コラム

 公開日: 2014-06-17 

サッカー観戦と寿司店の勘定 【現代の偉人伝】第191話 ―信頼の国、日本の人々―

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。



〈仙台市青葉区にある『春昼堂』さんで見つけた明善寮の絵はがき〉

 ワールドカップ初戦で日本はコートジボワールに逆転負けを喫した。
 JICA(独立行政法人国際協力機構)横浜では、この試合を約370人が観戦した。
 そのうち、日本人は約350人、約20人がコートジボワール人、約10人がその他アフリカ出身者である。
 彼らはダンスなどを行いながら観戦にのぞみ、歓声やため息の入り交じるひとときを共に楽しんだ。
 試合中、日本にいる約100人のうち5人に1人の割合で集合したコートジボワール人はさかんにマスコミの取材を受けた。
 試合終了後は一体となった大拍手がわき起こり、両国の健闘を讃えた。
 インタビューに答えたコートジボワール人である。
「コートジボワールと日本が、一位と二位になって欲しい」
 コートジボワール人アブドゥライ・トゥーレさん(58才)である。
「非常に家族的な雰囲気で楽しめた。日本には勝ち進んでほしい」
 仙台市の山口保輝さん(23才)である。
「どちらも応援するのは新鮮だったが、正直日本に勝ってほしかった」

 いかに公的機関内であるとは言え、国際協力、国際親善の精神がみごとに表れた場面だったと言いたい。
 一種、異様な雰囲気が生まれるサッカー観戦において、自分の10倍を超える対戦国のサポーターに混じって試合を楽しめる国である日本に生まれたことが誇りに思えた。

 ネットや新聞で結果を知った日、東京へ出張した。
 ビルの谷間にある寿司店で昼食を摂った。
 入り口近くのカウンター内には70才を越えているとおぼしき長老が立ち、「いらっしゃいませ!」と声をかけてくれた。
 遠慮しながらテーブルに着こうとすると、すかさず、奧から若衆が走り出て、「こちらへお願いします」とカウンター席へ案内された。
 奧には部屋もあるが、さして広くもない店内に、姿が見えている店員だけで5人もいて、ほとんどがワイシャツ姿の客をさばいている。
 まず、お茶、そしてお吸い物、続いてにぎり寿司が出された。
 いかにランチサービスであっても、とても700円とは思えないほどの内容でびっくりした。
 しかし、まもなく、もっとびっくりするはめになった。
 食事の終わった客たちは次々に、奧へ行き、立ったままの若衆へ食べたものを告げる。
 若衆は、「はい、~円です。ありがとうございます!」と即座に答え、会計が済む。
 客の申告だけで終わるのである。

 会計する際、若衆へ声をかけた。
 一瞬、店内に緊張感が走り、客同士の声も止んだような気がした。
 作務衣姿は明らかに場違いな客であり、着席のやりとりを聞いていたから当然だ。
「お宅のような店があることは日本の誇りです。
 味と値段もさることながら、会計システムは見事です。
 よい体験をさせていただきました」
 妙な雰囲気は霧消した。
 帰りしな、入り口近くで石のように立つ長老へ会釈した。
 返ってきた会釈を横目に路上へ出た。
 青空から陽光が激しく降りそそいでいるのに、真夏の東京とは思えない清々しさだった。
 自分はよい国に生まれたものだ、誇ることが許されるのはここだ、とあらためて思った。
 こうした日本をこそ、次代へ受け渡したい。



〈ゴミ拾いこそ日本人の誇り〉

 今日になり、ブラジルに乗り込んだ日本人サポーターが試合後、雨合羽姿で会場のゴミ拾いに精を出すシーンを見た。
 情報は世界中を駈けめぐり、称賛の嵐が起こっているという。
 またまた、感涙が流れ出そうになった。
 皆でつくっている〈この日本〉をこそ、守りたいと強く、強く思った。

「のうまく さんまんだ ぼだなん あびらうんけん」※今日の守本尊大日如来様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=LEz1cSpCaXA



 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。。

この記事を書いたプロ

大師山 法楽寺 [ホームページ]

遠藤龍地

宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL:022-346-2106

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
Q&A
セミナー・イベント
お客様の声

○Aさん(中年女性)の場合 心身の不調を縁としてご加持を受け、自分の願いが通じると実感されました。 そして祈り方を覚え、商売や家庭にさまざまな問題を抱えなが...

 
このプロの紹介記事
遠藤龍地 えんどうりゅうち

人々が集い、拠り所となる本来の“寺”をめざして(1/3)

 七つ森を望む大和町の静かな山里に「大師山 法楽寺」はあります。2009年8月に建立されたばかりという真新しい本堂には、線香と新しい畳のいい香りが漂います。穏やかな笑顔で出迎えてくれた住職の遠藤龍地さんにはある願いがありました。それは「今の...

遠藤龍地プロに相談してみよう!

河北新報社 マイベストプロ

宗教宗派を問わず人生相談、ご祈祷、ご葬儀、ご供養、埋骨が可能

所属 : 大師山 法楽寺
住所 : 宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL : 022-346-2106

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

022-346-2106

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

遠藤龍地(えんどうりゅうち)

大師山 法楽寺

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
プロのおすすめコラム
村上春樹氏の「影と生きる」に想う ─影が反逆し始めた世界─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 世間は万華鏡 ]

自衛隊員の本音 ─出征する覚悟、辞める無念─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 不戦堂建立への道 ]

12月の守本尊様は千手観音菩薩です ─救われる時─
イメージ

 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故...

[ 今月の守本尊様・真言・聖語 ]

Q&A(その32)自業自得なら廻向で救われない? ─因果応報と空の話─
イメージ

 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故...

[ 仏教・密教 ]

一年と一周忌供養 ─あの世でもこの世でも救われる話─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 葬儀・供養の安心 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ