コラム

 公開日: 2017-12-02 

【会話形式】兄弟姉妹での相続(前編)

【子供がいない夫婦の兄弟姉妹と遺産分割協議】
当事務所で実際に承った委託業務を、ご依頼者の方に全面的にご了解いただき、
会話形式のコラムにしてみました。

当事務所のご相談から受託、業務の完結までの流れが、多少お分かりいただけるものと存じますので、
お時間のある時にもお目を通してみてくださいね。

【第1篇:相談の趣旨】
※難解な表現にならぬよう、一部法的な記載を簡易化している箇所がございます。
■相談者(60代の男性)
今年の初め、私(相談者)の姉が亡くなりました。
姉の夫は5年前に亡くなっていて、夫婦に子供はいませんでした。
姉の預貯金などは私(相談者)たちの兄弟姉妹で相続しましたが、姉の夫名義の定期含む預貯金や、不動産などは亡くなった5年前のまま今現在も姉の夫名義のままになっていました。まだ手続きが終わっていない姉の夫名義の財産はどうなるのでしょうか。
□行政書士
今回は、お子さんがおらず、夫(義兄)の次に妻(実姉)の順番でお亡くなりになっているので、義兄(姉の夫)の相続人は、ご夫婦の兄弟姉妹と尊属(ご両親など)になっていくでしょう。今現在はどのようなご親族構成かご存知ですか?
■相談者
・姉の夫は8人兄弟姉妹だったので、今は7名ですね。
・私(相談者)も含め姉の兄弟姉妹は5名ですが、うち1名は10年前に亡くなっていて、その子が甥と姪一人ずつの2名います。
・私(相談者)側も、姉の夫側も、両親は何十年も前に亡くなっています。
□行政書士
わかりました。ちょっと説明が長くなりますが、
まず結果から申上げると、双方の兄弟姉妹の皆さんでご存命の11名は今回の遺産分割協議に参加することになります。そして、甥・姪のお二人も、代襲相続人として同様に参加することになります。代襲相続人という名称でも、権利や地位は相続人とほとんど同じです。
つまり・・・
姉の夫の兄弟姉妹(夫側の合計7名)
姉の兄弟姉妹ご存命の4名と、代襲相続で甥1名、姪1名(姉側の合計6名)
総勢13名が、夫の姉の遺産分割協議に参加することになります。
お二人とも遺言書がないということでしたので、相続分は民法という法律で定めている法定相続分が適用され、法律の形式上は、姉側が4分の3(これを6名で分配)、姉の夫側が4分の1(これを7名で分配)ということになります。
もちろん、皆さんでこれと異なる分配を決めることも可能です。そのための「協議」でもありますので。
■相談者
13名ですか・・・結構な人数になってしまうんですね・・・
相続分なども今日教えてもらうまで分かりませんでした。てっきり義兄側の兄弟姉妹の取り分がこちらより多いのだと思い込んでいました。
□行政書士
そうでしたか・・・
■相談者
予想はしていましたが、人数や相続分の計算、不動産の名義変更や預貯金等の解約手続きなど考えるとお願いせざるを得ないです。よろしくお願いします。
ちなみに、今回の手続きを進めるにあたっては、私の方で動けるところがあれば教えてほしいですし、注意すべきこと等あれば教えて頂きたいです。
□行政書士
嬉しいお言葉ありがとうございます。
まずは、今回の手続きをするにあたり、専門家に依頼したいのだが、賛成してくれるか?と相続人皆さんのお考えを確認された方が良いでしょうね。
■相談者
なるほど、わかりました。事後報告になるよりも、事前に相談する方が双方に気分を害さないですよね。では、全員の賛成が得られたらご連絡すればいいですね。
□行政書士
はい。よろしくお願いします。
なお、専門家への依頼をよく思っていないような言動の人、納得がいかないので最初から遺産分割協議に参加するつもりがないなどと仰っている人がいる場合、行政書士が直接その方を説得するようなことはできないので、出来る限りそういう事態にならないようなニュアンスで全員にお話ししてくださいね。
■相談者
気を付けます。
でも、どうしてもそういう人が出てきたら、どうしたらいいでしょうか。
□行政書士
そういう場合は、お身内の中でその人と仲の良い方等を通じて、または同席してもらったりして、なるべく平穏にご理解頂くよう働きかけてみて下さい。
それでも難しいとき、皆さんの代わりに交渉できるのは弁護士しかいません。
どうしてもと言う場合は、私の方で信頼できる弁護士事務所を紹介することもできます。
順調に私の方で受託が可能という確認が取れましたら費用のお話もさせて頂きますので。
■相談者
わかりました。では、やるべきところから頑張ってみます。

【第2編:委託と受託(行政書士へ依頼する)】
■相談者
千葉さん、お待たせしました。私含め行政書士の千葉さんへ依頼することを含めて13名全員の遺産分割協議への参加を穏便に取り付けることが出来ました。
□行政書士
ご連絡ありがとうございます。大変なご対応本当にお疲れさまでした。
では、次回のお打合せ日に、2種類の「委任状(委託書)」を作成準備しておきますので、当日内容に問題なければ署名押印頂ければ幸いです。ちなみに2種類のうちの一つが「行政書士の方で今回の遺産分割協議当事者の方の戸籍や住民票を代行取得することを依頼した旨」のもの、
もう1種類は「公的な書類の取得が完了した後、遺産分割協議書を代行作成する旨の依頼をしたことを証する13名分の委任状(委託書)」になります。
後者の方は、他の12名分をお渡ししますので、お手数ですが戸籍等の取得が終わるまでに(1か月半程度)取り揃えて頂けると助かります。
全員分が大変そうでしたら、私の方で委任状の趣旨や返送の方法など書き添えた返送封筒同封の封書をお送りすることも可能です。
■相談者
お願いするまでもいろいろ書類の取り交わしがあるんですね。
わかりました。では、私の分はその場で署名押印します。
他の12名分は、私から言っておきますので、千葉さんから郵送の方法でお願い致します。
□行政書士
かしこまりました。
この後すぐに下準備を始めておきますのでご安心ください。
では、先日も少し触れてはおりましたが、ここから先は戸籍等の取得費用や郵便代などの実費、そして、専門的な事務作業の工程が入って参りますので、全体報酬の一部を構成する着手金の方をお願いできますでしょうか。
そして、その着手金の額ですが、@万円で設定させて頂いても宜しいでしょうか。
算出の大よその根拠は、戸籍や不動産に関する500円前後の書類の取得が40通以上、往復の郵便代や小為替代、専門事務作業対応時間等、事務消耗品、通信費などです。
■相談者
わかりました。確かに中身を想像すると私がやってもかかる手数料や郵便代などの実費もありますし、内容自体も大変な作業ですよね。今日明日にでもお振込みして直ぐにご連絡致しますので。
□行政書士
お気遣い頂いて恐れ入ります。

(※着手金の受領及び、後日、全員分の委任状(委託書)が出揃う。併せて、戸籍等の取得状況を定期的に報告。)

【第3編:遺産分割協議書の起案から作成まで】
□行政書士
(当職事務所にて)
お久しぶりです。改めまして先日は皆様全員分の委任状の方のご対応お疲れ様でした。
お陰様で遺産分割協議当事者の方の戸除籍・住民除票等、その他不動産に関する書類も、この通り取得が終わっております。
■相談者
いやー13名分となるとすごい量ですね・・・いったい何通くらいになったんですか?
□行政書士
そうですね・・・ご存命の方、つまり相続人の方の戸籍は現在のものだけでいいので人数分の13通なんですが、お姉さまご夫婦2名と、既にお亡くなりになっていらっしゃるご姉妹1名、双方のご両親4名分は出生から死亡までを取得しましたので、こちらだけで30通くらいにはなったでしょうね。あと委任状関係もありますか。
■相談者
じゃ、40通以上になっているんですねこの束は?
□行政書士
そうですね。正直に言うと内容を把握する作業に集中しているので、まだ数えていません。
蛇足ですが、戸籍に関する法律も改正を繰り返しているので、その都度戸籍記載が改訂されていますから、束自体が分厚い時代もあれば1枚で済んでしまう時代もあります。
■相談者
そうなんですか。いやいや最初からお任せして良かったです。ちょっと私では無理だったと思います。取得までの手間もですが、取得後の保管や管理などできそうな気がしません。
□行政書士
今回は取得する通数がそれなりになりましたからね。普段戸籍等との接点があまりない方には挫けてしまい兼ねない数だったかもしれません。
それはそうと、これから遺産分割協議書の文面を起案するのですが、皆さんでどのように相続等されるかの協議は進んでいらっしゃいますか?
■相談者
あっそうでしたよね。
はい。不動産は一旦私の名義にしてから売却して、その代金をみんなで分けることにしました。いずれにせよあの家に住む人が既にこの世にいませんし、定期的に管理できる人間もいません。身内でも引っ越してまで住まないという意見が大半でした。
□行政書士
そうでしたか。寂しいですけど仕方ないですね。
では、不動産の方はそのような記載で構成を進めておきましょうか。
登記手続きをするのは司法書士になりますので、後日ご紹介させて頂きます。
その司法書士にも、今のことをしっかり話しておきますので。
もし事情が変わりそうなときはお知らせくださいね。
あと、もう一つの方の財産である定期預金等の記載について、今お聞きすることはできますか?
■相談者
はい。不動産と同じで、解約後は私の口座へ全額振り込んでもらうようにして、その後皆で分ける予定です。不動産同様、誰か一人の名義にした方が手続きがスムーズであるということです。
□行政書士
わかりました。
では、基本的には一旦お1人が相続される形にして、その後皆様で分けられるという形ですね。
■相談者
そういえば、相続税とか贈与税とか聞きますけど、今回は大丈夫なんでしょうか?
□行政書士
他のご相談についても、税務に関する問題は必ず信頼置ける税理士に行政書士の私から相談していますが、今回は相続される皆様の数が多いので、総額自体は非課税の中で収まるようですね(平成29年現在の法定非課税枠:3.000万円+相続人の数×600万円)。
ただ、一つ気になるのは、遺産分割協議書通りに相続した後、一定以上の金銭の授受があると、場合によっては贈与税などの問題が生じることもあります。
この場合「代償」として、どなたに幾らお支払するとか、売却代金の何割をお支払する等と協議書の中で大枠は決めておいた方が良いかもしれませんね。
併せて、不動産を売却されると、仲介料含め相応の費用が生じますし、翌年、所得税の納付や公租公課(保険料や住民税など)も負担割合が増えますので、それらの負担も視野に入れた遺産分割協議書になっていた方が良いものと存じます。
■相談者
分かりました。
では、税理士さんや、確か不動産の登記は司法書士さんですよね。
千葉さんの方でそちらの専門の皆様と情報の共有と、手続きの進行をお願い致します。
□行政書士
承知しました。
では、部分的には税理士さんや司法書士さんにも専門的な知識を提供して頂きながら、今回の遺産分割協議書の方を作成していきます。
今後もご不明な点やご質問などありましたら、長年の友人くらいの温度でいつでも聞いてくださいね。
■相談者
ありがとうございます。

【後編へ続く:続き下記のURLをクリックしてください】
http://mbp-miyagi.com/taian-gyosei/column/15606/

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