コラム

 公開日: 2014-06-26 

ダライ・ラマ『死の謎』を説く」を読む(38) ─世界はカルマによってつくられているのか?―

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。



〈西馬音内盆踊り〉

 平成6年、ジャーナリスト大谷幸三氏は、インドのダラムサラにおいて、ダライ・ラマ法王への質問を数日間かけて行い、回答をまとめた。
 それがテキスト「ダライ・ラマ『死の謎』を説く」である。

第6章 宇宙の法則 ―大宇宙の真実が語りかけるもの―

2 宇宙の創造

○宇宙も輪のように継続していく

「仏教的な視点からビッグ・バンを見れば、ビッグ・バンもまたカルマの力によって起こったと考えざるを得ない。
 なぜなら、そのときすでに生きとし生けるもの、意識を宿した存在があったからである。
 この存在自体には、すでに述べてきたように、始まりもなければ終わりもない。
 したがって、それらはすでに存在していたことになる。」

 意識がいつから在ったのかは、誰にもわからない。
 考えれば考えるほど、元から在ったとしか思えない。
 人生相談では、自分の犯した罪に苦しむ方から、こうした質問をいただく。

「私が犯した罪は、一生背負って行かねばなりません。
 ああ、あの人に申しわけないことをした――と考え始めると、夜も眠れなくなります。
 私が人を深く傷つけてしまったのは、私の前世が極悪人だったからでしょう。
 事実、占い師から、あなたは前世で人を殺していますと指摘されました。
 このこともまた、変えようがありません。
 事件が公になり、世間の人々は皆、私が前世も今も悪人だと知っています。
 人の目が怖くて一歩も外へ出られなくなり、毎日、自分を責めています。
 死のうと思いましたが、こうした自分は来世もきっと、同じなのでしょう?
 死んでもどうにもならい……。
 もう、どうしたらよいかわかりません」

 いのちと心における因果応報を感じとっておられればこその苦しみである。
 そして、苦しみは、ご本人の意識にある。
 こんなふうにお応えしたりする。

「前世で人を殺していない人などきっと、いませんよ。
 私たちは誰一人、残らず、乱世でもいのちの糸がつながっていたから、こうして今を生きているんです。
 自分が生き残るために、誰かを生き残らせるために、人を殺さねばならない時代は当たり前のようにありました。
 村田喜代子氏著『蕨野行(ワラビノコウ)』のように、姥捨て山もありました。
 柳田國男著『山の人生』のように、口減らしをしようと子供が殺されたりもしました。
 しかし、殺す一方で、助けたり、助けられたりもしたからこそ、いのちはつながってきたのです。
 だから前世を怖がったり前世にとらわれたりするのは、ほとんど意味がありません。
 考えるべきは唯一つ、悪業(アクゴウ)の因果により悪行(アクギョウ)を行い、善業(ゼンゴウ)の因果により善行(ゼンゴウ)を行いつつ生きている私たちは、未来に悪行を行わないために、今、悪業をつくる悪行を行わず、善業ををつくる善行を行わねばならないということのみです。
 自分の悪行や悪業をふり返り、あれはダメだったと思うならば、これから先、もうやらねばよいだけのことです。
 やってはいけないことを骨の髄まで知ったあなたは、確かに、悪行から離れ救われる道を歩み始めておられます。
 お釈迦様の言葉が『法句経(ホックキョウ)』に残されています。

『過失(アヤマ)って悪を為すも、追い覆(カエ)すに善を以てせば、是(コ)れ世間を照らす、定(サダ)んで其(ソノ)宣(ヨロ)しきを念ぜよ』

(もしも、うっかり悪しき行為をしてしまったとしても、善き行為によって過ちをうち払ってしまうような生き方をすれば、やがては世間の人々を導く灯火にもなれよう。このことを忘れず、善行の実践をすべし)
 いのちも、心も、これまでずっと続き、これからもきっと続いてゆくことでしょう。
 因果応報は真理であり、この世での行いが原因となり、結果としてのあの世は必ず、やってくるに決まっていますから」

「その結果、宇宙に浮遊した粒子が集まり、古い宇宙を破壊して新しい宇宙を創造したのだろう。
 この宇宙もある一定の長さだけ存在し、結局、溶融して消え、ふたたび、みたび新しい世界、新しい宇宙を形作るであろう。
 となれば、やはりすべてには始まりもなければ終わりもない。
 あるのは輪のような継続のみである。」

 仏教は、因果応報による四相(シソウ)を説く。
 万物は生じ、留まり、変化し、滅し、やがてまた生ずるという循環を繰り返す生・住・異・滅 (ショウジュウイメツ)の思想である。
 個々の業が個々の輪廻転生をもたらし、個々による業の総体としての社会的業が、社会や国家や世界の輪廻転生をもたらす。
 始まりもなく、終わりもない輪である。

「では、カルマこそが力であり、エネルギーであるのか。
 カルマが何かを創造する根源的な力だと考えられるのか。」

 因果応報の主役はカルマ、すなわち、影響力としての業(ゴウ)である。
 それならば、世界はカルマによってつくられているのか?

 今日の守本尊普賢菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=rWEjdVZChl0



 ご関心のある方は当山のホームページ(http://hourakuji.net/)をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

この記事を書いたプロ

大師山 法楽寺 [ホームページ]

遠藤龍地

宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL:022-346-2106

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
Q&A
セミナー・イベント
お客様の声

○Aさん(中年女性)の場合 心身の不調を縁としてご加持を受け、自分の願いが通じると実感されました。 そして祈り方を覚え、商売や家庭にさまざまな問題を抱えなが...

 
このプロの紹介記事
遠藤龍地 えんどうりゅうち

人々が集い、拠り所となる本来の“寺”をめざして(1/3)

 七つ森を望む大和町の静かな山里に「大師山 法楽寺」はあります。2009年8月に建立されたばかりという真新しい本堂には、線香と新しい畳のいい香りが漂います。穏やかな笑顔で出迎えてくれた住職の遠藤龍地さんにはある願いがありました。それは「今の...

遠藤龍地プロに相談してみよう!

河北新報社 マイベストプロ

宗教宗派を問わず人生相談、ご祈祷、ご葬儀、ご供養、埋骨が可能

所属 : 大師山 法楽寺
住所 : 宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL : 022-346-2106

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

022-346-2106

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

遠藤龍地(えんどうりゅうち)

大師山 法楽寺

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
プロのおすすめコラム
村上春樹氏の「影と生きる」に想う ─影が反逆し始めた世界─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 世間は万華鏡 ]

自衛隊員の本音 ─出征する覚悟、辞める無念─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 不戦堂建立への道 ]

12月の守本尊様は千手観音菩薩です ─救われる時─
イメージ

 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故...

[ 今月の守本尊様・真言・聖語 ]

Q&A(その32)自業自得なら廻向で救われない? ─因果応報と空の話─
イメージ

 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故...

[ 仏教・密教 ]

一年と一周忌供養 ─あの世でもこの世でも救われる話─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 葬儀・供養の安心 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ