生きられない生きものであることを再認識し、アレルギーなどを克服しようという最新の科学が示す方向性を教えています。

 さて、アフリカに発生した人類が地球上へ生活の場を広げてきた歴史は、それぞれの風土なりの生き方を形づくってきた歴史であり、同時に、自然から遠ざかる歴史でもありました。
 風土に応じて神や仏が出現し、生産活動に応じて自然から離れる度合いも異なり、宗教の多様性と、科学文明の進展速度の遅速が発生しました。
 そして私たちは宗教において頑なになり、排他的になり、争い、戦争まで起こしています。
 先進国と後進国の凄まじい格差、経済力と軍事力を背景にした侵略や簒奪は、抜きがたい憎悪と対立を生みました。
 科学の発達は病気の克服や飢餓からの脱出などめざましい成果を上げましたが、一方で、人間が多様な者として生きられる可能性を持った存在であり、自然の一部としての生きものであることが忘れられてもきたのです。
 そして、この方向性は今や、人類を何度も絶滅させるに充分な原爆を用意させ、もしも事故が起こったならば国境を越えた大惨事となる可能性をはらんだ原発の世界的林立を進展させています。
 また、各種アレルギーやクローン病など、原因がつかみにくく、根治しがたい身体の異変に悩まされるようになりました。
 一部の科学者は「免疫システムが正常に機能するには、『不潔な』寄生虫や細菌の存在が必要とされるので、清潔すぎる生活はよくない」という「清潔仮説」を唱えています。

「現代人が抱える消化管の問題は、免疫システムの異常がもたらすもので、免疫システムが異常になったのは、ともに進化してきた寄生虫がいなくなったためだ」

 私たちは、私たちの姿をすなおに見直す必要がありそうです。
 自分は日本人として米を食べ、日本語を話し、仏神を尊んでいますが、もしもタンザニアのハッザ族に生まれたならこんな生活をしていたはずだと想像してみるのです。

「朝起きたなら、それだけで幸せです」
「不眠の体験はありません」
「私は家族にとって価値のある人間です」
「どんなに空腹でも、獲物を独り占めすることはありません」

 このように生きていたとしても不思議ではありません。
 地球上の人々は誰でもが膨大な過去世の個人的・社会的因縁を背負い、今を〈そのように〉生きているのであり、そのことはまったく等しいのです。
 こうした視点からすれば、他人の宗教を否定したり、他国を侵略したりするいかなる根元的理由も見つけられません。
 また、私たちの身体を、注油したり分解掃除をしたりして効率よくはたらかせる〈機械〉ではなく、無数の生きものたちと共生している〈自然〉と感じ、大自然を故郷とも親とも観じるならば、心身も生活も抑えるものから解放され、いかにゆったりと楽になることでしょうか。
 
 肩の力を抜き、心に薫風を抱き、広い視点を持ってみようではありませんか。

「のうまく さんまんだ ぼだなん あびらうんけん」※今日の守本尊大日如来様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=LEz1cSpCaXA



 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。。

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