コラム

 公開日: 2017-03-11 

3.11 あの日の夜空

6年前の夜空


東日本大震災から 6年。
6年前の、3月11日の夜空を再現したプラネタリウム 「星空とともに」 が、今脚光を浴びている。

この 「星空とともに」 は、震災当日の仙台市の星空の映像とともに、
被災者の体験談が流れる40分間のプログラムで、
「停電していた震災当夜は、星空がきれいだった」 という声を耳にした仙台市天文台のスタッフが、
震災翌年に制作し、上映を始めたものだ。





私は、6年前の、あの夜空を覚えている。

普段なら市の中心部から30分の道のりを、4時間半かかってやっと自宅に辿り着き、
当時82歳の母と二人で、余震の度に悲鳴を上げながら、玄関先のエンジンをかけた車の中で、
一晩、まんじりともせず、空を見つめていた。

ラジオが伝える
「海岸に 200~300人の遺体が打ち上げられた」 という内容が、どういう意味かもわからず、
その夜空が、時々赤く染まるのを、不思議に思いながら、ただ見つめていた。

大変なことが起きたということだけは、わかったけれど、
何をどうしたらいいのかわからずに、ただ呆然と空を見つめながら、夜明けを待った。

それは、本当にきれいな夜空だった。
満天の星空だった。


6年前の形跡

あの夜から6年
我が家には、6年前の形跡がいまだに残っている。
そこだけ、時間が止まったままになっている。

それは、隣りの区にあった、全壊した実家を取り壊す際に運び出した「段ボールの山」 だ。
大小合わせて、174個にも及ぶその段ボールは、私の家の2部屋を今も占領している。

当時、引っ越し業者の人に、
「震災の引っ越しの中で、今まで一番多い量ですね」 と言われたその段ボールには、
実家での50年以上に及ぶ、父と母の生活の証が詰まっている。

母は、「使わないものは、この際処分してもらおう~」 という私の言葉に、「そうね」 とうなずきながらも、
気が付くと、ほとんどの物が段ボールに詰め込まれていた。

結局、処分できなかったその荷物たちに、これまで、母も私も、触れることが出来ずに来た。
段ボールのふたを開けた途端、被災したあの日を思い出しそうで、開ける勇気がなかったのだと思う。

先日、88歳になった母が、言った。
「そろそろ、荷物片付けようかしら・・・」
6年たって、やっと出た言葉だった。

あの段ボールを開けたら、プラネタリウムで6年前のあの夜空を思い出すように、
6年前の実家の思い出と、向き合うことができるだろうか・・・・・・

少し暖かくなったら、母と一緒に、段ボールを開けてみようと思っている。
今なら、思い出話に花が咲くかも知れないと思いながら、とりあえず開けてみようと思う。


これが、あの日から6年経った、私の思いです。
皆さんにとって、この6年はどんな年月でしたか? そして今皆さんは何を思いますか?







★「震災から2か月」 http://www.stage-up.info/person/cat1/post-34.php
★「被災地の人になって」 http://www.rodoku.org/news/201107rodoku.pdf
★「被災地での朗読ボランティア」 http://www.rodoku.org/news/2012spring.pdf
★「朗読ボランティアの報告」 http://www.stage-up.info/person/cat1/post-53.php

★「あの日から1年」 http://www.stage-up.info/person/cat1/1.php
★「あの日から1年半」 http://www.stage-up.info/person/cat1/1-1.php
★「朗読と涙」 http://www.stage-up.info/person/cat1/post-69.php
★「白いネクタイ」 http://www.stage-up.info/person/cat1/post-70.php
★「震災番組出演」 http://www.stage-up.info/person/cat1/311.php

★「忘れないということ」 http://www.stage-up.info/person/cat1/post-78.php
★「震災番組に思うこと」 http://www.stage-up.info/person/cat1/post-172.php
★「あの日から4年」 http://www.stage-up.info/person/cat1/4-1.php
★「亘理での偶然の再会」 http://www.stage-up.info/person/cat1/post-276.php
★「あの日から5年」~心に響いた言葉~ http://mbp-miyagi.com/stage-up/column/13065/

この記事を書いたプロ

ステージ・アップ [ホームページ]

講師 長野淳子

宮城県仙台市泉区 [地図]
TEL:090-3750-6670

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

8

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
メンバー紹介
イメージ

学生時代から 演劇を志し 在仙の劇団にて活動1985年から フリーアナウンサーとして独立しテレビ・ラジオ番組の 司会・ナレーション・リポート・CMなどを担当その...

お客様の声
イメージ

●『伝えるためには』使う言葉、スピード、間、表情などがとても大切であることを あらためて感じました。 ●言葉の持つ意味がとても大事で、お客様相手の仕事をする...

プロへのみんなの声

全ての評価・評判を見る>>

 
このプロの紹介記事
長野淳子 ながのじゅんこ

言葉の力で自分も周りも幸せに(1/3)

何気ないひと言に、癒されたり、奮起したり、涙したり―そんな「言葉の力」を感じたことは、だれもが一度はあるのではないでしょうか。「ステージ・アップ」の代表、長野淳子さんは、その言葉の力を生かして人々の心や行動を前向きな方向へ導いていくプロ...

長野淳子プロに相談してみよう!

河北新報社 マイベストプロ

3000件以上の司会経験をもとに「生きた言葉」をお届けします

会社名 : ステージ・アップ
住所 : 宮城県仙台市泉区 [地図]
TEL : 090-3750-6670

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

090-3750-6670

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

長野淳子(ながのじゅんこ)

ステージ・アップ

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
このプロへのみんなの声

人と接する仕事をしているので、とても役に立ちました。

● 「第一印象」はとても大切だと思いました。 仕事で役立...

K・S
  • 30代/女性 
  • 参考になった数(11

このプロへの声をもっと見る

プロのおすすめコラム
「JIJICO」 に 「お歳暮のマナー」 の記事が掲載されました!
イメージ

「マイベストプロ」 が運営している、専門家によるニュース解説サイト 「JIJIKO」「JIJIKO」 では、様々な時事問...

[ お知らせ ]

河北ウイークリーに 朗読会の記事が掲載されました!
イメージ

毎年12月に開催している ステージ・アップの朗読会 「ライブリーディング ブーケ」今年も、12月3日㈰ 13時30...

[ 朗読 ]

朗読ボランティア 「杜の音通信」 (H29年10月号)
イメージ

平成26年の9月から、月1回のペースで朗読ボランティアに伺っている 「ギャラリー杜の音」10月は、以下の4作品を...

[ 朗読 ]

「大人のための朗読講座」 10月26日 スタート!
イメージ

趣味の幅を広げたい、新しい世界にチャレンジしたい!!好奇心いっぱい、チャレンジ精神旺盛な皆さんを応援する ...

[ 講演会・セミナー・講座 ]

ステージ・アップ朗読会 12月3日㈰ 開催!
イメージ

読書の秋・芸術の秋・・・・・いよいよ私の大好きな季節の到来です!皆様お変わりありませんか?さて今日は...

[ 朗読 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ