コラム

 公開日: 2014-05-28  最終更新日: 2014-06-04

沈む船から生徒を救った教師 ―【現代の偉人伝】第190話―

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





〈ペットの共同墓『一心』に捧げられた作品〉

 5月25日付の河北新報は、「生徒誘導に下階へ」を掲載した。
 韓国の旅客船セウォル号が沈没事故を起こした際、乗り合わせたソウル郊外の檀園高校の教師たちが、船内待機を命じられた下生徒たちを救おうと、逃げやすい上階にいたにもかかわらず、下階へ降て避難させた。
 その結果、教師14人のうち救助されたのは3人のみ、遺体の多くは救命胴衣を着けておらず、生徒たちへ着せようとして精いっぱいだったのだろう。

「船が傾いたとき、2年2組担当のチョン・スヨンさん(25)と7組担当のイ・ジヘさん(31)は、5階の女性教師の部屋から下へ降りた。
 2人は浸水する船内でパニックになっていた生徒らに『甲板の上に逃げて』と誘導したと、生還した生徒は話す。
 チョンさんの遺体は3階で、イさんの遺体は4階で見つかったが、いずれも救命胴衣を着ていなかった。
 5階の同室にいた他の女性教師2人の遺体も4階で見つかっている。」
「4階に部屋があった男性教師4人も死亡。
 6組担当のナム・ユンチョルさんは生徒数人を非常口まで引き連れた後、再び下の階へ降りていった。
 遺体は船外で見つかったという。」

 江戸時代の寺子屋で用いられていた『童子教』は説く。

「三宝(サンボウ)には三礼(サンライ)を尽し
 神明(シンメイ)には再拝(サイハイ)を致(イタ)せ
 人間には一礼(イチレイ)を成せ
 師君(シクン)には頂戴(チョウダイ)すべし」

 寺院や仏壇などの前では仏法僧の三宝へと3回、礼拝を行う。
 神社や神棚の前では東西南北の四方(シホウ)と、北東・南東・南西・北西の四隅(しぐう)、あらゆるところにおわす神々へと2回、礼拝を行う。
 人間に対しては一回のお辞儀を行う。
 師や君に対しては、教育や指導や指示などをありがたく、おしいただく。

 師や君すなわち指導的立場にある者はなぜ、生徒や弟子や部下などから、与えるものをおしいただかれるのか?
 それは、与えるものの内容に価値があり、役立つからだけではない。
 特定の立場を通し、他人への責任を社会的に表明しているからである。
 たとえば20人の部下を持っている人は、20人分の責任がある。
 もしも小さな会社の社長ならば、社員20人に連なる家族たちなどへの責任も間接的に負っている。
 ここを誤り、強権的な態度をとる社長は指示を決して〈頂戴〉されない。
 社長が黙って責任を果たす時、はたらく背中や、まとう空気が、社員たちに〈頂戴〉する心を起こさせる。
 立場をかけ、人生すらかけてこそ、まっとうな社長である。

 最近、関東方面に住む信徒Aさんから、お便りが届いた。
 Aさんは当初、上司を強権的だと思い、困り果てていたが、自分の心をふり返り、上司の様子をありのままに観察したところ、上司が果たしている責任の重さに気づき、それに気づかないでいた自分を恥じた。
 そして、積極的に手伝い始め、職場の空気は一変した。
 やがて上司は、靴をボロボロにすり減らしてはたらくAさんへ靴をプレゼントした。
 感激したAさんは、さらに覚悟を深める。

「早朝一番早く現場に来てゲートを開けて、入場する自動車をチェックする上司の業務を私が代行するように、事務所に申し出ました。
 上司より私のほうがはるかに職場に近く住んでいます。
 覚えることが多く、すぐには変われないのですがやがては上司の負担を軽くするために頑張るつもりでいます。
 上司は本当に助かるはずです。
 応援よろしくお願いいたします。」(Aさんの承諾のもと、プライバシーなどを勘案し、内容を一部変更しながら転載しています)

 Aさんも当山も、仏神のご加護を祈っている。

 檀園高校の教師たちは、師たるべき態度を貫いた。
 いのちをかけて責任をまっとうした。

「犠牲になった生徒の親は、教師の遺影と遺族に
『子供たちは、先生のおかげで最期も怖くなかったでしょう』
と泣きながら感謝を伝えたという。」

 過酷なできごとは人間の暗部を見せただけでなく、霊性の確かな輝きも見せた。
 生徒、教師、そして亡くなられた方々へあらためて合掌したい。
 
 今日の守本尊阿弥陀如来様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=4OCvhacDR7Y



 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。/

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