コラム

 公開日: 2017-10-12 

足のつけねから腸が出る!? 鼠径ヘルニアの原因

鼠径(そけい)ヘルニアという名前には馴染みがない方もいらっしゃるかと思います。鼠径ヘルニアとは俗にいう「脱腸」のことです。

子供の病気と思われがちですが、実際には中高年に多い病気です。ヘルニアというと一般的には椎間板ヘルニアが思い浮かびますが、身体の組織が本来の位置から外にはみ出した状態をヘルニアといい、身体のいろいろな部位で起こります。鼠径ヘルニアは鼠径部、つまり足の付け根の部分に起こるヘルニアです。

今回は鼠径ヘルニアとはどんな病気かお伝えいたします。

鼠径ヘルニアとは

鼠径ヘルニア=脱腸とは、文字通り、鼠径部の筋膜の隙間から、内臓や腸の一部が飛び出してしまう病気です。

立ち上がり、お腹に力をいれた時、鼠径部に軟らかいふくらみができるような場合、鼠径ヘルニアの初期症状かもしれません。このふくらみを指で押し込むと引っ込んでしまいます。また横になると平らになるのが特徴です。

最初はピンポン玉くらいの大きさですが、だんだん膨らんできて、こぶしくらいの大きさとなり、痛みや不快感を伴うようになります。違和感や痛み、見た目の悪さなどで医療機関を受診される方が多いです。

危険な状態になることもある

脱腸した部分が硬くなったり、押しても引っ込まなくなったりする場合もあります。これは「嵌頓(かんとん)」と呼ばれ、痛みや嘔吐などの症状が出て、日常生活に支障をきたすようになります。

嵌頓はいつ起こるのか予想できません。腸管が嵌頓すると、腸の中を食べ物が流れていかなくなってしまい腸閉塞を起こしたり、腹膜炎を起こしたりします。そのまま時間が経てば飛び出た臓器の血行が悪化し、壊死したり、破裂したりすることもあります。

このような症状が出ると、命にかかわる場合もありますので、緊急手術が行われることもあるそうですが、内臓が飛び出してしまう状況を作る“身体のゆがみ”を正せば、元に戻る可能性が大いにあります。

鼠径ヘルニア発生のメカニズム

本来はお腹の中にある腸や腹膜がなぜ外へ飛び出してくるのでしょうか。

小児期に発症する鼠径ヘルニアは先天性のものですが、中高年で起こる鼠径ヘルニアは、加齢による筋肉の衰えが原因で、内臓を支えきれないために起こります。

足の付け根の部分には、筒状の鼠径管が筋膜をつらぬくように通っています。男性では胎児のときに身体の後ろにあった睾丸が、生まれる直前に鼠径管を通って陰嚢に収まります。女性の場合は子宮をささえる靭帯が鼠径管の中を通って太腿の付け根についています。

加齢などによる筋肉の劣化、また、姿勢不良が原因で筋膜がもろくなると、腹圧などがかかった時、腸などの臓器が筋膜の間から押し出され、鼠径管を通って飛び出し、鼠径ヘルニアが起こります。

鼠径ヘルニアの種類

鼠径ヘルニアは起こった場所により3つに分類されます。

〇外鼠径ヘルニア
患者数が最も多いタイプで、鼠径部の外側にふくらみが生じます。お腹の中から内鼠径輪を通って小腸などが出てきます。

〇内鼠径ヘルニア
中高年の男性に多く見られます。腸がお腹の筋膜を破りヘルニアを起こします。

〇太腿ヘルニア
中年以降の出産した女性に多く見られ、もっとも嵌頓を起こしやすいヘルニアです。鼠径部より少し足側にある太腿管という管を通って小腸などが出てきます。

鼠径ヘルニアの治療は手術が基本

この病気は鼠径部に穴があいているので、手術で治すのが基本となります。
立つと膨らむだけで何だろうといった程度だと、放置しておく方が多いのですが、痛みや不快感などの症状が出てくると、生活に支障が出るようになり、受診すると手術が検討されます。

ヘルニアバンドやヘルニアサポーターなどで外から押さえる方法では、治すことができませんし、はずすと飛び出してきます。ヘルニアバンドやサポーターは、あくまでも手術までの“つなぎ”の対処法と考えたほうが良いでしょう。

術後また繰り返さないために正しい姿勢を意識することが欠かせません。

かかりやすいのはどんな人?

子供の病気のイメージが強い鼠径ヘルニアですが、40代の男性に多く起こる傾向があるようです。子供でも成人でも、患者さんの8割以上が男性だといわれています。これは鼠径管のサイズが男性のほうが大きく、脱腸しやすいためと考えられています。

女性の割合は少ないのですが、重症化することが多いのは女性のほうです。

成人の鼠径ヘルニアは、職業や日常の習慣にも注意が必要です。

たとえば職業では、重いものを持ったり運んだりして腹圧がかかる仕事です。長時間の立ち仕事でも同様のリスクがあります。また、咳をよくする人、喘息の人、便秘、排尿障害がある人も鼠径ヘルニアになりやすいといえます。

また女性の場合は妊娠で発症する場合もあります。このような方は鼠径部に違和感を覚えたら注意が必要です。加齢による筋肉の衰えは対処法がありませんが、負担をかけてしまうような日常生活の動作や習慣などは改善できます。

はやめの受診を心がける

アメリカでは専門医がいるほどメジャーな病気ですが、日本では初期症状が出ても放置しておく方が少なくありません。恥ずかしい病気のイメージもあり、受診しない方も多いと思われます。

放置しておくと悪化する場合が多いので、症状が当てはまる方は一度、医療機関を受診することをお勧めします。

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